2025年5月時点での九州のガソリン平均価格は189.5円/Lと全国より高め。鹿児島や大分など南部で高価格が目立ち、福岡・北九州では競争激化により安価傾向。全体的には前年比+4.121%の上昇で、物流や都市規模が価格差の鍵を握る。
都市別のガソリン1Lの相場価格
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
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平均 | 180.6 | -0.715 | |
1 | 鹿児島 | 190 | -0.524 |
2 | 大分 | 188 | -0.529 |
3 | 佐賀 | 187 | +0.538 |
4 | 長崎 | 183 | -1.081 |
5 | 佐世保 | 181 | +0.556 |
6 | 那覇 | 180 | -1.639 |
7 | 熊本 | 177 | -1.667 |
8 | 宮崎 | 176 | -1.124 |
9 | 福岡 | 172 | -1.149 |
10 | 北九州 | 172 | -0.578 |

詳細なデータとグラフ
九州の小売価格の相場と推移
2025年5月時点で、9州地方のガソリン1リットルあたりの平均価格は189.5円と、全国平均(184.1円)よりやや高めとなっています。輸送距離の長さ、離島地域の存在、地形的制約、そして地方における流通構造の差がこの価格差を形成しています。9州は火山地帯や山間部が多く、安定した輸送インフラの維持にもコストがかかることが価格上昇の背景となっています。
都市別ガソリン価格の状況
高価格帯(193円〜198円)
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鹿児島(198円) 9州内で最も高く、南端である地理的要因が影響。燃料の搬送距離が長く、物流コストが高いため、ガソリン価格も上昇傾向。前年比+3.665%とやや穏やかな伸び。
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大分・佐賀(195円) 大分は工業活動が盛んで需要が安定。佐賀は福岡に近接するも、流通競争が限定的で価格は高め。
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長崎(193円) 港湾都市であるが、入り組んだ地形による輸送負担が反映されている。
中価格帯(188円〜191円)
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那覇(191円) 沖縄本島であり、本土からの輸送コストの高さが価格に直結。前年比+4.945%と安定した上昇。
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佐世保(188円) 軍港や観光地としての役割を担い、車両稼働が比較的高く、需要が堅調なため、価格が上がりやすい。
低価格帯(182円〜186円)
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熊本(186円)、宮崎(185円) 熊本は都市規模に対して価格が比較的安定。宮崎も同様で、競合店の存在や郊外店舗の普及が価格抑制に貢献。
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福岡・北9州(182円) 9州最大の都市圏であり、スタンドの競争が激しく価格が抑えられる傾向にある。物流拠点としての強みも活かされ、全国的に見ても価格は比較的安価な部類に入る。
前年同月比の動向と上昇率の比較
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平均の増加率は+4.121%と全国平均(+4.712%)よりやや穏やか。
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最も増加が大きいのは北9州(+5.202%)で、次いで那覇、長崎、佐世保が+4.8%前後で続いています。
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熊本(+2.198%)、大分(+3.175%)、宮崎(+3.352%)は増加が緩やかであり、価格の安定性が高い地域といえます。
この違いは、都市ごとのガソリン需要の変化、物流改善の進展、スタンド数の増減、さらには生活スタイルの地域差にも起因します。
ガソリン価格の背景要因
地理的・物流的要因
鹿児島・那覇・長崎などの沿岸または南部都市は、本土や供給基地からの距離が遠く、物流費が嵩むことで価格が上がります。
競争環境
福岡や北9州のような大都市ではガソリンスタンド同士の競争が激しく、価格が比較的低く抑えられていることがわかります。
地域経済・交通事情
都市圏の拡張や通勤距離の長さに応じてガソリンの需要も変動し、価格形成に影響します。観光地を多く抱える地域では、観光シーズンの需要増加に備え、価格が上がる傾向もあります。
今後の見通し
今後も国際原油価格の変動、為替相場、地域ごとのエネルギー供給体制などがガソリン価格に影響を与えるでしょう。また、EV普及による地域需要の縮小や再編も予想される中で、地方ではスタンドの集約が進み、価格の地域差がさらに拡大する可能性も否定できません。
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