中部・北越地域では、名古屋市が安定した流通量と価格水準(240.7円/kg)を維持している一方、金沢市では価格が+22.42%と急騰。港湾都市名古屋は輸入バナナの流通拠点で、価格が安定しやすいが、金沢は供給変動に影響されやすい。今後は国際物流や輸送コストの影響に注視が必要。
バナナの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 名古屋市 | 240.7 | -0.685 |
2 | 金沢市 | 236.7 | +22.42 |
市場価格の推移

中部・北越の卸売数量
市場 | 卸売数量[k円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 名古屋市 | 0.241 | -0.685 |
2 | 金沢市 | 0.237 | +22.42 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
バナナの卸売り市場の現状と今後
中部・北越地域では、名古屋市と金沢市が代表的な青果市場を有し、輸入果物であるバナナの流通においても中心的な役割を担っています。2025年6月時点では、名古屋市の市場価格が240.7円/kg、金沢市は236.7円/kgと、全国平均224円/kgを上回る水準です。
都市別の価格と数量の比較
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名古屋市:バナナの主要取扱都市であり、卸売数量は0.241k円/kgと地域内で最多。前年同月比では-0.685%の価格下落がみられ、価格安定性の高さを示しています。港湾都市として輸入果物の物流拠点であることから、安定した供給と競争的価格が両立されています。
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金沢市:卸売数量は0.237k円/kgと名古屋に匹敵する規模ながら、前年同月比で+22.42%の価格上昇という特筆すべき変動が見られます。背景には、供給量の1時的な減少やコスト増(輸送費や人件費など)が影響している可能性があります。
過去の推移と現在の価格水準
2008年以降、バナナは果物の中でも最も価格が安定している品目のひとつです。名古屋市では平均して200〜250円/kgの範囲で価格が推移しており、大きな乱高下は少ない傾向です。金沢市ではここ数年、やや高めの価格帯で推移しており、輸送の中継都市としての性格が価格に反映されやすいと言えます。
価格高騰の要因とリスク
金沢市に見られるような急激な価格上昇の要因は以下のように推察されます:
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東南アジアの主要輸出国(フィリピンなど)の天候不順や台風被害
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輸送費の高騰(特に海上運賃やコンテナ不足の影響)
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為替相場の変動による輸入価格の上昇
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国内流通業者の仕入れ調整による1時的な供給不足
こうした要因が重なった結果、金沢では1時的に高値となり、需要と供給のバランスが乱れたと考えられます。
バナナの流通と中部圏の地理的特性
中部・北越地域では、名古屋港をはじめとする輸入拠点が機能しており、バナナも他果物と同様に集中的に名古屋で荷受されます。金沢のような地方都市でも安定供給が可能ですが、物流距離が長くなることや再分配のタイミングによって価格変動が発生しやすくなります。
今後の展望
中部圏は堅実な消費圏を有しており、今後もバナナ需要は安定的に推移することが見込まれます。ただし、グローバルなサプライチェーンへの依存度が高いことから、国際情勢や輸送コストの変動が大きなリスク要因となります。新たな冷蔵物流の拡充やフェアトレード商品の増加などが今後の価格動向に影響を及ぼす可能性があります。
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