中部・北越のじゃがいも価格動向|都市別の特徴と今後の見通し

じゃがいも



中部・北越地方のじゃがいも価格は、2025年4月時点で金沢市・名古屋市が340円台と高値を示し、福井市・浜松市では120円台と大きな格差があります。金沢市は前月比・前年比ともに+45%以上の急騰を記録し、供給不安や物流要因が背景にあると考えられます。地域ごとの地理的条件や流通構造が価格に大きく影響しており、今後も高騰と安値の二極化傾向が続く可能性があります。

じゃがいもの卸売り市場価格

じゃがいもの高い順

金沢市 名古屋市 甲府市 長野市 沼津市 富山市 松本市 豊橋市 福井市 浜松市
最新 2025年4月 2025年4月 2021年12月 2021年12月 2016年12月 2021年12月 2021年12月 2016年12月 2023年12月 2023年12月
最大期 2020年7月 2020年7月 2020年7月 2021年4月 2016年4月 2021年4月 2020年7月 2015年7月 2020年7月 2020年7月
最新値[円/kg] 349 344 240 239 235 233 229 191 127 126
最大値[円/kg] 400 395 433 409 292 329 399 259 428 358
前月比[%] +45.42 +28.36 +10.6 +10.14 +6.818 +2.643 +8.019 +12.35 -8.633 -0.7874
前年同月比[%] +92.11 +72.28 +50 +56.21 +91.06 +49.36 +54.73 +80.19 +4.959 +1.613

 

じゃがいもの推移

じゃがいも価格の推移

最新の価格データ

最近のじゃがいも価格

 

その他のデータとグラフ

 

じゃがいもの価格についての推移と展望

中部・北越地方は、温暖な静岡県から積雪のある北陸エリアまで地理的に広く、農業条件が多様です。じゃがいもはこの地域全体で比較的安定的に生産されていますが、近年は物流や気候の影響によって価格変動が大きくなっています。

2025年4月時点でのじゃがいも価格は、金沢市(349円/kg)名古屋市(344円/kg)が高騰しており、福井市(127円/kg)、浜松市(126円/kg)は低価格圏に留まっています。


都市別の価格帯とその特色

以下のように3つの価格帯に分類されます。

高価格帯(340円以上)

  • 金沢市・名古屋市この2都市では急激な価格上昇が見られます。特に金沢市は前月比・前年比ともに+45.42%と異常な高騰を示しており、地域的な供給不足や一時的な物流障害が起きている可能性があります。名古屋市も都市消費が集中するエリアであり、需要圧力が価格を押し上げています。

中価格帯(230~240円前後)

  • 甲府市・長野市・沼津市・富山市・松本市これらの都市では、局所的な需給バランスが保たれており、価格は比較的安定。生産地と消費地の距離も適度であり、流通面でもコストが抑えられていると考えられます。

低価格帯(130円以下)

  • 福井市・浜松市この地域では地場生産の供給力が強く、また大都市圏からの需要圧力が弱いため、価格が抑えられています。福井市は-8.633%の下落と例外的な動きを見せており、需要の弱さや在庫の増加が背景にある可能性があります。


最近の動向とその背景

2025年4月の価格変動を見ても、中部・北越の価格は大きなばらつきがあります。

  • 金沢市・名古屋市の高騰(+45.42%、+28.36%)→春先の寒波・降雪による収穫遅延、物流混乱の影響が想定されます。加えて、外食需要や観光地需要の回復も一因です。

  • 甲府市・長野市など中価格帯の安定(+10%前後)→安定供給地域であり、急激な需要増がないため価格も穏やかです。

  • 福井市・浜松市の下落(-8.633%、-0.7874%)→豊作や流通在庫の積み残し、地元需要の弱さが背景と推察されます。


地域ごとの物流構造とその影響

価格は、収穫量だけでなく物流の仕組みによっても大きく左右されます。

  • 名古屋市は中京圏の中心地で、近隣県からの流通が集中→需要集中と物流逼迫により価格が上がりやすい。

  • 金沢市は北陸の要衝だが、雪による交通障害が価格に直結→季節要因に左右されやすい地域で、年によって価格変動が激しい。

  • 福井市・浜松市は比較的自給的で、外需に依存しにくい→供給が安定していれば価格が下がりやすい構造。


今後の価格動向と見通し

今後のじゃがいも価格については、以下のような推移が見込まれます。

  • 金沢市・名古屋市の高値圏維持の可能性→需要旺盛で流通コストも高いため、しばらくは300円台後半が続く見込み。ただし春以降の収穫増で多少の下落もありうる。

  • 中価格帯都市は緩やかな上昇または安定→全国的な供給状況や天候次第では、250円前後まで上昇する可能性もある。

  • 福井市・浜松市などは引き続き低価格帯を維持→価格上昇には外的な需要喚起(観光回復や外食需要増)が不可欠。


課題と政策的対応の必要性

中部・北越地方のじゃがいも価格の二極化は、流通の非効率性や地域経済の格差を映し出しています。

今後の安定供給と価格平準化のためには、以下の施策が必要です。

  • 広域物流ネットワークの再設計→山間部や豪雪地帯を含む地域では、特定季節の流通代替策を強化。

  • 価格モニタリングと需給調整の高度化→AIやIoTを活用した市場予測と在庫調整が必要。

  • 地産地消と地域ブランド化の推進→福井や浜松など低価格地域での消費拡大戦略が鍵。

これにより、じゃがいもの供給と価格の安定化を図りつつ、地域経済の活性化にもつなげていくことが求められます。

 

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