2000年から2025年の勤労世帯における生鮮野菜の平均支出は約6,430円。さいたま市や川崎市、富山市など都市圏で支出が高く、川崎市や広島市では前年から大幅増加。一方、那覇市や宮崎市などでは減少傾向が目立つ。経済状況や食習慣、物流環境が地域差を生み、世代間の健康意識の違いも影響。今後は価格変動や多様なライフスタイルに対応した消費動向が鍵となる。
生鮮野菜(勤労)の家計調査結果
生鮮野菜(勤労)の多い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | さいたま市 | 川崎市 | 富山市 | 奈良市 | 東京都区部 | 山形市 | 松江市 | 広島市 | 横浜市 | 秋田市 |
最新値[円] | 6430 | 8365 | 8269 | 7910 | 7907 | 7872 | 7794 | 7674 | 7522 | 7499 | 7393 |
前年月同比[%] | +12.65 | +19.98 | +67.83 | +16.24 | +12.16 | +24.28 | +10.3 | +55.69 | +69.84 | +17.17 | +24.59 |
生鮮野菜(勤労)の少ない都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 那覇市 | 宮崎市 | 鹿児島市 | 高知市 | 青森市 | 浜松市 | 大分市 | 甲府市 | 北九州市 | 和歌山市 |
最新値[円] | 6430 | 4650 | 4797 | 5031 | 5422 | 5428 | 5485 | 5514 | 5574 | 5599 | 5638 |
前年月同比[%] | +12.65 | -8.066 | -1.922 | +12.42 | +6.88 | -14.53 | +0.92 | +23.63 | -22.54 | +3.341 | +8.905 |
これまでの生鮮野菜(勤労)の推移


詳細なデータとグラフ
生鮮野菜(勤労)の野菜現状と今後
生鮮野菜は健康的な食生活の基盤であり、勤労世帯の食費の中でも重要な構成要素です。2000年から2025年の家計調査によると、勤労世帯の生鮮野菜平均支出は約6,430円で、働き盛り世代の健康志向や調理習慣に影響されて変動しています。鮮度保持や価格変動、外食利用との兼ね合いも支出に反映されます。
都市別消費額の特徴と増減率
生鮮野菜支出が高い都市(2025年最新)
-
さいたま市:8,365円(前年+19.98%)
-
川崎市:8,269円(+67.83%)
-
富山市:7,910円(+16.24%)
-
奈良市:7,907円(+12.16%)
-
東京都区部:7,872円(+24.28%)
-
山形市:7,794円(+10.3%)
-
松江市:7,674円(+55.69%)
-
広島市:7,522円(+69.84%)
-
横浜市:7,499円(+17.17%)
-
秋田市:7,393円(+24.59%)
特に川崎市や広島市、松江市で前年からの増加率が大きく、約50〜70%超の伸びを示しているのが注目されます。これは流通改善や地産地消の推進、健康志向の高まりが影響と考えられます。
消費額が低い都市
-
那覇市:4,650円(前年-8.07%)
-
宮崎市:4,797円(-1.92%)
-
鹿児島市:5,031円(+12.42%)
-
高知市:5,422円(+6.88%)
-
青森市:5,428円(-14.53%)
-
浜松市:5,485円(+0.92%)
-
大分市:5,514円(+23.63%)
-
甲府市:5,574円(-22.54%)
-
北九州市:5,599円(+3.34%)
-
和歌山市:5,638円(+8.91%)
特に那覇市、青森市、甲府市は減少幅が大きく、一方で大分市や鹿児島市は増加傾向にあります。
地域差の背景と要因
地理・気候と流通の影響
寒冷地や離島に近い地域は生鮮野菜の物流コストが高く、価格も上昇しやすい傾向があります。これが支出に影響し、消費量の差異を生み出します。川崎市や東京都区部のような大都市圏は流通が発達しており、品ぞろえと価格面で有利です。
地域の食文化・生活スタイル
野菜消費量や好みは地域の伝統食や生活習慣に左右されます。東北地方や北関東の都市は野菜中心の食文化が根付いており支出も高い傾向です。沖縄(那覇市)などは食文化の多様化により生鮮野菜消費が相対的に低下傾向。
経済状況と所得水準
大都市圏は所得水準が比較的高く、健康意識も高いため野菜消費が増加する傾向があります。逆に一部地方都市では人口減少や経済停滞が支出減少の一因です。
世代別の特徴と健康志向の影響
勤労世帯では30〜50代の中間層が中心で、子育て世代や健康志向が強い世代は新鮮な野菜や有機野菜への支出を増やしています。若年層は簡便な食事傾向が続く一方、中高年層は病気予防のため野菜摂取量を増やす傾向が見られ、世代間で野菜購入の目的や種類に差異があります。
問題点と課題
-
野菜の価格変動が家計負担の大きな不安材料となっている。
-
都市間の消費格差が依然として大きく、食の地域格差拡大の懸念。
-
働く世帯の忙しさから調理時間の確保が困難であり、野菜消費減少につながる恐れ。
-
流通の非効率性や廃棄ロスの問題も依然として解決が必要。
今後の推移と展望
-
健康志向や機能性野菜の市場拡大が予想され、生鮮野菜の需要は安定的に増加傾向にある。
-
都市部では利便性の高いカット野菜や宅配サービスの利用が増え、消費拡大を支える。
-
地方都市では地産地消の推進や食育の強化で野菜消費の底上げを図る取り組みが重要。
-
働く世帯のライフスタイル変化に対応した商品開発が消費を後押しすると考えられる。
まとめ
勤労世帯の生鮮野菜支出は都市間で大きな差があり、さいたま市や川崎市など大都市圏での消費が高く増加傾向にあります。地域特性や経済環境、食文化の違いが支出差の背景にあり、世代ごとの健康意識や生活習慣も消費パターンに影響を与えています。今後は価格変動や流通改善、生活様式の変化に対応した取り組みが求められ、持続可能な野菜消費促進が課題となります。
コメント