2025年3月時点で九州の7kmバス運賃は平均334.5円。佐世保や宮崎で高騰が見られ、佐世保は前年比+22.86%。運賃上昇の背景には燃料費や人手不足、行政支援の差があり、福岡や鹿児島は比較的安価。今後はMaaSや地域連携が鍵となる。
自動車・交通の都市別小売価格
九州価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 佐世保 | 宮崎 | 熊本 | 大分 | 佐賀 | 福岡 | 北九州 | 長崎 | 那覇 | 鹿児島 |
最新値[円] | 334.5 | 430 | 420 | 410 | 390 | 340 | 320 | 285 | 260 | 260 | 230 |
平均比[%] | 100 | 128.6 | 125.6 | 122.6 | 116.6 | 101.6 | 95.67 | 85.2 | 77.73 | 77.73 | 68.76 |
前年月同比[%] | 3.082 | 22.86 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8.333 | 0 |
九州価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 鹿児島 | 那覇 | 長崎 | 北九州 | 福岡 | 佐賀 | 大分 | 熊本 | 宮崎 | 佐世保 |
最新値[円] | 334.5 | 230 | 260 | 260 | 285 | 320 | 340 | 390 | 410 | 420 | 430 |
平均比[%] | 100 | 68.76 | 77.73 | 77.73 | 85.2 | 95.67 | 101.6 | 116.6 | 122.6 | 125.6 | 128.6 |
前年月同比[%] | 3.082 | 0 | 8.333 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 22.86 |
これまでのバス代の推移


詳細なデータとグラフ
九州の現状と今後
2025年3月時点での九州の7kmバス運賃平均は334.5円。これは全国平均をやや上回る水準ですが、地域ごとのばらつきが非常に大きく、最高430円から最低230円まで、200円幅の差があります。近年は九州でも一部都市で急激な運賃上昇が見られ、佐世保や那覇などで前年比20%超またはそれに近い上昇率を記録しています。
高額運賃地域の特徴と課題
運賃が高い上位都市は以下の通りです:
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佐世保:430円(前年比+22.86%)
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宮崎:420円
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熊本:410円
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大分:390円
これらの都市では、地理的に山間部や郊外の住宅地が多く、長距離移動が必要なケースが多いことが運賃に影響しています。特に佐世保市では、人口減少による利用者の減少、バス路線維持コストの増大、および人件費高騰が大きく影響し、急激な運賃値上げに踏み切ったとみられます。
また宮崎や熊本、大分といった中規模都市では、交通空白地帯をカバーするための地方バス網の維持に伴うコスト上昇が反映されています。
低額運賃地域の特徴と政策的背景
低額の都市は以下の通りです:
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鹿児島:230円
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那覇・長崎:260円
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北九州:285円
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福岡:320円
鹿児島市は突出して安価な運賃水準となっています。これは、市営バスの比率が高く、市が一定の補助金を通じて運賃を抑制していることが主な要因です。また那覇市(+8.33%)は値上げがあったものの、それでも安価な水準を維持。沖縄県全体で観光客向けの利便性向上施策が継続されていることが影響しています。
福岡市・北九州市などの政令指定都市では、利用者が多く、路線バスの採算性が比較的良好であるため、価格が抑制されている傾向があります。
運賃上昇の主な要因
運転士の人手不足と人件費上昇
全国的な傾向と同様、バス運転士の高齢化と人手不足が深刻化。労働条件の改善を図る企業が増え、コスト増となって運賃に反映されています。
燃料費・車両コストの上昇
燃料価格の変動と車両更新費用の上昇が継続しており、とりわけ地方の中小バス会社ほど影響を受けやすい状況です。
人口減少による利用者数の減少
特に地方都市では、少子高齢化と人口流出により、利用者の大幅減少→減便→運賃値上げという悪循環が起きています。
行政支援の差
鹿児島や福岡など自治体による運賃補助・公共交通政策が積極的な地域では、運賃が低く抑えられていますが、それがない都市では維持が難しくなっています。
今後の展望と交通政策の課題
今後、九州地方のバス運賃は次のような課題と展望に直面すると考えられます:
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地方中核都市のさらなる運賃格差の拡大
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自治体間での交通政策連携の必要性
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MaaS(Mobility as a Service)導入による利便性改善とコスト最適化
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EVバスや自動運転バスの社会実装に伴う初期費用と運賃への影響
特にバス路線の「赤字化→撤退→交通弱者の孤立化」という悪循環を避けるには、国と自治体が連携した交通政策が不可欠です。
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