九州地方のタクシー運賃は、燃料費の高騰や人手不足、収益構造の見直しなどの要因により、2015年から2025年にかけて上昇傾向を示しています。特に熊本県や福岡都市圏、佐賀県では初乗り運賃の値上げが実施され、業界の経営安定化と労働環境の改善が図られています。今後は、利用者の負担軽減とサービス向上の両立が課題となります。
自動車・交通の都市別小売価格
九州価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 長崎 | 佐世保 | 佐賀 | 宮崎 | 鹿児島 | 福岡 | 熊本 | 大分 | 北九州 | 那覇 |
最新値[円] | 1555 | 1750 | 1750 | 1690 | 1570 | 1550 | 1550 | 1500 | 1500 | 1490 | 1200 |
平均比[%] | 100 | 112.5 | 112.5 | 108.7 | 101 | 99.68 | 99.68 | 96.46 | 96.46 | 95.82 | 77.17 |
前年月同比[%] | 0.974 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 11.11 | 0 | 0 | 0 |
九州価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 那覇 | 北九州 | 大分 | 熊本 | 福岡 | 鹿児島 | 宮崎 | 佐賀 | 佐世保 | 長崎 |
最新値[円] | 1555 | 1200 | 1490 | 1500 | 1500 | 1550 | 1550 | 1570 | 1690 | 1750 | 1750 |
平均比[%] | 100 | 77.17 | 95.82 | 96.46 | 96.46 | 99.68 | 99.68 | 101 | 108.7 | 112.5 | 112.5 |
前年月同比[%] | 0.974 | 0 | 0 | 0 | 11.11 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
これまでのタクシー代の推移


詳細なデータとグラフ
九州の現状と今後
九州地方におけるタクシー運賃の動向は、地域ごとの経済状況や交通需要、運輸政策の影響を受けて多様な変化を見せています。以下では、2015年から2025年3月までのデータを基に、九州のタクシー運賃の推移や都市別の特徴、最近の価格上昇の要因について解説します。
九州のタクシー運賃の推移と全体傾向
2025年3月時点での九州地方のタクシー運賃の平均は1,555円となっており、過去10年間で徐々に上昇傾向を示しています。この背景には、燃料費の高騰や人手不足、運転手の高齢化など、タクシー業界全体が直面する課題が影響しています。
都市別の運賃と特徴
九州内の主要都市における2025年3月のタクシー運賃は以下の通りです。
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長崎市・佐世保市:1,750円(九州内で最も高い水準)
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佐賀市:1,690円
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宮崎市:1,570円
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鹿児島市・福岡市:1,550円
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熊本市・大分市:1,500円
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北九州市:1,490円
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那覇市:1,200円(九州内で最も低い水準)
特に長崎市と佐世保市では、地形的な要因や観光需要の高さから運賃が高めに設定されています。一方、那覇市は公共交通機関の整備が進んでいることや、競争環境の違いから比較的低い運賃となっています。
運賃上昇の要因
近年のタクシー運賃の上昇には、以下の要因が影響しています。
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燃料費の高騰:世界的な原油価格の変動により、タクシー運行に必要な燃料費が増加しています。
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人手不足と高齢化:運転手の高齢化や新規参入者の減少により、労働力の確保が困難になっています。
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収益構造の見直し:コロナ禍による利用者減少や経済状況の変化に対応するため、運賃の見直しが行われています。
例えば、熊本県では2024年4月26日から初乗り運賃が630円から700円に値上げされました。また、福岡都市圏でも2023年8月1日から初乗り運賃が570円から670円に改定されています。
地域別の運賃改定事例
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熊本県:全147社のタクシー会社で初乗り運賃が630円から700円に値上げされました。加算運賃も301メートルごとに80円から347メートルごとに100円に改定されています。
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福岡都市圏:福岡市やその周辺の89社で初乗り運賃が570円から670円に値上げされ、加算運賃も221メートルごとに60円から268メートルごとに80円に変更されました。
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佐賀県:2023年10月25日から初乗り運賃が730円から810円に値上げされ、増収率は10.71%と見込まれています。 佐賀新聞
今後の展望と課題
九州地方のタクシー業界は、運賃の見直しを通じて経営の安定化や労働環境の改善を図っています。しかし、利用者にとっては運賃の上昇が負担となる可能性もあり、公共交通機関との連携やサービスの質の向上が求められます。また、地域ごとの特性を踏まえた運賃設定や、観光需要の取り込みなど、多角的な戦略が必要とされています。
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