九州のぶどう価格動向|福岡・北九州の高騰と地域別分析

ぶどう



2025年4月の九州のぶどう価格は、福岡市・北九州市が6000円台と異常な高値を示す一方、他都市は2000円台で推移。全体的に前年から価格は上昇傾向にあり、高級品と量販品の二極化が進んでいます。今後は高価格地の調整と中核地域での安定が期待されます。

ぶどうの卸売り市場価格

ぶどうの高い順

福岡市 北九州市 熊本市 佐賀市 長崎市 大分市 鹿児島市 沖縄県 宮崎市 久留米市
最新 2025年4月 2025年4月 2021年12月 2021年12月 2023年12月 2021年12月 2023年12月 2024年11月 2023年12月 2023年12月
最大期 2021年3月 2025年4月 2016年4月 2018年4月 2022年2月 2020年4月 2018年1月 2017年4月 2019年4月 2023年1月
最新値[円/kg] 6448 6387 2839 2820 2774 2660 2395 2326 2325 2109
最大値[円/kg] 8640 6387 5854 3888 4752 4947 4644 4320 6462 6740
前月比[%] +233.2 +249.8 +43.02 +56.84 +42.92 +32.4 +22.76 +14.85 +17.66 +19.76
前年同月比[%] +37.75 +21.1 +23.7 +1.257 +22.74 -9.953 +25.85 -8.975 +20.03 +19.22

 

ぶどうの推移

ぶどう価格の推移

最新の価格データ

最近のぶどう価格

 

その他のデータとグラフ

 

ぶどうの価格についての推移と展望

2025年4月のデータに基づくと、福岡市(6448円/kg)と北九州市(6387円/kg)が突出して高値を示し、他の九州の都市(熊本・佐賀・長崎など)は2000円台後半で安定しています。最も安価な久留米市でも2109円/kgと、全国的には中価格帯に位置づけられます。

特筆すべきは、福岡・北九州で前月比200%以上の急騰が見られた点です。これは統計上の特異値か、特定高級品種の出荷集中による影響と考えられます。


地域別の価格特徴とその背景

福岡市・北九州市(6400円台・急騰)

  • 都市圏であり、贈答用高級品種(例:シャインマスカット、巨峰)の需要が強い

  • 春先に出荷される温室ぶどうやプレミアム果実の流通が統計に反映された可能性。

  • デパートや高級スーパーでの販売価格を含む統計のため、市場価格が実勢よりも高く出る傾向がある。

熊本市・佐賀市・長崎市(2700~2800円台)

  • 九州の中核産地である熊本・佐賀は、地元産出と安定流通により、消費者価格も比較的安定。

  • 長崎市も同様に中価格帯で堅調な価格推移を見せており、観光客向け販売や直売所が多い。

大分市・鹿児島市・宮崎市・沖縄県(2300~2600円台)

  • 大分・鹿児島・宮崎は地元消費中心で、大手市場流通が少ないため価格は控えめ。

  • 沖縄県は本土と気候条件が異なり、ぶどうの流通量が限定的であるため、価格はやや高めだが安定。

久留米市(2109円/kg)

  • 福岡県内で最も安い。直売や量販向けの品種が流通の中心であり、比較的実需に近い価格帯。

  • 果樹栽培の歴史ある地域だが、地元消費重視の傾向が価格に反映されている。


これまでの価格推移と構造的課題

  • 福岡・北九州での価格急騰は短期的な異常値の可能性:特定品種や一部高値取引に引っ張られた影響。

  • 他都市では前年同月比でも2~5割の価格上昇が確認されており、全体的にぶどうの需要・単価が上昇傾向。

  • 問題としては、流通経路の二極化(高級品vs量販品)により、統計価格が実需と乖離しやすい点が挙げられる。

  • 農家の高齢化と後継者不足により、生産量が限られ、価格上昇圧力となっている面も。


今後の価格展望と地域ごとの期待

  • 福岡・北九州は価格調整の可能性あり:現在の6000円超は一時的で、5000円前後への収束が予想される。

  • 熊本・佐賀・長崎は安定推移:適切な地元需要と供給のバランスにより、今後も堅調。

  • 宮崎・鹿児島・沖縄などは輸送コストや品種によって価格上下が発生しやすいが、大幅な上昇は見込みにくい。

  • 全体として、高付加価値化とブランド戦略が重要。九州全体では「熊本ぶどう」「福岡県産シャイン」など、明確なブランド化が生き残りの鍵。

 

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