九州地方のだいこん市場は2025年6月時点で沖縄県が156円/kgと最高値を示し、北九州市116.7円/kg、福岡市91.33円/kgが続く。価格は3都市とも前年より上昇傾向だが、卸売数量は全体的に減少。気象変動や物流コスト上昇、生産者減少が価格高騰の主因。生産安定と流通効率化が今後の重要課題である。
だいこんの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 沖縄県 | 156 | +22.19 |
2 | 北九州市 | 116.7 | +24.12 |
3 | 福岡市 | 91.33 | +16.6 |
市場価格の推移

九州の卸売数量
市場 | 卸売数量[kt] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 福岡市 | 1.185 | -4.972 |
2 | 北九州市 | 0.208 | -24.36 |
3 | 沖縄県 | 0.117 | -18.75 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
だいこんの卸売り市場の現状と今後
2025年6月時点の9州地域のだいこん市場では、沖縄県が156円/kgで最も高い価格を示しています。次いで、北9州市が116.7円/kg、福岡市が91.33円/kgと続きます。前年同月比では、沖縄県が+22.19%、北9州市が+24.12%、福岡市が+16.6%と、3都市とも価格が上昇傾向にあります。
卸売数量のランキングは、福岡市が1.185ktと最多で、次いで北9州市が0.208kt、沖縄県が0.117ktとなっています。ただし、前年同月比で見ると、福岡市は-4.972%、北9州市は-24.36%、沖縄県は-18.75%と数量は減少傾向にあります。
価格と数量の推移および都市別の特徴
過去十数年の価格推移を見ると、9州内で沖縄県のだいこん価格が高水準で推移していることが特徴的です。これは沖縄特有の栽培環境や輸送コストが影響している可能性があります。1方、福岡市や北9州市では価格はやや低めですが、福岡市が9州内最大の卸売量を誇り、地域の中心的な流通拠点として機能しています。
数量面では、全体的に前年から減少しており、特に北9州市と沖縄県で顕著な減少が見られます。これは天候不順や生産調整、さらには需要の変動など複合的な要因によるものと推察されます。
価格高騰の要因と背景
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気象変動の影響9州地域は台風や異常気象の影響を受けやすく、これにより生産量が不安定となり供給不足が発生、価格上昇に繋がっています。
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物流・輸送コストの上昇特に沖縄県では離島という地理的条件から輸送費が高く、それが価格に反映されています。
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生産者の減少と高齢化農業人口の減少と高齢化が進み、作付面積縮小や収穫量減少が見られます。
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需要変動外食産業の回復や家庭内需要の変動も価格に影響しており、特にコロナ禍からの回復期に需要の変動が大きかったことが挙げられます。
だいこん生産の動向と今後の課題
9州のだいこん生産は気候や土壌条件に恵まれている1方で、農業従事者の高齢化や後継者不足、栽培技術の伝承問題が課題です。また、安定的な生産を維持するためには気象リスクへの対応策や効率的な流通体制の構築が不可欠です。
今後は、若手農業者の育成、スマート農業の導入、産地間連携による需要変動への対応強化などが必要とされています。
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