中部・北越では名古屋市や金沢市など都市部で果物価格が高く、長野や新潟のような地場産地では価格が抑えられる傾向がある。最近は名古屋・金沢で価格が大きく上昇し、静岡では下落。今後は観光回復や物流コストの影響を受けながら、地域差が継続する見込み。
輸入果実の卸売り市場価格
輸入果実の高い順
名古屋市 | 岐阜市 | 福井市 | 静岡市 | 金沢市 | 長野市 | 松本市 | 甲府市 | 新潟市 | 沼津市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2025年4月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2016年12月 |
最大期 | 2024年8月 | 2022年6月 | 2022年5月 | 2019年5月 | 2024年8月 | 2021年6月 | 2016年6月 | 2020年5月 | 2023年6月 | 2015年5月 |
最新値[円/kg] | 349 | 342 | 329 | 319 | 306.7 | 294 | 283 | 279 | 279 | 271 |
最大値[円/kg] | 408 | 370 | 472 | 594 | 329.7 | 398 | 334 | 356 | 308 | 424 |
前月比[%] | +19.66 | -6.812 | -4.082 | -12.12 | +18.86 | -2.97 | +5.597 | +1.825 | -3.46 | -4.912 |
前年同月比[%] | +4.282 | +11.04 | -0.9036 | +6.689 | -0.8599 | +8.889 | +6.792 | +3.333 | +2.574 | -13.69 |
輸入果実の推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
輸入果実の価格についての推移と展望
中部・北越地方は、国内でも果物の生産・消費のバランスが比較的安定している地域であり、長野や山梨、新潟など自給的要素が強い地域と、名古屋や静岡のような消費都市が混在しています。そのため、都市ごとの果実価格には明確な差が存在し、輸入果実においても都市の特性が色濃く反映される傾向があります。
都市別価格の現状と動向分析
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名古屋市(349円/kg)・岐阜市(342円/kg)名古屋は商業・流通の中心都市であり、他地域よりも高価格を維持。今月は+19.66%と急騰し、高級果実や高需要商品の入荷が影響したとみられます。岐阜市は-6.81%と対照的に下落しており、供給増か消費鈍化の可能性が考えられます。
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福井市(329円/kg)・静岡市(319円/kg)福井では比較的高水準を維持していますが、-4.08%と小幅下落。静岡市は-12.12%と大きな下落が見られ、気候変動や流通事情による仕入れコストの変動が影響した可能性があります。
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金沢市(306.7円/kg)・長野市(294円/kg)・松本市(283円/kg)金沢市は+18.86%と急上昇しており、地域イベントや観光需要の回復による消費拡大が要因と推測されます。長野と松本は生産地でもありながらも輸入果実の扱いが少ないため価格が安定しており、小幅な動きにとどまっています。
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甲府市(279円/kg)・新潟市(279円/kg)・沼津市(271円/kg)これらの都市は価格帯が近く、いずれも低めに推移。甲府市は+1.83%とわずかに上昇、新潟市と沼津市は-3~5%と下落しており、地域特性による購買力や需要の差が見て取れます。
価格変動の背景と課題
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地場産との競合と消費者選好の変化長野や山梨のような果物産地では、輸入果実は地場品に比べ選ばれにくく、価格を抑えても消費が拡大しにくい傾向があります。一方で都市部では利便性や品種の多様性が評価され、価格に反映されています。
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天候と国際物流の影響静岡や福井など太平洋側の都市では、港湾を介した輸入果実の供給が比較的安定している一方、天候や世界的な物流混乱(例:船便遅延、円安など)が価格に影響を与えるケースが増えています。
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観光需要と価格の連動金沢や松本といった観光都市では、訪日外国人の回復や観光客の増加が果実需要を押し上げ、価格にも反映されやすくなっています。
今後の価格推移と予測
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価格の地域差は継続か地産地消の動きが強い中部・北越では、今後も都市ごとの価格差は継続する見通しです。名古屋や金沢のような消費・観光都市では今後も高値傾向が続き、長野や新潟のような生産重視地域では安定もしくはやや低水準で推移するでしょう。
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物流コストと円安の影響に注視国際情勢による物流コスト上昇や円安が長引けば、全体的に果実価格が底上げされる可能性があります。特に港湾都市では影響が顕著となり、静岡や沼津での価格変動が引き続き注目されます。
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地域振興と価格安定化の可能性地方市場の強化や観光・農業連携策が進めば、需要の平準化と価格の安定が期待されます。特に甲府や松本のような中間規模都市では、その成果が価格に反映される可能性があります。
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