2025年3月時点での中部・北越地方のバス運賃(7km1回)の平均は387.9円。静岡や富士、長野では400円超と高水準で、静岡は前年比+10.81%と急上昇。一方、名古屋は210円と低水準を維持。運賃上昇の背景には燃料費や人件費の高騰、地方の利用者減少などがあり、地域によって都市構造と交通依存度の違いが価格に反映されている。
自動車・交通の都市別小売価格
中部・北越価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 富士 | 長野 | 甲府 | 豊橋 | 富山 | 福井 | 静岡 | 浜松 | 松本 | 岐阜 |
最新値[円] | 387.9 | 490 | 480 | 460 | 450 | 450 | 420 | 410 | 390 | 390 | 350 |
平均比[%] | 100 | 126.3 | 123.8 | 118.6 | 116 | 116 | 108.3 | 105.7 | 100.6 | 100.6 | 90.24 |
前年月同比[%] | 1.685 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10.81 | 0 | 0 | 0 |
中部・北越価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 名古屋 | 新潟 | 長岡 | 金沢 | 岐阜 | 松本 | 浜松 | 静岡 | 福井 | 富山 |
最新値[円] | 387.9 | 210 | 260 | 330 | 340 | 350 | 390 | 390 | 410 | 420 | 450 |
平均比[%] | 100 | 54.14 | 67.03 | 85.08 | 87.66 | 90.24 | 100.6 | 100.6 | 105.7 | 108.3 | 116 |
前年月同比[%] | 1.685 | 0 | 0 | 13.79 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10.81 | 0 | 0 |
これまでのバス代の推移


詳細なデータとグラフ
中部・北越の現状と今後
2025年3月時点での中部・北越地方のバス運賃の平均は387.9円と、全国の地域別平均の中でも比較的高い水準にあります。これは、大都市圏である名古屋を除き、各都市での人口密度や路線運営の採算性、車社会の影響などにより、運賃が高くなりがちな構造にあるためです。
2015年からの10年間を振り返っても、中部・北越の運賃は緩やかに上昇しており、特に直近では複数都市で顕著な値上がりが確認されています。
高額地域の構造と背景
運賃が高い都市には以下が挙げられます:
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富士:490円
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長野:480円
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甲府:460円
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豊橋・富山:各450円
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福井:420円
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静岡:410円(前年比+10.81%)
これらの都市の多くは、中心部と郊外の距離が長く、公共交通機関の依存度が低いため、運行本数が限られ、利用者数が少ない傾向にあります。その結果、事業者側は収支均衡のために高めの単価設定を行う必要があり、これが地域特有の高運賃につながっています。
特に静岡では、運転士不足と燃料費高騰に加え、運行距離の長さが負担増加の要因となっており、10%以上の運賃上昇が見られます。
低額地域とその要因
低額な都市としては以下が代表的です:
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名古屋:210円
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新潟:260円
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長岡:330円(前年比+13.79%)
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金沢:340円
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岐阜:350円
名古屋は大都市特有の定額制運賃の導入と地下鉄など他交通手段との競合により、低価格を維持しています。新潟・金沢・長岡といった地方中核都市も、市の補助や市内利用者の多さから、比較的安価な水準でのサービス提供がなされています。
ただし、長岡のように近年急激な値上げ(前年比+13.79%)が生じている都市もあり、人件費・維持費の圧力に直面していることがうかがえます。
価格上昇の要因分析
中部・北越におけるバス運賃上昇の主な要因は以下の通りです:
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燃料費の高止まり(軽油・ガソリン価格)
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人件費の上昇と運転士不足
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地方部における人口減少と利用者数の減少
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老朽化した車両や施設の更新コスト
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脱炭素化対応によるEV・ハイブリッド車導入費
特に静岡、長岡、富山、長野などの地域では、地理的特性により輸送距離やコストが増大しやすく、事業継続のための値上げが不可避となっている実情があります。
都市別の特徴と今後の展望
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静岡・富士・浜松:人口集中が進む一方、郊外との距離が長くバス路線維持のコストが高い。
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長野・松本:山間部を含む広域移動が必要で、運行効率が上がりにくい。
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富山・福井・金沢:都市内交通の多様化が進みつつあるが、民間依存度が高くコスト増が直撃。
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名古屋・岐阜:鉄道や地下鉄網が発達しており、バスは補完的役割のため低運賃でも収益維持可能。
今後は、地方都市において自治体と民間の連携による運賃補助制度の再設計や、デジタル技術を活用したダイヤ最適化、MaaS連携の推進などが鍵となります。
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