2025年4月現在、九州の柿価格は都市ごとに大きく差があり、福岡・北九州で高値、佐賀や熊本では低価格帯です。一部地域では価格上昇も見られますが、全体的には供給調整や担い手不足など課題が山積しており、今後はブランド化や流通改革が重要となります。
柿のデータとグラフ
柿の高い順
北九州市 | 福岡市 | 沖縄県 | 佐賀市 | 長崎市 | 鹿児島市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2025年2月 | 2025年1月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 |
最大期 | 2012年8月 | 2024年8月 | 2017年8月 | 2010年7月 | 2023年6月 | 2011年7月 |
最新値[円/kg] | 585 | 546 | 433.7 | 312 | 294 | 291 |
最大値[円/kg] | 1890 | 1856 | 1230 | 1680 | 1890 | 1446 |
前月比[%] | -9.302 | -2.383 | +6.117 | +6.849 | -8.125 | -2.349 |
柿の安い順
長崎市 | 佐賀市 | 久留米市 | 熊本市 | 佐世保市 | 沖縄県 | |
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最新 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2016年12月 | 2025年1月 |
最大期 | 2023年6月 | 2010年7月 | 2019年7月 | 2017年7月 | 2011年7月 | 2017年8月 |
最新値[円/kg] | 294 | 312 | 238 | 223 | 207 | 433.7 |
最大値[円/kg] | 1890 | 1680 | 1250 | 1170 | 1155 | 1230 |
前月比[%] | -8.125 | +6.849 | +4.846 | -5.907 | -3.721 | +6.117 |
柿の推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
柿の価格についての推移と展望
九州地方は温暖な気候と降水量のバランスにより、果物栽培に適した土地柄で、福岡県、佐賀県、熊本県を中心に柿の生産も盛んです。特に福岡県久留米市の「富有柿」や佐賀県の「刀根早生」などは質が高く、ブランド化されてきました。
一方で、輸送面では大都市圏への距離や輸出経路の確保など課題もあり、地場消費と中規模流通が主体となっています。
2025年4月の価格水準と都市別の特色
最新のデータを元に、九州の主な都市における価格帯を分析すると、都市間の価格差が顕著です。
高価格帯(500円以上):
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北九州市:585円/kg(前月比 -9.3%)
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福岡市:546円/kg(前月比 -2.4%)
→ 福岡県内の都市で高価格を維持。大消費地としての地の利と贈答品需要が強く、全体価格を引き上げる要因となっています。
中価格帯(400〜500円):
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沖縄県:433.7円/kg(前月比 +6.1%)
→ 離島としての地理的特性により、輸送コストが価格に反映されやすい。地元生産よりも輸入や県外品の比率が高い。
低価格帯(200〜320円):
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佐賀市:312円/kg(+6.8%)
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長崎市:294円/kg(-8.1%)
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鹿児島市:291円/kg(-2.3%)
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久留米市:238円/kg(+4.8%)
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熊本市:223円/kg(-5.9%)
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佐世保市:207円/kg(-3.7%)
→ 中小規模市場での取引が多く、比較的価格が抑えられている。産地直送や地域流通に依存している面が大きく、相場の動きは限定的。
価格変動の背景と最近の課題
価格下落の都市が目立つ背景:
北九州市、福岡市、長崎市などで前月比がマイナス圏に入っており、需給バランスが変化していることが示唆されます。これは主に以下の要因によると考えられます。
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出荷量の増加による供給過多
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気温の上昇による消費意欲の減退
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保存・流通費用の高騰が価格調整に影響
一方で価格上昇の都市も:
沖縄県、佐賀市、久留米市では価格上昇が見られます。これは以下の要因によると考えられます。
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地元需要の回復(観光客の戻りなど)
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一部産地での作柄不良により供給減少
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旬の終盤に向けた在庫調整による単価上昇
地域別価格の特色と消費傾向
福岡・北九州:
大都市ゆえの安定した需要と、高品質な柿の流通が価格を支えるが、都市部ならではの輸入品との競合も無視できない。
佐賀・久留米:
柿の産地としての実績があり、品質・価格ともにバランスが良い。久留米市では直売所や道の駅経由の流通が強化されている。
熊本・佐世保:
価格が200円台とかなり安く、地元消費向けが中心。外部との価格差が広がっており、生産継続への課題も見られる。
沖縄県:
輸送コストの上乗せが価格に影響しやすく、季節性よりも物流事情に価格が左右される特殊市場となっている。
今後の見通しと価格推移の予想
短期的見通し(2025年夏〜秋):
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九州では夏場の猛暑と渇水の影響が懸念されており、秋以降の柿の作柄に不安あり。
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豊作なら価格が下落する可能性もあるが、天候不順で供給が減れば価格が再び高騰するリスクも。
中長期的展望:
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高齢化による担い手不足が継続課題。特に単価が低くなっている熊本・佐世保では離農が進む恐れ。
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一方、6次産業化(加工品やブランド化)が進めば、価格維持と収益確保に繋がる可能性あり。
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スマート農業の導入や流通デジタル化によって、需給予測の精度が向上すれば、市場価格の安定に資する。
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