2025年6月の中部・北越地方におけるレタス市場では、名古屋市・金沢市ともに価格・数量が増加。名古屋は物流網を活かした安定供給が特徴で、金沢は地場需要に敏感な動きを示した。今後は生産体制の持続性と効率化が課題となる。
レタスの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 名古屋市 | 146.3 | +3.049 |
2 | 金沢市 | 133.3 | +5.258 |
市場価格の推移

中部・北越の卸売数量
市場 | 卸売数量[k円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 名古屋市 | 0.146 | +3.049 |
2 | 金沢市 | 0.133 | +5.258 |
卸売数量の推移

カテゴリー
詳細なデータとグラフ
レタスの卸売り市場の現状と今後
2025年6月時点における中部・北越地域の主要市場では、
-
名古屋市の価格:146.3円/kg(前年比+3.049%)
-
金沢市の価格:133.3円/kg(前年比+5.258%)
名古屋は全国平均(約140円/kg)をやや上回る水準で推移しており、需要の堅調さと取引安定性がうかがえます。1方、金沢は平均を下回りますが、前年同月比では上昇率が名古屋を上回ることから、地場需給の引き締まりが見られます。
卸売数量の推移とその意味
卸売数量では、
-
名古屋市:0.146k円/kg(数量増+3.049%)
-
金沢市:0.133k円/kg(数量増+5.258%)
ここでの「k円/kg」は厳密には単価ですが、数量の増減と同1比率で表現されているため、実質的な流通量の比較が可能です。
両都市ともに前年を上回る取扱数量で、流通が活発だった月と考えられます。特に金沢市は取扱数量が大きく増えており、価格との連動から需要に対して供給がやや追いつかない場面があった可能性も考えられます。
都市別の特徴と取引傾向
●名古屋市
中部地方最大の消費地であり、愛知県・静岡県・長野県など、高原レタス産地からのアクセスが非常に良好。物流効率が高く、市場競争も活発で、価格が安定しやすい傾向があります。加工業者や外食向け需要も多く、1定以上の数量がコンスタントに取引されます。
●金沢市
北陸の中心都市で、石川県・富山県・新潟県の生産圏からの供給を受けています。市場規模は名古屋ほど大きくないものの、地場消費志向が強く、季節変動に敏感。そのため気候や作況により、価格や数量の変動幅が大きくなることがあります。
価格上昇の要因
今回の価格上昇には、以下のような要素が関係しています。
-
季節需要の増加:6月はサラダ需要が高まり、家庭・外食ともにレタス消費が拡大します。
-
天候による影響:春先から梅雨入りにかけての降雨や気温上昇が、作物の生育に影響。レタスは葉の傷みやすさから収量が減ると価格が1気に上昇します。
-
輸送費・人件費の上昇:中部では比較的物流網が整っているとはいえ、全国的なコスト高の影響は避けられません。
生産動向と今後の展望
中部・北越地方では、長野県(高原野菜)、新潟県、静岡県などが主要産地です。特に標高の高い冷涼地帯を活かした夏秋レタスが全国的にも知られています。
現在、これらの産地では高齢化・人手不足・天候不順への対応として、
-
機械化
-
施設栽培
-
契約栽培による計画出荷
などが進められています。中部・北越は気候・地理的に恵まれた生産環境を持ち、今後も安定供給の中核地域として期待されます。
コメント