九州地方のイチゴ価格は宮崎市を筆頭に地域差が大きく、福岡市は最も低価格。季節変動や需給バランスの乱れが価格変動を激しくし、生産者の高齢化も課題。今後はブランド強化や流通効率化、技術革新により市場の安定化と価格上昇が期待される。
イチゴのデータとグラフ
イチゴの高い順
宮崎市 | 長崎市 | 鹿児島市 | 佐賀市 | 熊本市 | 大分市 | |
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最新 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 |
最大期 | 2016年10月 | 2023年10月 | 2021年10月 | 2020年10月 | 2020年10月 | 2008年10月 |
最新値[円/kg] | 2650 | 2504 | 2479 | 2457 | 2185 | 2175 |
最大値[円/kg] | 3326 | 6480 | 3668 | 2851 | 4713 | 6405 |
前月比[%] | -12.28 | -12.05 | -9.592 | +14.07 | +10.13 | -5.476 |
イチゴの安い順
佐賀市 | 福岡市 | 大分市 | 沖縄県 | 久留米市 | 熊本市 | |
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最新 | 2021年12月 | 2025年4月 | 2021年12月 | 2025年4月 | 2023年12月 | 2021年12月 |
最大期 | 2020年10月 | 2020年10月 | 2008年10月 | 2023年11月 | 2021年10月 | 2020年10月 |
最新値[円/kg] | 2457 | 1072 | 2175 | 1393 | 2147 | 2185 |
最大値[円/kg] | 2851 | 10800 | 6405 | 3605 | 3098 | 4713 |
前月比[%] | +14.07 | -16.92 | -5.476 | -5.09 | +3.172 | +10.13 |
イチゴの推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
イチゴの価格についての推移と展望
2025年4月の最新価格は宮崎市が2650円/kgと高価格帯の上位に位置し、長崎市2504円/kg、鹿児島市2479円/kg、佐賀市2457円/kgが続く。中核都市の熊本市2185円/kg、大分市2175円/kgも中間価格帯にある。一方で福岡市は1072円/kgと九州内で最も低い価格となっている。沖縄県(1393円/kg)や久留米市(2147円/kg)も比較的低価格帯で分布している。
価格変動の傾向と最近の動き
前月比では宮崎市(-12.28%)、長崎市(-12.05%)、鹿児島市(-9.59%)が大幅に下落しているが、佐賀市(+14.07%)、熊本市(+10.13%)、久留米市(+3.17%)は上昇傾向。福岡市は-16.92%の大幅減少を記録し、市場の変動が地域ごとに大きいことが見て取れる。前年同月比でも同様の傾向が想定され、九州内での価格格差と変動幅の大きさが特徴的である。
地域別の価格特色と背景
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宮崎市・長崎市・鹿児島市・佐賀市:これらの県南部・中部地域は、品質の高いイチゴ栽培や観光農園の存在で価格が比較的高い。ただし、季節要因や収穫時期のピークアウトで一時的に価格が下落する傾向もある。
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熊本市・大分市・久留米市:熊本や大分は産地が集中しており安定供給が可能なため、中間価格帯を維持。久留米は流通面の制約がやや影響し、価格はやや抑えられている。
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福岡市・沖縄県:福岡市は都市部のスーパー流通が中心で大量供給のため価格が低い。沖縄県は温暖な気候を活かした周年栽培が進むが、輸送コストや市場規模の制約で価格が抑制されている。
九州地方のイチゴ市場の課題と最近の問題
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価格の地域差と需給バランスの乱れ:高価格地域と低価格地域の差が激しく、地域内外での流通調整が難しい。
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季節変動による価格変動の激しさ:九州は温暖な気候のため、収穫時期が早いこともあり、全国市場との競合で価格が不安定になりやすい。
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生産者の高齢化と担い手不足:後継者問題が深刻で、安定生産と品質維持に課題。
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消費者ニーズの多様化:糖度や鮮度への要求が高まる中で、価格と品質のバランス調整が難しい。
今後の価格推移の展望と期待
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宮崎や長崎など品質重視の地域では、高付加価値品種やブランド化を進めることで価格の安定と上昇が期待される。
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福岡市を中心とした都市圏では、流通効率化や販路拡大により価格の底上げが見込まれる。
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技術革新による周年栽培や環境制御技術の導入で、季節波動の緩和と生産量の安定化が可能に。
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地域間連携や農業支援政策による担い手育成も今後の市場安定に重要な役割を果たす。
まとめ
九州のイチゴ価格は地域間で大きな格差があり、特に宮崎市などは高価格を維持しているが福岡市は低価格圏にある。価格変動は季節や需給、流通環境の違いに左右されやすく、今後はブランド強化と技術革新、流通改善による安定化が課題かつ期待される展開である。
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