2025年5月の九州地方の灯油18Lの平均価格は2350円で、前年同月比8.7%増加。那覇が2682円と最も高く、鹿児島や佐賀も2400円台を維持。福岡や北九州は11%超の高い上昇率を記録。地理的な物流コスト、原油高騰、季節需要が価格上昇の主因。都市別に供給網や競争環境で価格差が生じている。
都市別の灯油18Lの相場価格
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
平均 | 2258 | +4.252 | |
1 | 那覇 | 2482 | +0.405 |
2 | 鹿児島 | 2364 | +4.509 |
3 | 佐賀 | 2296 | +5.758 |
4 | 宮崎 | 2280 | +5.263 |
5 | 熊本 | 2268 | +1.34 |
6 | 福岡 | 2250 | +9.329 |
7 | 佐世保 | 2249 | +4.946 |
8 | 北九州 | 2151 | +7.443 |
9 | 長崎 | 2125 | +5.564 |
10 | 大分 | 2118 | -0.889 |

詳細なデータとグラフ
九州の小売価格の相場と推移
2025年5月時点で9州地方における灯油18Lの平均価格は2350円であり、全国平均や他地域と比較するとやや高めの水準にあります。地域内で価格の差異も大きく、特に那覇(沖縄)は2682円と突出して高価格を示しています。前年同月比の増加率は平均で約+8.671%と全体的に価格上昇傾向が明確です。
都市別価格の特徴と傾向
高価格帯都市(2400円以上)
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那覇(2682円)、鹿児島(2502円)、佐賀(2409円)、熊本(2394円)
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那覇は沖縄県の県庁所在地であると同時に、地理的な隔離や輸送コストの高さから灯油価格が最も高いです。鹿児島は9州南部の拠点都市であり、物流や供給面でコストがかかることが価格に反映されています。佐賀、熊本も地域的特徴や供給網の状況により高めの価格帯にあります。
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中価格帯都市(2300円台)
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宮崎(2322円)、福岡(2292円)
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宮崎は南9州に位置し気候も温暖ですが、供給事情により価格がやや高め。福岡は9州最大の都市圏ですが、価格は比較的安定しながらも全国的には中程度の水準です。
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低価格帯都市(2200円台以下)
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佐世保(2267円)、北9州(2238円)、長崎(2209円)、大分(2184円)
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これらの都市は9州北西部や北部に位置し、供給競争や需要の状況で比較的価格が抑えられています。大分は9州の中でも最も低価格圏にあり、価格上昇率も2.2%と控えめです。
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前年同月比の価格上昇動向
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9州全体の灯油価格は前年同月比で平均+8.671%と大幅に上昇しています。
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特に福岡(+11.37%)、北9州(+11.79%)、佐賀(+10.96%)、鹿児島(+10.61%)の上昇率が目立ちます。
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1方で大分(+2.199%)、佐世保(+5.786%)などでは比較的穏やかな価格変動に留まっています。
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これは各都市の物流事情や需要の変動、さらには地元の卸価格や小売業者の競争状況が影響していると考えられます。
灯油価格に影響を与える要因
地理的条件と物流コスト
9州各地は港湾や物流インフラの差異、離島・遠隔地の輸送コストにより価格差が生じています。特に沖縄の那覇は輸送距離が長いため価格が高止まりしています。
原油価格の変動と為替影響
世界的な原油価格上昇が続き、円安傾向も輸入コストを押し上げ、灯油価格の上昇に直結しています。
需要と季節性の影響
寒冷期の暖房需要増加による季節変動も価格変動の1因です。暖房需要の多い地域ほど価格上昇圧力が強まります。
競争状況と卸売価格
地域によって小売業者間の競争が異なり、価格設定に差が出ることもあります。競争の激しい都市部では価格の安定化や抑制が期待される場合があります。
今後の展望と課題
9州の灯油価格は引き続き原油市場の影響を強く受けることが予想されます。1方で、省エネ暖房の普及や再生可能エネルギー導入の進展により、長期的には灯油需要の減少も考えられます。価格安定化のためには物流効率化や地域間連携、競争促進が課題となるでしょう。
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