九州地方では、福岡市がメロンの最大市場で流通量も豊富ですが価格は比較的低めです。北九州市は価格上昇が見られる一方で数量は大幅減。沖縄県は高価格・極少量の取引が続いています。物流・気候・消費動向が地域別の価格や数量に大きく影響を及ぼしています。
メロンの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 沖縄県 | 554.3 | -1.598 |
2 | 福岡市 | 446.3 | -2.05 |
3 | 北九州市 | 446.3 | +2.763 |
市場価格の推移

九州の卸売数量
市場 | 卸売数量[kt] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 福岡市 | 0.261 | +1.556 |
2 | 北九州市 | 0.089 | -33.58 |
3 | 沖縄県 | 0.003 | -50 |
卸売数量の推移

カテゴリー
詳細なデータとグラフ
メロンの卸売り市場の現状と今後
9州では、福岡市・北9州市・沖縄県が主要なメロン流通市場として機能しています。2025年6月時点での市場価格は、沖縄県が554.3円/kgと最も高く、全国平均(559.7円/kg)に近い水準です。1方で、福岡市・北9州市はともに446.3円/kgで、比較的安価な価格帯に位置しています。
卸売数量は、福岡市が0.261ktと圧倒的に多く、次いで北9州市0.089kt、沖縄県はわずか0.003ktにとどまっています。
都市別の価格と数量の特徴
-
福岡市9州随1の流通拠点としてメロンの流通量は多く、全国の主要都市にも匹敵する規模。価格は前年比-2.05%とやや下落していますが、卸売数量は+1.556%と堅調に推移しています。量を確保しつつも、価格競争にさらされている様子がうかがえます。
-
北9州市価格は福岡市と同等ながら+2.763%の上昇が見られます。これは供給量(0.089kt)が前年より大幅に-33.58%減少しており、需給バランスの変化が価格に反映された結果と考えられます。
-
沖縄県価格は9州内で最も高いですが、数量は0.003ktとごく少量で、前年比-50%の急減。輸送コストや本土との隔たり、地場需要の特殊性などが高価格・少量取引の背景にあります。メロンは高級果実として扱われる傾向が強く、購買層が限られる地域的な要因も関係しています。
これまでの価格・数量の推移
2010年以降、9州各地でメロンの価格と数量には地域差が顕著に表れてきました。福岡市は安定した供給と価格を維持してきましたが、近年は消費者の節約志向や物流コストの上昇により価格の上昇が抑えられています。
北9州市は1時的な数量減や入荷品種の変化により価格の振れ幅が大きく、沖縄県では長年、価格が高く数量が少ないという傾向が続いています。
価格変動の要因と地域特性
-
物流・距離的要因 沖縄では本土からの輸送費がかさむため、高価格になりやすい。1方、福岡・北9州は9州内外の産地からの仕入れが比較的スムーズで、価格が安定しています。
-
消費者動向 福岡は都市人口も多く、贈答用・高級品需要と家庭向け廉価品の2層構造。北9州市はやや生活必需品に近い果物消費傾向で、需要に応じた供給調整が利いています。
-
天候と産地の影響 熊本・鹿児島など9州内でもメロンを栽培する地域がありますが、気候変動による収穫量の不安定さは広く影響しており、価格と数量の変動要因の1つです。
今後の生産と流通の展望
9州全体では、地元産メロンのブランド化(例:熊本のアールスメロンなど)や観光地での消費強化を軸に、少量高単価モデルへのシフトが進むと見られます。福岡市場を中心に、関西・関東への広域流通も引き続き展開されるでしょう。
沖縄においては、今後も高価格維持が続く見通しですが、数量があまりに少ないため、地域内消費中心の構造に変化はないと考えられます。
コメント