中部・北越のみかん市場価格の特徴と価格急騰の背景・今後の動向分析

中部・北越地域の2025年6月のみかん市場価格は金沢市1,402円/kg、名古屋市1,264円/kgで前年より約6〜7%上昇。一方、卸売数量は減少傾向。価格高騰は輸送コスト増や産地減収が背景。流通形態多様化で市場卸売数量が減り、今後は物流効率化や品質向上が課題となる。

2025年6月の中部・北越地域におけるみかんの市場価格は、金沢市で1,402円/kg、名古屋市で1,264円/kgとなっています。両都市とも前年同月比で約6〜7%の価格上昇を記録し、地域全体で価格高騰傾向が見られます。1方、卸売数量は名古屋市が0.111kt、金沢市が0.016ktであり、前年からそれぞれ減少しています。

価格推移とその背景

この地域での価格上昇は以下の要因が主に影響しています。

• 輸送コストの増加：みかん生産地からの距離が長いため、輸送費の上昇が価格に転嫁されやすい。

• 産地の収量減少：主な産地での気候変動や自然災害により供給が不安定になり、希少価値が高まっている。

• 需要の変動：冬季における健康志向の高まりが消費を押し上げている。

卸売数量減少の背景と影響

卸売数量の減少は複数の理由によります。

• 直販・ネット販売の増加：流通形態の多様化により市場を通さない販売が増加。

• 消費者の購買行動変化：量より質を重視する傾向が強まり、卸売市場での大量取引が減少。

• 地域内消費の限界：人口密度や消費習慣の違いから、需要の伸び悩みも1因。

この数量減少は市場規模の縮小を意味し、価格変動の幅を大きくする可能性があります。

都市別の特徴

金沢市

市場価格が地域内で最も高く、供給量は少なめ。地域の高級志向や輸送コストが価格に反映されています。卸売数量減少は地域消費の限界や代替流通経路の影響も示唆されます。

名古屋市

中部地方最大の消費地であり、卸売数量は金沢市より多いものの前年より減少傾向。価格は安定的に上昇しており、安定供給と高品質商品のニーズが顕著です。

みかん生産の動向と今後の課題

中部・北越地域はみかんの主要産地ではなく、主に南西日本からの輸入に依存しています。今後は、

• 輸送効率の改善とコスト削減

• 品種改良や保存技術の導入による品質向上

• 地域消費の促進とマーケティング強化

が重要課題です。これにより価格安定と消費拡大を目指すことが期待されます。