中部・北越の米集荷数量:新潟コシヒカリの強さと今後の展望

穀物統計

米価格米販売量米の集荷数量


中部・北越の米集荷数量は、新潟を中心に高水準を維持しているが、全体では前年比マイナス傾向が目立つ。新潟のコシヒカリは国内外で強い需要がある一方、静岡や岐阜などの小規模地域では生産縮小が進行中。今後はブランド米の輸出促進やデジタル農業による効率化が鍵となる。

米の集荷数量のデータとグラフ

米の集荷数量の多い順

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7
名称 平均 新潟 (コシヒカリ一般) 富山 (コシヒカリ) 長野 (コシヒカリ) 新潟 (こしいぶき) 新潟 (コシヒカリ魚沼) 福井 (コシヒカリ) 愛知(あいちのかおり)
最新値[トン] 16.41 118.1 45 44.9 33.9 30.8 15.4 14
前月比[%] +0.587 +0.255 +0.446 +0.223 +0.593 +2.19
前年同月比[%] -13.07 -13.1 -17.58 -11.09 -4.775 -1.282 -16.3 -17.65

米の集荷数量の少ない順

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7
名称 平均 静岡 (にこまる) 静岡 (きぬむすめ) 愛知 (大地の風) 岐阜 (ほしじるし) 静岡 山梨 岐阜
最新値[トン] 16.41 0.3 0.6 0.9 1 3.2 3.7 3.7
前月比[%] +0.587 +11.11
前年同月比[%] -13.07 -25 -57.14 -10 -47.37 -30.43 -22.92 -22.92

 

中部・北越の米の集荷数量の推移

米の集荷数量
最近の米の集荷数量

最新の価格データ

最新の米の集荷数量
最新の米の集荷数量

 

詳細なデータとグラフ

 

中部・北越の米の集荷数量についての特徴

中部・北越地域は、日本有数の米どころであり、特に新潟県の「コシヒカリ」は国内外で高い評価を得ています。2025年3月時点での最新の米の集荷数量の地域平均は16.41トンとされ、北海道・東北と比べるとやや低水準ながら、ブランド米の集積地として特有の構造を持ちます。


地域別集荷数量の現状と傾向

上位品種と集荷量

  • 新潟(コシヒカリ一般):118.1トン(地域最大規模)

  • 富山(コシヒカリ):45トン

  • 長野(コシヒカリ):44.9トン

  • 新潟(こしいぶき):33.9トン

  • 新潟(コシヒカリ魚沼):30.8トン

特に新潟県は「一般」「魚沼」「こしいぶき」と品種別の差別化が進んでおり、産地によるブランド価値が強調されています。

低水準地域の傾向

  • 静岡(にこまる):0.3トン

  • 静岡(きぬむすめ):0.6トン

  • 愛知(大地の風):0.9トン

  • 岐阜(ほしじるし):1トン

中部南部では地理的・気候的制約の影響で集荷量が少ない傾向にあり、ブランド米としての流通量も限定的です。


前月および前年同月比から見る変動

前月比(最新動向)

いずれも小幅ながらプラス成長を示しており、季節性の影響を含めて集荷ペースは安定傾向にあります。

  • 新潟(コシヒカリ一般) +0.255%

  • 富山(コシヒカリ) +0.446%

  • 愛知(あいちのかおり) +2.19%

前年同月比(長期的変化)

  • 大半の地域で前年比マイナス。特に富山(-17.58%)愛知(-17.65%)などが顕著で、生産調整や高温障害による収量減が影響とみられます。

  • 静岡(きぬむすめ) -57.14%岐阜(ほしじるし) -47.37%など、小規模品種では激しい落ち込みも見られます。


地域ごとの特色と背景

新潟県

  • 「コシヒカリ一般」「魚沼」「こしいぶき」など多品種展開によりブランド戦略が成熟。

  • 「魚沼産」は流通量では少ないが高単価。

長野・富山・福井

  • 高地や中山間地における品質重視の生産体制。

  • 気候変動の影響を受けやすく、生産年によるばらつきが大きい。

静岡・岐阜・愛知

  • 本来は野菜や果樹栽培が主流の地域。米は補完的作物として生産されている傾向。

  • ブランド化や産地イメージが弱く、集荷数量は総じて低水準。


直面する課題と最近の問題

  • 気候変動による品質・収量の不安定化(高温障害、台風など)

  • 労働力不足・高齢化による耕作放棄地の拡大

  • 海外米との価格競争や消費量減少により、小規模産地での米づくり継続が困難に


今後の推移と展望

中部・北越の期待

  • 新潟県を中心とした高付加価値米による輸出展開、インバウンド需要の取り込み

  • デジタル農業や精密農法による生産効率化

課題と展望

  • 小規模産地では集荷数量の回復は困難と予想されるが、品種の差別化や六次産業化による生き残りの道も。

  • 地域の特色を活かしたブランド形成と販路拡大がカギ。

 

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