中部・北越地方のさつまいも市場価格動向|地域別価格差と今後の予想

さつまいも

2025年6月の中部・北越地域では、金沢市でさつまいも価格が489円/kgと全国最高水準を記録。名古屋市も348.7円/kgで高水準を維持し、数量は0.591ktと域内最大。価格上昇は高品質需要や生産地不安、物流費の増大が要因。地域ではブランド化や品質志向が鮮明。

さつまいもの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1金沢市489+19.46
2名古屋市348.7+12.59

市場価格の推移

さつまいもの市場価格

中部・北越の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]前年同月比[%]
1名古屋市0.591+4.602
2金沢市0.024+14.29

卸売数量の推移

さつまいもの卸売数量

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詳細なデータとグラフ

さつまいもの卸売り市場の現状と今後

中部・北越地域におけるさつまいもの最新市場価格では、金沢市が489円/kg、名古屋市が348.7円/kgと、全国平均362.3円/kgを上回る都市が多く見られます。特に金沢市の価格は全国トップクラスであり、前年同月比でも+19.46%と大きく上昇しています。名古屋市も+12.59%と堅調な伸びを示しています。

卸売数量は名古屋市が0.591kt、金沢市が0.024ktと、供給量では名古屋市が圧倒的に多く、かつ前年同月比で名古屋市は+4.602%、金沢市は+14.29%と、両市とも増加傾向にあります。


価格と数量の長期的推移

価格の推移

中部・北越地域におけるさつまいもの価格は、過去十数年間を通して緩やかな上昇基調にあります。特に2020年代に入ってからは、健康食品としての需要増加、サツマイモスイーツのブーム、家庭での調理機会増加が価格押し上げの背景にあります。

金沢市のように価格が高騰している市場は、ブランド品の取り扱いや品質の高さを重視する市場特性が反映されている可能性があります。

数量の推移

名古屋市では中部圏の流通拠点としての役割が大きく、常に高い数量が維持されてきました。年によって若干の増減はあるものの、2025年6月時点でも過去と比較して安定した供給量を示しています。

金沢市は小規模市場であるため、数量自体は少ないものの、価格の高さが示す通り、品質やニーズが厳選されている市場であることがうかがえます。


都市別の特徴と市場構造

  • 金沢市(価格:489円/kg、数量:0.024kt) 中部・北越地域で最も高価格な市場であり、希少性の高い地場品や高品質品が主に流通。観光需要や地域の食文化の影響で、地元産やブランド品の取引が活発と考えられます。数量は少なくても単価が高いため、市場としては高付加価値型です。

  • 名古屋市(価格:348.7円/kg、数量:0.591kt) 中部圏最大の都市であり、広域からの集荷・分配拠点として機能しています。価格は金沢ほどではないものの、全国的に見て高水準。スーパー・量販店・業務需要をバランス良く抱えることで、安定的な流通と価格形成がされています。


価格高騰の主な要因

  1. 需要の質的変化 さつまいもは従来の家庭用に加え、近年ではスイーツや健康食品としての需要が急増。特に糖度の高い「紅はるか」などのブランド品は高値で取引されています。

  2. 輸送・人件費の上昇 全国的な物流費や燃料費の高騰が、市場価格に転嫁されつつあり、遠隔地からの仕入れコスト増が価格を押し上げています。

  3. 生産地の気候影響 近年の気象不順、特に豪雨や台風、干ばつの影響で、生産地(鹿児島・茨城など)での出荷量が不安定になることが増えており、安定供給が難しい中での高値形成となっています。


さつまいも生産の背景と地域連携の課題

中部・北越地域では、さつまいも生産自体は全国的に見て主要ではないため、他地域からの仕入れに依存する構造が基本です。このため、供給元の価格変動に敏感に反応しやすい傾向があります。

ただし、近年では地元農家や自治体が地域ブランド化や高糖度品種の導入を進める動きもあり、金沢市のような高価格市場ではこれが成功している可能性があります。


今後の見通しと展望

今後も中部・北越地域では以下のような展開が予測されます:

  • ブランド芋の増産・流通拡大による高価格帯市場の維持

  • 産地との契約取引や直送体制の強化で数量確保の安定化

  • 保存技術の向上により出荷時期の調整が可能となり、価格平準化が期待

  • 消費者ニーズの高度化に応じたマーケティングの強化

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