仕送り金の世帯別支出は、就業者数や世帯人数により大きな差が見られ、特に働き手の多い家庭では支出額が高い傾向にあります。最新データでは就業者2人以上の世帯で高水準を維持していますが、全体としては物価高や家計負担の増大により多くの層で減少傾向が見られます。今後は少子化や世代間の経済格差の拡大により、仕送り文化そのものが見直される可能性もあります。
世帯別の仕送り金
1世帯当りの月間支出
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | |
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名称 | 平均 | 就業者2人 | 世帯5人 | 就業者3人~ | 世帯4人 | 世帯3人 | 世帯6人~ | 世帯2人 | 就業者1人 | 就業者0人 |
最新値[円] | 2437 | 3542 | 3299 | 3082 | 2950 | 2802 | 2198 | 1866 | 1551 | 681 |
前年月同比[%] | -16.76 | -16.8 | +1.508 | +15.56 | +6.23 | -25.54 | -29.21 | -30.3 | -38.94 | -44.13 |
これまでの世帯別の推移


詳細なデータとグラフ
世帯別の現状と今後
仕送り金は、主に親世帯から子世帯への経済的支援として支払われる費用であり、教育費、生活費、住宅補助などに使われます。日本においては特に大学進学で都市部に出た子への仕送りが中心的で、家族内の支援文化の一部とも言えます。
就業者数別の支出構造
データによると、就業者2人(3542円)や3人以上(3082円)の世帯が最も多くの仕送りを行っており、収入源が複数ある家庭ほど余裕を持って家族支援ができる傾向がうかがえます。これに対して、就業者0人(681円)や1人(1551円)の世帯では、可処分所得の制限から仕送り額が著しく低く、生活優先で支援が困難な実情が見えます。
世帯人数別の特徴
世帯5人(3299円)、4人(2950円)、3人(2802円)などの中〜大家族世帯は、扶養すべき人が複数いる可能性や家族間の支援関係の密接さから、支出額も高くなっています。ただし、世帯6人以上(2198円)や2人(1866円)では、人数に比例しない支出となっており、世帯構成の高齢化や収入の制限も影響していると考えられます。
前年同期比の変化と問題点
直近の変化では就業者0人で-44.13%、1人で-38.94%、2人でも-16.8%と大幅な減少が見られ、仕送りそのものが家計圧迫要因として見直されつつあることを示唆しています。一方、就業者3人以上は+15.56%と増加しており、可処分所得に余裕のある層が負担を吸収している構造が見られます。
背景にある社会構造と価値観の変化
仕送り文化は、かつて「親が子を支える」価値観のもと強く根付いていましたが、近年では子が親を支える(逆仕送り)ケースや、経済的独立志向の強まりにより、支出構造が変化しつつあります。また、非正規雇用の増加や、教育費高騰による奨学金依存の拡大も、仕送りの意義や必要性を揺さぶっています。
今後の見通しと政策的課題
今後も高齢化や少子化の進展により、世帯構成は小規模化し、仕送り額も縮小傾向が続くと予想されます。特に単身世帯や共働き世帯の増加により、家族支援の形はますます多様化するでしょう。行政による教育費や生活費支援の拡充も、仕送り金の必要性を下げる要因となります。政策的には、家庭間支援の役割が縮小する中で、公的なセーフティネットの拡充が課題となってきます。
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