九州地方の果実価格は都市ごとに異なり、福岡市や北九州市は高め、佐世保市や大分市は低めの価格となっています。最近では、久留米市や佐世保市などで価格の急上昇が見られる一方、沖縄県などでは減少しています。これらの変動は、労働力不足や気候変動、物流費増加などの影響を受けています。今後は、地域ブランド化や省力化技術導入が価格の安定に寄与することが期待されています。
みかんのデータとグラフ
みかんの高い順
福岡市 | 北九州市 | 沖縄県 | 長崎市 | 佐賀市 | 久留米市 | |
---|---|---|---|---|---|---|
最新 | 2025年3月 | 2025年3月 | 2025年3月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 |
最大期 | 2022年4月 | 2016年4月 | 2017年4月 | 2016年4月 | 2018年5月 | 2016年4月 |
最新値[円/kg] | 447.3 | 437.7 | 374 | 248 | 246 | 245 |
最大値[円/kg] | 2028 | 1925 | 2469 | 3223 | 1533 | 2940 |
前月比[%] | 5.92 | -0.4549 | -4.348 | 9.251 | 3.797 | 15.57 |
みかんの安い順
熊本市 | 佐世保市 | 福岡市 | 久留米市 | 長崎市 | 大分市 | |
---|---|---|---|---|---|---|
最新 | 2021年12月 | 2016年12月 | 2025年3月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 |
最大期 | 2018年5月 | 2016年5月 | 2022年4月 | 2016年4月 | 2016年4月 | 2019年4月 |
最新値[円/kg] | 176 | 190 | 447.3 | 245 | 248 | 171 |
最大値[円/kg] | 1328 | 978 | 2028 | 2940 | 3223 | 1802 |
前月比[%] | 10 | 15.15 | 5.92 | 15.57 | 9.251 | 1.786 |

みかんの推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
みかんの価格についての推移と展望
九州地方は、温暖な気候と豊富な日照に恵まれたみかんの主要産地の一つです。特に長崎県・熊本県・鹿児島県は全国有数の産地として知られています。本章では、そんな九州における果実価格の最新データをもとに、都市別の傾向や背景に迫ります。
都市別の最新価格とその動向
2025年3月時点のデータによると、以下のような価格傾向が見られます。
-
高価格帯:福岡市(447.3円/kg)、北九州市(437.7円/kg)、沖縄県(374円/kg)
-
中価格帯:長崎市(248円/kg)、佐賀市(246円/kg)、久留米市(245円/kg)
-
低価格帯:佐世保市(190円/kg)、大分市(171円/kg)
前月比の変動では、久留米市(+15.57%)、佐世保市(+15.15%)、長崎市(+9.251%)が大きく上昇。一方で、北九州市(-0.45%)や沖縄県(-4.35%)では微減〜減少が見られました。
みかん価格の地域別特徴
都市ごとに異なる価格形成の背景には、以下のような要因が影響しています。
-
福岡市・北九州市:人口が多く需要が高いため、価格は安定して高め。
-
沖縄県:輸送コストや地域品種の特異性が価格を押し上げている反面、気候変動による収量の変動が価格下落の要因にも。
-
佐賀・久留米・長崎など:地場産中心であり、直売や地元消費が多く、価格の変動が大きい傾向。
-
大分市・佐世保市:流通経路が限定的で、大規模市場と比較して取引価格が低め。
これまでの価格推移と背景
2008年からのデータを振り返ると、以下のような傾向が読み取れます。
-
2010年前後:温暖化による不作や台風被害で価格が一時的に上昇
-
2015年以降:栽培者の高齢化と離農により、出荷量が減少傾向に。これにより市場価格はやや上昇傾向。
-
2020年以降:コロナ禍による物流の変化、需要の減少と反動増による価格の乱高下が見られた。
直近の課題と懸念点
現在、九州地方のみかん生産と価格に関する課題は以下の通りです。
-
労働力不足:高齢化と人手不足により、収穫量の維持が困難。
-
気候変動:温暖化により病害虫の被害が増加し、収量の安定性が損なわれている。
-
輸送費の上昇:都市部への流通コスト増加が価格に転嫁されつつある。
-
消費者離れ:若年層を中心とした果物離れにより、消費量が減少傾向。
今後の推移と期待される施策
今後、九州地方の果実価格は以下のような展開が期待または懸念されます。
-
価格は中長期的に緩やかに上昇:生産量減少・物流費増加が主因。
-
直販・EC販売の拡大:農家が直接販売する手段が拡大すれば、価格の安定と利潤確保が見込まれる。
-
地域ブランド化の推進:有田みかんや不知火(デコポン)などのブランド力を活かした価格維持戦略。
-
省力化技術の導入:スマート農業による効率化が収量の下支えになる可能性。
まとめ
九州地方におけるみかんの果実価格は、都市ごとに大きな差があり、流通網や消費需要、地域経済の構造が価格に大きく影響しています。今後は、技術革新や販路拡大、地域ブランドの強化などを通じて、価格の安定と生産者の所得確保が鍵となるでしょう。
コメント