中部・北越の果物価格分析:福井・浜松は急騰、名古屋は安定

果実計

2025年6月の中部・北越地方では、名古屋市の果実価格が506.3円/kg、金沢市が385.3円/kgと上昇傾向。一方で卸売数量はともに減少しており、流通コストや生産量の不安定化が背景。高級果実の需要増も価格上昇を後押しし、今後は地域産地の維持と流通の効率化が鍵となる。

果実計の市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1名古屋市506.3+3.899
2金沢市385.3+6.348

市場価格の推移

果実計の市場価格

中部・北越の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[kt]前年同月比[%]
1名古屋市6.266-3.168
2金沢市1.967-6.6

卸売数量の推移

果実計の卸売数量

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詳細なデータとグラフ

果実計の卸売り市場の現状と今後

2025年6月時点の中部・北越地方における果実計の市場価格は、名古屋市で506.3円/kg、金沢市で385.3円/kgとなっており、全国平均の521.7円/kgと比べると、名古屋市はやや下回り、金沢市は大きく下回る水準にあります。

しかし前年同月比で見ると、名古屋市は+3.899%、金沢市は+6.348%とともに上昇しており、特に金沢市の伸びが顕著です。これは全国的な物価上昇に連動し、果実にも値上がり圧力が波及している証左であるといえます。


卸売数量の動向と比較

卸売数量は名古屋市が6.266ktで地域最大、金沢市が1.967ktと続いています。ともに前年同月比で減少しており、名古屋市は-3.168%、金沢市は-6.6%とやや大きな落ち込みを示しています。

この卸売数量の減少は以下のような要因によって引き起こされていると考えられます:

  • 産地での収穫量減少:気候の不安定さや農家の高齢化により、生産そのものが減少傾向。

  • 需要の変化:価格上昇により消費者が果物購入を控える傾向がみられる。

  • 輸送体制の変化:小口配送や直販ルートの拡大により、市場を通さない流通が増加。


都市別の市場構造と消費特性

  • 名古屋市 中部圏最大の都市として、近隣の静岡・長野・山梨・愛知などの果実産地からの集荷が豊富。高級果実から日常使いの廉価品まで幅広く取り扱われ、安定的な供給が市場価格を1定に保っている。量も多く、東海地方全体への供給拠点としての役割を果たしている。

  • 金沢市 北陸地方の中核市場ではあるが、消費地としての規模は限定的。地元産の梨やぶどう、柿などが主流で、季節ごとの出荷に大きく依存する構造。近年は地元ブランド果実の育成により、単価が上昇する傾向も見られる。


価格上昇の背景と要因

この地域における価格上昇の要因は、以下の通り複合的です:

  1. 生産コストの上昇 肥料・農薬・人件費などのコスト増が価格に反映。特に燃料費の高騰が流通コストを押し上げ、販売価格に転嫁されている。

  2. 高付加価値果実へのシフト シャインマスカットやブランド桃など、高価格帯の果実が消費者に選ばれる傾向があり、全体の平均価格を引き上げている。

  3. 天候不順と収穫量の不安定化 春の低温・夏の高温といった異常気象の影響により、果実の品質や収量にばらつきが生じ、安定供給が困難に。結果として単価は上昇。


果実生産の地域性と今後の展望

中部・北越地方は、長野・山梨・福井などをはじめとする果実の名産地が点在しており、特にりんご、ぶどう、もも、柿などの生産が盛んです。これらの産地ではブランド化・高品質化が進められていますが、1方で以下の課題にも直面しています:

  • 高齢化による担い手不足

  • 気候変動による収穫の不安定化

  • 若年層の果物離れと消費の低迷

今後は、スマート農業の導入や果実の加工品化(ジュース・ドライフルーツなど)による販路拡大、観光との連動(果物狩りなど)といった多角的なアプローチが求められるでしょう。

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