冷凍コロッケの価格推移と地域差|今後の動向と背景を徹底解説

冷凍・調理



2025年4月時点の冷凍コロッケ1個の平均価格は175.7円で、那覇の237円から和歌山・宇都宮の151円まで価格差が見られます。価格上昇の背景には原材料費や流通費の増加がありますが、激しい競争やPB商品の拡大により抑制される面もあります。今後は品質志向の高まりと節約志向が併存し、価格の二極化が進む可能性が高いです。

小売物価統計

冷凍コロッケ小売りの高い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 那覇 福井 札幌 大分 新潟 熊本 高松 岡山 広島 京都
最新値[円] 175.7 237 217 214 200 195 194 192 192 190 189
前年同月比[%] +1.649 +6.897 -1.382 +5.978 +8.38 +17.79 +12.43 +10.53

冷凍コロッケ小売りの安い都市

2025年4月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 和歌山 宇都宮 さいたま 長野 福島 高知 金沢 鹿児島 松山 千葉
最新値[円] 175.7 151 151 153 154 156 157 159 159 163 164
前年同月比[%] +1.649 -0.658 -1.948 -4.375 -6.098 +1.961 +7.534 +3.922 +10.14 +1.863

 

冷凍コロッケの推移

冷凍コロッケ小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

冷凍コロッケの現状と今後

2025年4月時点で、冷凍コロッケ1個の全国平均価格は175.7円となっています。価格が最も高いのは那覇(237円)で、次いで福井(217円)、札幌(214円)と続き、比較的地方都市や物流上のハンデを持つ地域が上位を占めています。1方、最安値は和歌山と宇都宮の151円で、関東内陸部や近畿圏で価格が抑えられている傾向が見られます。

最高値と最低値の差は86円と、冷凍ハンバーグ(93円差)に比べるとやや小さいですが、それでも「冷凍惣菜」という同1カテゴリ内での価格差としては大きく、地域ごとの供給体制や販売戦略の違いが浮き彫りとなっています。


2010年以降の価格推移と変化の背景

2010年1月からの長期的な推移を想定すると、冷凍コロッケも他の冷凍食品同様に緩やかな価格上昇を続けてきたと見られます。その理由としては以下の複合要因が挙げられます:

  • じゃがいも・油・衣(パン粉)など原材料の高騰

  • 冷凍保存・配送コストの上昇(特に燃料費と電力費)

  • 人手不足に伴う加工・物流人件費の増加

  • 品質向上による商品単価の上昇(無添加・国産素材志向など)

ただし、2025年4月の前年比平均は+1.649%と、比較的穏やかな上昇幅にとどまっています。これは価格上昇圧力がある1方で、企業間競争による価格抑制も働いていることを示しています。


価格上位地域に見られる構造的特徴

価格が高い地域、特に那覇・福井・札幌・新潟・熊本などは、いずれも「地方都市かつ中心地から遠い」傾向が共通しています。冷凍食品の輸送においては陸送よりも空輸・船便が絡むとコストが跳ね上がるため、離島である沖縄(那覇)は当然として、北陸・北海道・9州の1部でも価格にその影響が現れます。

また、地元の冷凍食品メーカーが製造する「ご当地ブランドコロッケ」の比率が高い地域では、単価が高くなりやすいことも見逃せません。例えば、北海道産の男爵イモや熊本産の黒毛和牛を使用した「高付加価値冷凍コロッケ」などが小売市場に出回れば、全体の価格を押し上げます。


価格が低く抑えられている地域の事情

1方で、和歌山・宇都宮・さいたま・長野・福島などの地域では、冷凍コロッケが比較的安価に販売されています。これらの地域に共通するのは:

  • 大消費地や物流拠点に近く、輸送コストが低い

  • 大手スーパーやドラッグストアの集中出店

  • PB商品(プライベートブランド)や大手メーカー品の販路強化

などがあり、コロッケが「お弁当用・業務用の定番商品」として大量仕入れ・大量販売されているケースが多いと考えられます。価格競争が激しいため、品質よりもコストパフォーマンスが優先され、価格は安定的に抑えられる傾向です。

また、長野のような農産地では、地元での原材料供給が潤沢であり、自給的なサプライチェーンにより価格が安定している可能性も考えられます。


今後の冷凍コロッケ価格の見通しと課題

今後の冷凍コロッケの価格は、以下の要因に左右されながら、緩やかな上昇傾向を維持すると予想されます。

  • 上昇要因

    • じゃがいもなどの農産物の不作リスク(気候変動の影響)

    • 電力・冷凍倉庫維持費の増加

    • 原材料費と人件費の構造的な上昇

    • 高付加価値品(国産素材、アレルゲンフリーなど)の伸長

  • 抑制要因

    • 冷凍食品市場の競争激化による価格維持圧力

    • 大手流通業者による物流・仕入れの効率化

    • 消費者の節約志向による「価格上限意識」

また、惣菜の個食化・簡便化の流れが強まる中で、冷凍コロッケは「あと1品」「お弁当のおかず」としての定番需要が続くと見られます。特に単身世帯や共働き世帯の増加は、冷凍食品全体の需要底上げにつながり、冷凍コロッケにも安定した需要基盤をもたらします。

将来的には、より1層の品質・味の進化とともに、価格帯の2極化(100円前後の商品と200円以上の高品質商品)が進行する可能性も高いでしょう。

 

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