2025年4月の日本における冷凍ぎょうざ100gの平均価格は95.85円で、福井が132円、大津が81円と最大50円の地域差が見られる。前年比では全国平均で+6.15%の上昇。原材料や物流、人件費の高騰が主因とされる。今後も緩やかな上昇が見込まれるが、PB商品の増加や流通再編が価格抑制に作用する可能性もある。
小売物価統計
冷凍ぎょうざ小売りの高い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 福井 | 徳島 | 高松 | 盛岡 | 札幌 | 大分 | 熊本 | 高知 | 新潟 | 山口 |
最新値[円] | 95.85 | 132 | 110 | 109 | 109 | 106 | 106 | 104 | 102 | 102 | 102 |
前年同月比[%] | +6.15 | +8.197 | +7.843 | +6.863 | +11.58 | +15.22 | +14.29 | +8.511 | +9.677 | +9.677 |
冷凍ぎょうざ小売りの安い都市
2025年4月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 大津 | 金沢 | 鹿児島 | 横浜 | さいたま | 福島 | 佐賀 | 前橋 | 千葉 | 広島 |
最新値[円] | 95.85 | 81 | 84 | 84 | 85 | 86 | 86 | 88 | 88 | 89 | 89 |
前年同月比[%] | +6.15 | -4.545 | +6.329 | -2.299 | -3.371 | +11.39 | +4.762 | -2.198 | +3.488 |
冷凍ぎょうざの推移


詳細なデータとグラフ
冷凍ぎょうざの現状と今後
冷凍ぎょうざは家庭の食卓や弁当用惣菜として日本全国で広く消費されており、冷凍食品の中でも特に人気の高いカテゴリの1つです。2020年1月から2025年4月までの5年以上にわたる小売価格データをもとに、価格の動向とその背景、地域差、今後の展望について体系的に整理し、分析します。
2025年4月時点の価格水準と地域別格差
2025年4月時点における全国平均の冷凍ぎょうざ100gの小売価格は95.85円。最高値は福井の132円で、全国平均よりも36円以上高く、冷凍食品としては非常に大きな差が見られます。
高価格上位地域(100円以上):
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福井:132円(前年比+8.20%)
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徳島:110円(+7.84%)
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高松:109円(※前年比不明)
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盛岡:109円(+6.86%)
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札幌:106円(+11.58%)
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大分:106円(+15.22%)
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熊本:104円(+14.29%)
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高知:102円(+8.51%)
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新潟:102円(+9.68%)
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山口:102円(+9.68%)
1方、低価格地域は以下の通りです。
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大津:81円
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金沢:84円(前年比-4.55%)
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鹿児島:84円(+6.33%)
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横浜:85円(-2.30%)
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さいたま:86円(-3.37%)
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福島:86円(※前年比不明)
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佐賀:88円(+11.39%)
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前橋:88円(+4.76%)
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千葉:89円(-2.20%)
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広島:89円(+3.49%)
地域ごとの差は最大約50円に及び、冷凍米飯(30円前後の差)よりも顕著です。これは原材料だけでなく、地域ごとのブランド志向、輸送距離、流通経路の違いも反映していると考えられます。
価格変動の背景と要因分析
原材料コストの上昇
冷凍ぎょうざには豚肉やキャベツ、にんにく、小麦粉など複数の原材料が使われており、それぞれの価格変動が価格に波及します。特に2022年以降は輸入小麦価格や食用油の高騰が大きく影響しました。
エネルギー・物流コストの増加
冷凍食品全般に共通する問題として、冷凍保存・輸送にかかる電力や燃料費の上昇が企業のコスト圧迫要因となっています。地方への長距離輸送が必要な地域(例:福井や高松など)は、販売価格にも転嫁せざるを得ない状況です。
地域消費傾向とブランド志向
地域によって「ぎょうざ」を家庭で手作りするか、市販の冷凍製品に依存するかの傾向にも差があり、需要構造が異なります。特に中部・4国地方では地域ブランドや地場企業による高付加価値製品が多く、価格が高めになる傾向があります。
前年比増減率に見る変化の兆候
全国平均の前年比増加率は+6.15%。中でも、大分(+15.22%)、熊本(+14.29%)、札幌(+11.58%)といった地方都市での価格上昇が顕著です。これらの地域では、輸送コスト上昇や価格転嫁が進みやすいこと、またスーパーや中小業者間での競争が緩やかなことも影響しています。
1方で、金沢(-4.55%)や横浜(-2.30%)など1部都市では価格が下落。これは都市圏における競争激化や、割引販売、PB(プライベートブランド)製品の台頭による価格圧力と考えられます。
今後の冷凍ぎょうざ価格推移の見通し
冷凍ぎょうざの価格は、今後数年にわたり緩やかな上昇基調を維持すると予測されます。その理由として、以下の3点が挙げられます。
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人件費の上昇:人手不足により、製造・物流分野での人件費上昇が避けられず、価格転嫁が続く可能性があります。
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高付加価値商品の伸長:国産素材やアレルゲンフリーなど健康・安全志向を反映した高価格商品が伸びており、これが平均価格を押し上げています。
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流通の再編・集中化:小売業界における寡占化や大手チェーンの統合が進む中で、価格の全国均1化も1部で進む可能性はありますが、地域特性に応じた多様な価格設定は継続される見込みです。
ただし、PB商品の拡充や冷凍保存技術の進化によるコスト圧縮努力が進めば、価格上昇圧力は緩和される可能性もあり、今後の業界努力に注目が集まります。
まとめ
冷凍ぎょうざ100gの全国平均価格は2025年4月時点で95.85円であり、最も高い福井は132円、最も安い大津は81円と大きな地域差が存在します。前年比での価格上昇は全国平均+6.15%で、地方都市での上昇が目立ちます。今後も人件費や原材料費の上昇、高付加価値志向の拡大により、緩やかな価格上昇傾向が続くと見られますが、技術革新や競争の激化がその抑制要因となる可能性もあります。
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