2025年4月の冷蔵庫の平均支出は10.97万円で、北陸が突出して高額。支出額は一部地域で増加傾向にあるが、購入世帯割合は全国的に大幅減少。高機能・高価格化が進む中、価格と利便性のバランスが課題に。今後はスマート機能、省エネ性、用途別製品展開により、需要の再活性化が期待される。
家計調査結果
冷蔵庫の相場
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 北陸 | 九州・沖縄 | 大都市 | 小都市B | 関東 | 近畿 | 全国 | 中都市 | 東海 | 中国 |
最新値[万円] | 10.97 | 21.42 | 15.06 | 14.53 | 12.74 | 12.24 | 12.2 | 11.15 | 9.454 | 9.154 | 8.359 |
前年同月比[%] | -8.55 | +79.83 | -18.67 | +32.23 | -15.14 | +28.81 | -1.385 | -4.237 | -16.2 | -32.82 | -29.74 |
冷蔵庫支出の世帯割合
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 四国 | 東海 | 小都市A | 小都市B | 九州・沖縄 | 関東 | 全国 | 大都市 | 近畿 | 中都市 |
最新値[%] | 0.384 | 0.75 | 0.53 | 0.45 | 0.41 | 0.41 | 0.39 | 0.38 | 0.36 | 0.34 | 0.34 |
前年同月比[%] | -32.88 | +120.6 | +6 | -34.78 | -18 | -10.87 | -17.02 | -28.3 | -33.33 | -30.61 | -19.05 |
冷蔵庫の推移


詳細なデータとグラフ
冷蔵庫の家電現状と今後
2025年4月時点で、日本の世帯における冷蔵庫の平均支出額は10.97万円と報告されています。家電の中でも冷蔵庫は耐久年数が長く、また家庭の生活インフラとして欠かせない存在であるため、買い替えの際は高額支出になりやすいのが特徴です。
地域別で見ると、最も高額なのは北陸の21.42万円で、全国平均のほぼ2倍です。これに続くのが9州・沖縄(15.06万円)、大都市(14.53万円)と、地域によって大きな差が見られます。北陸が特に高い理由としては、大型冷蔵庫の普及や冬季の保存環境を考慮した高機能モデルの購入が多い可能性が考えられます。1方、中国地方は8.359万円と最も低く、冷蔵庫の更新が控えめであるか、比較的安価なモデルが選ばれていることが推測されます。
支出額と購入率の増減から見る需要の動き
前年同月比で見ると、冷蔵庫の支出額は全国平均で-8.55%と全体的に減少しています。特に東海(-32.82%)や中国(-29.74%)の減少幅が大きく、買い替え需要が前年に集中していた可能性や、インフレの影響による買い控えが影響しているとみられます。反対に北陸では+79.83%、関東で+28.81%、大都市でも+32.23%と大幅に上昇しており、これらの地域では高機能冷蔵庫の買い替え需要が強く反映された結果と考えられます。
1方、冷蔵庫を購入した世帯の割合は全国平均で0.384%、これは洗濯機(0.549%)よりもさらに低く、冷蔵庫がいかに長期間使われるかを示しています。しかも前年比での購入割合は全国で-32.88%と大きく減少しており、買い替えの鈍化傾向が明確です。特に北陸(-87.37%)や中国(-60.27%)、北海道(-52.38%)などでは極端な減少が見られ、2024年の需要が1時的に集中していた可能性が考えられます。
冷蔵庫市場における課題と消費者ニーズ
冷蔵庫市場は長年にわたり進化を続けていますが、依然としていくつかの課題を抱えています。まず挙げられるのは、「価格の高さ」と「サイズの大型化」です。高機能化により自動製氷、脱臭・除菌、AI連動などの新技術が搭載される1方で、それに伴い価格は上昇し、10万円を超える支出が当たり前となっています。
また、都市部では「設置スペースの制約」も問題です。キッチンのレイアウトにより大型モデルを選べない世帯も多く、選択肢が限られがちです。さらに、共働き世帯の増加により「冷凍室の容量重視」や「食材管理アプリとの連携」といった利便性を重視する声も高まっていますが、これらは主に高価格帯モデルに集中しており、価格とのバランスがネックとなっています。
今後の冷蔵庫市場の展望と期待
今後の冷蔵庫市場は、以下の3つの方向での変化が期待されます。
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スマート化とエコ性能の進化エネルギー効率の良さ、省エネ性能は引き続き消費者に強く支持されます。加えて、IoTを活用した食材管理や、外出先から庫内を確認できる機能の実装が普及していくと予想されます。
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2極化するニーズ対応高所得層では高機能・大容量モデルが根強く支持される1方で、単身者やシニア世帯向けには小型・簡易モデルの需要も高まりそうです。これによりメーカー各社は「機能を絞った低価格帯モデル」のラインアップを再強化する必要があるでしょう。
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サブスクリプション型・リース需要の拡大家電の長期使用と価格上昇により、冷蔵庫の「借りる」という選択肢も拡大が期待されます。特に若年層や単身者に向けた柔軟な所有形態が、市場の新たな活性化要素になる可能性があります。
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