中部・北越地方の2025年3月時点における1カ月20立法メートル使用時の水道料金は、長野市の3,630円を最高に、豊橋市の1,507円まで大きな格差が存在する。高料金地域では山間部特有の地形や人口減少の影響があり、低料金地域では水資源の豊富さや効率的な運営が要因となっている。将来は老朽化や人手不足で料金上昇が懸念されるが、技術革新や広域化での改善も期待される。
小売物価統計
1カ月20m3使用の水道料金の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 長野 | 新潟 | 甲府 | 長岡 | 松本 | 静岡 | 岐阜 | 金沢 | 名古屋 | 富山 |
最新値[円] | 2598 | 3630 | 3234 | 3228 | 3003 | 2720 | 2607 | 2579 | 2497 | 2425 | 2310 |
平均比[%] | 100 | 139.7 | 124.5 | 124.2 | 115.6 | 104.7 | 100.3 | 99.27 | 96.11 | 93.34 | 88.91 |
前年同月比[%] | -1.195 | 0 | 29.52 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1カ月20m3使用の水道料金の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
名称 | 平均 | 豊橋 | 浜松 | 富士 | 福井 | 富山 | 名古屋 | 金沢 | 岐阜 | 静岡 | 松本 |
最新値[円] | 2598 | 1507 | 2156 | 2222 | 2255 | 2310 | 2425 | 2497 | 2579 | 2607 | 2720 |
平均比[%] | 100 | 58 | 82.98 | 85.52 | 86.8 | 88.91 | 93.34 | 96.11 | 99.27 | 100.3 | 104.7 |
前年同月比[%] | -1.195 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
水道料金の推移


詳細なデータとグラフ
水道料金の現状と今後
中部・北越地方(長野、新潟、静岡、名古屋、富山など)では、水道料金が都市ごとに大きく異なっています。2025年3月時点での1カ月20立方メートル使用時の平均水道料金は2598円であり、最高額の長野市は3630円(平均の139.7%)、最低額の豊橋市は1507円(平均の58%)と、倍以上の差が見られます。
中部・北越の水道料金ランキングと特徴
高い順(上位10都市):
都市 | 金額(円) | 平均比 |
---|---|---|
長野 | 3630 | 139.7% |
新潟 | 3234 | 124.5% |
甲府 | 3228 | 124.2% |
長岡 | 3003 | 115.6% |
松本 | 2720 | 104.7% |
これらの都市に共通する特徴は、山間部が多く水源確保が困難であること、そしてインフラ整備費が高額になりやすいことです。特に長野県内は、浄水や送水にかかるコストが平地都市よりも高くなる傾向があります。
低い順(下位10都市):
都市 | 金額(円) | 平均比 |
---|---|---|
豊橋 | 1507 | 58.0% |
浜松 | 2156 | 83.0% |
富士 | 2222 | 85.5% |
福井 | 2255 | 86.8% |
富山 | 2310 | 88.9% |
低料金の都市では、水源が豊富である、あるいは自治体の効率的な経営が反映されている場合が多いです。たとえば豊橋市は地下水源をうまく活用しており、外部からの送水に頼らずに済む分、コストが抑えられています。
これまでの水道料金の動向(2010〜2025)
過去15年間の水道料金の推移を振り返ると、以下の傾向が見られます。
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上昇傾向が顕著:特に山間部や中小都市では、老朽化した設備の更新費用が重くのしかかり、水道料金の値上げが相次ぎました。
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都市間格差の拡大:大都市は人口規模によるスケールメリットで料金を抑制できるのに対し、地方都市は逆に料金を引き上げざるを得ない状況に追い込まれています。
水道料金の背景にある問題
インフラの老朽化
水道管の多くが建設から40年以上経過しており、漏水や破損リスクが高まっています。更新費用を捻出するため、水道料金の引き上げは避けられない局面にあります。
人口減少と需要の低下
中部・北越地方では人口減少が進み、水道使用量が減る一方で、固定費がかさむため1人あたりの負担は増えがちです。
水源の違い
地下水、河川水、ダム水など、水源の違いによって処理コストが異なり、それが水道料金に反映されています。
今後の水道料金の推移と展望
期待される変化
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広域連携の進展:市町村ごとの運営から、県単位あるいは広域連合による運営へと移行することで、コストの平準化やサービスの安定化が見込まれます。
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民間参入の可能性:運営を民間企業に委託する「コンセッション方式」も今後の選択肢。適正な競争が起これば、サービス向上と料金抑制が期待できます。
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節水意識の浸透:節水機器の普及と生活スタイルの変化により、料金体系の見直しが進む可能性もあります。
まとめ
中部・北越地方では、地形的・社会的背景によって水道料金に大きな地域差が見られます。今後も料金の上昇圧力は続くと考えられますが、広域連携や運営改革により、持続可能な水道サービスが実現されることが期待されます。地域住民と行政が連携し、透明性のある議論と選択が求められています。
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