九州地方のキャベツ価格は都市圏で高く、地方で低めの傾向。急激な価格下落が続いており、特に沖縄や佐世保で顕著。春キャベツの供給増加が原因で、今後は供給過剰により価格の低迷が予想される。地域差が依然として価格に大きく影響。
キャベツの卸売り市場価格
キャベツの高い順
北九州市 | 佐世保市 | 福岡市 | 沖縄県 | 佐賀市 | 長崎市 | 久留米市 | 鹿児島市 | 宮崎市 | 大分市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2016年12月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 |
最大期 | 2018年2月 | 2014年9月 | 2025年1月 | 2025年1月 | 2018年2月 | 2018年2月 | 2018年2月 | 2020年8月 | 2018年2月 | 2018年2月 |
最新値[円/kg] | 122 | 116 | 114.7 | 101 | 73 | 68 | 65 | 62 | 55 | 54 |
最大値[円/kg] | 222 | 181 | 226 | 291.3 | 182 | 249 | 262 | 198 | 193 | 246 |
前月比[%] | -24.84 | -35.2 | -28.92 | -35.12 | -9.877 | -26.09 | -30.85 | -28.74 | -29.49 | -15.63 |
前年同月比[%] | -5.915 | +163.6 | -2.55 | -21.91 | +15.87 | -12.82 | +1.563 | +5.085 | -1.786 | +3.846 |
キャベツの推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
キャベツの価格についての推移と展望
九州は温暖な気候に恵まれ、特に宮崎県、佐賀県、鹿児島県などでは露地栽培が盛んです。これらの地域は春キャベツや秋キャベツの産地として有名で、年間を通じて安定した供給が期待されています。
また、九州の農業は高齢化や担い手不足の問題を抱えつつありますが、一部地域では若手農業者の参入や施設園芸の導入が進んでおり、生産性向上のための取り組みが行われています。これにより、安定供給の実現に向けた努力が続いています。
2025年4月の都市別キャベツ価格とその特徴
高価格帯(100円/kg 以上):
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北九州市(122円)
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佐世保市(116円)
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福岡市(114.7円)
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沖縄県(101円)
これらの都市では、都市圏需要の集中が価格に影響を与えており、特に福岡市や北九州市は流通量の多さと物流の重要拠点として、安定した供給が図られています。沖縄県も暖かい気候を活かして、冬場のキャベツの供給が進んでいます。
中価格帯(70〜85円/kg):
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佐賀市(73円)
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長崎市(68円)
これらの地域では、平地栽培が主流で、価格は比較的安定しています。長崎や佐賀のキャベツは、地元市場や周辺地域向けの供給が主で、価格も比較的安定していますが、流通網の広さが影響します。
低価格帯(65円/kg未満):
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久留米市(65円)
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鹿児島市(62円)
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宮崎市(55円)
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大分市(54円)
この価格帯では、供給量が多く、地場産の生産が盛んな地域が多いです。特に久留米市や宮崎市では地元消費が盛んなため、価格が低めに推移しています。また、鹿児島市と大分市でも、安定した地元供給が影響していると考えられます。
直近の価格動向と特異点
全体として、九州のキャベツ市場では前月比・前年同月比ともに20〜35%の大幅な価格下落が観察されています。特に沖縄県(-35.12%)、佐世保市(-35.2%)では急激な価格下落が見られ、これは春キャベツの出荷増加と天候安定による供給過多が原因と考えられます。
一方で、北九州市(-24.84%)や福岡市(-28.92%)では、物流面での影響が大きく、価格が安定しているものの、供給量が増えれば価格が調整される傾向もあります。
今後の価格推移と展望
2025年春から夏にかけて、以下のような市場動向が予想されます:
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春キャベツのピーク出荷により、供給過剰で価格は低迷すると予測されます。
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夏場の高温による品質低下や台風の影響がある場合、価格は上昇する可能性があります。
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地域による需給の差が依然として価格に大きな影響を与えるため、都市圏と地方の価格差は続くと考えられます。
また、若手農業者や高付加価値生産への移行が進めば、九州全体のキャベツ市場が安定し、消費者への影響が軽減されることが期待されます。
九州農業の課題と将来の展望
九州のキャベツ市場における課題は、高齢化と後継者不足にありますが、近年ではICTを駆使したスマート農業や施設園芸の導入が進んでおり、生産性向上が図られています。また、農業法人化の進展や消費者ニーズに応じた商品の多様化が、今後の市場安定に寄与することが期待されます。
さらに、九州内外の観光需要の回復が、都市圏でのキャベツ需要にプラスの影響を与えると見込まれています。
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