2025年4月の中部・北越地方のぶどう価格は、名古屋市で6348円/kgと異常な高騰を示しましたが、他都市は2000〜3000円台で安定。長野や金沢などの産地ではブランド力により上昇傾向が見られ、今後も堅調な価格維持が期待されます。一方、北越地方には流通・PRの強化が課題となっています。
ぶどうの卸売り市場価格
ぶどうの高い順
名古屋市 | 金沢市 | 福井市 | 長野市 | 富山市 | 岐阜市 | 浜松市 | 豊橋市 | 静岡市 | 新潟市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2025年3月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2016年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 |
最大期 | 2025年4月 | 2024年5月 | 2017年4月 | 2019年4月 | 2018年4月 | 2021年4月 | 2016年4月 | 2016年4月 | 2023年4月 | 2023年4月 |
最新値[円/kg] | 6348 | 3780 | 2780 | 2637 | 2579 | 2422 | 2401 | 2184 | 2036 | 1997 |
最大値[円/kg] | 6348 | 8331 | 4860 | 14620 | 4050 | 8549 | 3468 | 3316 | 4613 | 10130 |
前月比[%] | +1024 | +98.84 | +29.6 | +27.08 | +21.54 | +12.23 | +13.42 | +42.65 | +10.89 | +24.19 |
前年同月比[%] | +8.568 | +16.42 | +3.088 | -14.26 | +15.61 | -0.1663 | +93.79 | -8.081 | +11.56 |
ぶどうの推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
ぶどうの価格についての推移と展望
2025年4月のデータによると、中部・北越地方では名古屋市が6348円/kgと極端な高値を示し、他都市との差が大きく開いています。金沢市(3780円/kg)、福井市(2780円/kg)、長野市(2637円/kg)と続きますが、名古屋だけが一桁違う水準に突入しています。これは一時的な高級品流通、もしくは統計上の特殊な反映と見られ、他都市は2000〜3000円台に収まる“通常価格帯”です。
地域別価格の特徴と背景
名古屋市(+1024%)
非常に異常な上昇率。高級品種や贈答品の取引集中、特別な品評会や地域イベントに伴う需給ひっ迫などが原因と推定されます。継続的な高騰ではなく一時的な突出値と考えるべきでしょう。
北陸地方(金沢市・富山市・福井市)
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金沢市(+98.84%)は名古屋に次ぐ急上昇で、高級志向や地元百貨店での高値販売が影響していると見られます。
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富山市や福井市は比較的安定した価格帯ですが、いずれも20〜30%台の上昇。地元産ぶどうのブランド力強化や観光需要の回復が寄与していると考えられます。
中部内陸部(長野市・岐阜市)
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長野市(+27.08%)は全国有数のぶどう産地であり、安定した供給と品質の高さが反映された適正価格。今後も堅調な推移が見込まれます。
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岐阜市(+12.23%)も安定感があり、急激な変動は見られません。
静岡県(浜松市・豊橋市・静岡市)
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静岡・浜松は10〜13%の小幅上昇で、安定的。静岡市(2036円/kg)は温暖な気候による早期出荷などが価格調整要因となっていると推測されます。
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豊橋市(+42.65%)は比較的大きく上昇。愛知県内の市場分散や、地場品種の注目度が影響していると見られます。
新潟市(+24.19%)
日本海側としては価格がやや抑えられていますが、安定的に上昇しています。地域ブランド品の育成や、輸送ルートの拡充が価格を押し上げている可能性があります。
価格変動の背景と構造的課題
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急騰の都市は限定的:名古屋市の急上昇は例外的であり、他都市では20〜30%程度の緩やかな価格上昇が主流です。
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地元消費の強さ:長野・静岡・金沢などでは、地産地消や観光需要、百貨店との連携によって市場価格が維持されやすい構造にあります。
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輸送・流通の影響:北越地方では山間部の輸送コストや季節変動の影響が大きく、都市間での価格差が生まれやすい傾向があります。
今後の推移と市場展望
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高価格は落ち着く可能性:名古屋市のような極端な高騰は一時的な要因とみられ、通常の相場に戻る見込みが高いです。
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堅調な価格維持が見込まれる都市:長野・金沢・浜松などは安定したブランドと生産量を背景に、今後も価格は高止まり傾向で推移するでしょう。
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北越地方の成長余地:福井・富山・新潟などでは、観光需要や地場品種のPR次第でさらなる価格上昇が見込まれます。
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