2025年4月の日本における冷凍米飯100gの平均小売価格は93円で、盛岡109円、甲府105円など地域差は約30円に及ぶ。前年比では盛岡で約35%の大幅増加があり、全体の平均増加率は約9.8%。価格は米の原料価格や加工・物流費、エネルギーコストの影響を強く受ける。今後は技術革新と市場競争により価格の安定化や地域差の縮小が期待される。
小売物価統計
冷凍米飯小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 盛岡 | 甲府 | 岡山 | 札幌 | 熊本 | 水戸 | 徳島 | 山形 | 奈良 | 青森 |
最新値[円] | 93 | 109 | 105 | 105 | 104 | 102 | 101 | 99 | 99 | 99 | 98 |
前年同月比[%] | +9.797 | +34.57 | +10.53 | +14.13 | +9.474 | +13.33 | +14.77 | +3.125 | +5.319 | +10 | +12.64 |
冷凍米飯小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 高知 | 佐賀 | 京都 | 津 | 長野 | 鹿児島 | 宮崎 | 新潟 | 松山 | 前橋 |
最新値[円] | 93 | 79 | 82 | 84 | 84 | 84 | 84 | 86 | 86 | 86 | 87 |
前年同月比[%] | +9.797 | -5.747 | +15.07 | +3.704 | +12 | +7.692 | -2.273 | +7.5 | +11.54 |
冷凍米飯の推移


詳細なデータとグラフ
冷凍米飯の現状と今後
冷凍米飯は忙しい現代人の食生活において便利な主食の1つとして急速に普及しています。2020年1月から2025年4月までの約5年4ヶ月間における全国の冷凍米飯100gあたりの小売価格を分析したところ、2025年4月時点の全国平均価格は93円でした。地域によって価格に差があり、その動向と背景について詳細に検討します。
地域別の価格分布と特徴
最新の冷凍米飯100gあたり価格の高い地域上位は次の通りです。
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盛岡:109円(前年比+34.57%)
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甲府:105円(+10.53%)
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岡山:105円(+14.13%)
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札幌:104円(+9.474%)
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熊本:102円(+13.33%)
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水戸:101円(+14.77%)
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徳島:99円(+3.125%)
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山形:99円(+5.319%)
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奈良:99円(+10%)
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青森:98円(+12.64%)
1方、低価格地域の例は以下です。
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高知:79円
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佐賀:82円(前年比-5.747%)
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京都:84円(+15.07%)
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津:84円(+3.704%)
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長野:84円(+12%)
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鹿児島:84円(+7.692%)
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新潟:86円(-2.273%)
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松山:86円(+7.5%)
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前橋:87円(+11.54%)
地域差は約30円程度で、価格が高い地域は北東北や中部、関西地方に多く、低い地域は9州南部や4国に分布しています。
価格変動の背景と課題
冷凍米飯の価格変動は複数の要因が絡み合っています。まず、原材料である米の価格は国内外の天候変動や農業政策の影響を受けやすく、2020年代に入ってからも米価の安定には課題が残っています。また冷凍加工や包装技術、物流コストの上昇も価格に影響を与えています。特にエネルギーコストの上昇は冷凍保存に必要な電力消費に直結し、価格の押し上げ要因となっています。
また、人口減少や地域別の消費ニーズの違いにより、販売量や物流効率に地域差が生じています。高価格地域では配送コストや小規模販売店の多さが価格を高める1因となっています。1方で、低価格地域では大規模スーパーやチェーン店の競争が激しく、価格が抑えられやすい傾向です。
前年比増減率に見る注目点
前年比の増加率が最も高いのは盛岡の34.57%増で、これは原材料価格高騰や物流費増加が集中した地域と考えられます。岡山や水戸もそれぞれ14%以上の増加が見られ、東北や関東圏でも価格上昇圧力が強まっています。1方、佐賀(-5.747%)、新潟(-2.273%)などで価格が下がった地域もあり、これらは競争激化やコスト削減努力の成果、あるいは1時的な値引き戦略の影響と推察されます。
今後の価格推移に対する展望
冷凍米飯の価格動向は今後も原材料の安定供給やエネルギーコスト、物流効率の改善に大きく依存すると予想されます。技術革新による冷凍技術の向上や製造プロセスの効率化が進むことでコスト削減が期待される1方、人口減少や消費者の食習慣変化に伴う需要減少は、価格競争を1層激化させる可能性があります。
また、健康志向の高まりから低糖質や有機米を使った冷凍米飯の需要増加も見込まれ、これらのプレミアム商品は価格の上昇要因となるでしょう。地域ごとの流通網整備や販売チャネル多様化も価格動向を左右します。
総じて、価格はやや上昇基調を維持しつつも、技術革新と市場競争の進展により安定化または地域間の格差縮小も期待されます。
まとめ
日本の冷凍米飯100gあたり小売価格は2025年4月時点で平均93円。盛岡や甲府、岡山で高値を示し、盛岡では前年比で約35%もの大幅上昇が見られた。価格変動は米の原価、加工・流通コスト、エネルギー価格に強く影響され、地域ごとに消費者需要や競争環境の違いが価格差を生んでいる。今後は技術革新と市場競争の影響で価格の安定化と地域差の縮小が期待される。
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