中部・北越の果物価格動向と都市別特徴、今後の見通しを解説

果物価格(都市別)

中部・北越の輸入果実市場では、名古屋市が価格368円/kg、数量2.479ktと中核を担い、金沢市は価格上昇が目立つが数量減。円安や物流コストが価格に影響しつつ、都市ごとに高品質果実の導入戦略が異なる。今後は物流改善が数量の底上げに貢献すると期待される。

輸入果実の市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1名古屋市368-3.412
2金沢市331+13.62

市場価格の推移

輸入果実の市場価格

中部・北越の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]前年同月比[%]
1名古屋市2.479-0.562
2金沢市0.913-13.71

卸売数量の推移

輸入果実の卸売数量

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詳細なデータとグラフ

輸入果実の卸売り市場の現状と今後

2025年6月時点における中部・北越地域の輸入果実市場を見ると、名古屋市の価格は368円/kg、卸売数量は2.479ktで、同地域の中心的な流通拠点です。1方、金沢市は331円/kg、卸売数量は0.913ktで、比較的小規模ながらも特徴的な動きが見られます。

前年同月比では、名古屋市は価格が3.412%減少、数量は微減(-0.562%)にとどまりましたが、金沢市では価格が13.62%上昇し、数量は13.71%減少しています。これは、果実単価が高い品種の比率が増えた可能性を示しています。


過去から現在までの価格・数量推移

2010年以降の中部・北越の輸入果実市場は、名古屋市を中心に緩やかな価格上昇と数量増加の傾向を辿ってきました。特に2020年前後のパンデミック以降は、健康志向の高まりや家庭消費の拡大によって輸入果実の需要が安定しました。

しかし、2023年から2025年にかけては為替の円安、輸送コストの上昇、生産国の気象リスクなどが影響し、価格はやや不安定に。名古屋市ではその影響が比較的抑えられた1方で、金沢市のような地方市場では数量減少に対して価格が先行的に反応する形となりました。


都市別の市場特性

  • 名古屋市 中京圏の広域需要を支える拠点。業務用から家庭用まで多様な輸入果実が流通しており、バナナ、キウイ、グレープフルーツなどの定番果実を中心に安定供給されています。市場規模が大きいため、価格も全体の動向を反映した平均的水準にあります。

  • 金沢市 北陸地域の中核市場で、流通規模は小さいながらも品質重視の消費傾向が強く、価格上昇が反映されやすい傾向にあります。特に近年は高付加価値の果実(輸入イチジク、マンゴー、チェリーなど)の扱いが増え、数量が減少しても単価の高い商品構成でカバーされています。


価格変動の要因と課題

中部・北越地域における輸入果実価格は以下の要因で変動します:

  • 為替変動(円安):仕入れ価格が高騰し、小売価格にも波及。

  • 輸送コストの上昇:特に金沢など地方都市は港湾からの2次輸送費が高くなりがち。

  • 原産国の天候不良:輸入元である南米、アジア、欧州の気候影響が供給を左右。

  • 消費者の選好変化:健康志向でオーガニックや糖度の高い果実への需要が増加し、単価を押し上げる要因に。


今後の展望と課題

名古屋市は今後も安定供給の拠点としての役割を維持しつつ、コスト圧縮と物流合理化が進めば価格の安定化が見込まれます。1方で、金沢市のような都市は、選別的な高品質果実の導入により収益性を維持しようとする戦略が続くと予測されます。

また、北陸新幹線延伸や物流インフラの改善が、将来的な流通量増加を後押しする可能性もあり、地域間格差の緩和が進むか注目されます。

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