九州の輸入果実価格は地域差が大きく、沖縄県や北九州市で高く、佐賀や大分で低価格となっている。地場産果実との競合や物流コスト、観光需要が主な価格要因であり、今後も都市部では価格上昇、農業県では安定推移が見込まれる。
輸入果実の卸売り市場価格
輸入果実の高い順
沖縄県 | 北九州市 | 長崎市 | 宮崎市 | 久留米市 | 鹿児島市 | 福岡市 | 佐世保市 | 大分市 | 佐賀市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2025年4月 | 2016年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 |
最大期 | 2025年1月 | 2024年6月 | 2023年5月 | 2023年10月 | 2011年2月 | 2022年6月 | 2024年7月 | 2016年6月 | 2015年7月 | 2015年6月 |
最新値[円/kg] | 331.7 | 315.3 | 300 | 296 | 285 | 259 | 252.3 | 250 | 241 | 241 |
最大値[円/kg] | 350.3 | 367.3 | 376 | 324 | 681 | 300 | 281 | 325 | 301 | 355 |
前月比[%] | +2.898 | +15.79 | -12.28 | -5.431 | -2.062 | -7.829 | +11.65 | -1.961 | -4.365 | -5.49 |
前年同月比[%] | -2.257 | +0.7444 | +1.695 | +2.422 | +0.3521 | -4.074 | +3.131 | +8.225 | +4.783 | -0.4132 |
輸入果実の推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
輸入果実の価格についての推移と展望
九州は温暖な気候と多彩な農産品を有する地域であり、果物も豊富な土地柄です。一方で、輸入果実は都市部や観光需要を背景に、安定的に流通しています。港湾都市である博多港や那覇港を通じた輸入果実の供給は、地域の市場価格に大きな影響を与えてきました。特に冬季や台風被害などで地場産果物が減ると、輸入果実が代替として重要な役割を果たします。
都市別の価格水準と傾向
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高価格帯:沖縄県(331.7円/kg)、北九州市(315.3円/kg)沖縄は地理的に本土との物流コストが高く、また独自の消費スタイルもあり、果実価格が全国的に高めで推移しやすい。北九州市は流通拠点としての性格が強く、都市型需要が価格上昇を支えています。
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中価格帯:長崎市(300円/kg)、宮崎市(296円/kg)、久留米市(285円/kg)長崎市は観光地としての需要がある一方、今月は急落(-12.28%)。宮崎・久留米も果物の産地としての側面を持つが、地場産品と輸入品が競合しており、価格は抑えめ。
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低価格帯:鹿児島市(259円/kg)、福岡市(252.3円/kg)、佐世保市(250円/kg)、大分市・佐賀市(ともに241円/kg)鹿児島や佐賀、大分では農業が盛んで果物の地産地消が進んでいることから、輸入果実の単価は安定的かつ低位。福岡市は今月大幅上昇(+11.65%)したが、通常は中価格帯。
価格変動の要因と構造的問題
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地場産果物との競合九州全域で国産果実の生産が豊富なため、輸入果実の価格上昇は需要の限定性により抑制されがち。特に鹿児島・宮崎・熊本では、柑橘やマンゴーなどの強力な地場ブランドが輸入果実の需要を圧迫します。
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物流コストの地域格差沖縄は特に輸送コストが高く、価格上昇の大きな要因となります。また、内陸部や遠隔地では小売店が多様な品を揃えるコストが高くなりやすく、価格に反映される場合もあります。
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観光需要の影響観光都市(長崎市・佐世保市・福岡市など)では、果物ギフトやホテル需要などで高品質果実が選ばれやすく、輸入果実もその選択肢の一部となっています。
今後の価格推移と展望
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沖縄・福岡は今後も価格高止まりの可能性輸入依存度が高く、物流費も安定しない沖縄では今後も高価格を維持しやすい。福岡市は都市需要と流通力を背景に価格が高めに動きやすく、今後も上下変動を伴いながら推移。
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農業県では価格安定か緩やかに下落傾向宮崎・鹿児島・佐賀などでは国産果実の強さが輸入品の単価を抑制し、今後も大きな価格上昇は見込みにくい。
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気候・災害リスクによる季節的変動に注意台風被害や干ばつなど、国産果物の供給が落ち込む時期には、一時的に輸入果実の価格が上昇する可能性があるため、注意が必要です。
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