中部・北越地域のガソリン価格は2025年3月時点で平均186.1円と高止まり。静岡や浜松などで顕著な価格上昇が見られ、主に輸送コスト、原油価格、円安、地元需要の回復が要因。都市間で流通条件や地理的要因により価格差が生じている。今後も原油市況や地域経済構造が大きく影響を与える見通し。
自動車・交通の都市別小売価格
中部・北越価格の高い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 長野 | 静岡 | 松本 | 金沢 | 浜松 | 富山 | 富士 | 福井 | 岐阜 | 長岡 |
最新値[円] | 186.1 | 193 | 191 | 191 | 187 | 187 | 187 | 187 | 186 | 185 | 184 |
平均比[%] | 100 | 103.7 | 102.6 | 102.6 | 100.5 | 100.5 | 100.5 | 100.5 | 99.96 | 99.42 | 98.89 |
前年月同比[%] | 5.551 | 3.763 | 9.143 | 4.372 | 3.315 | 6.857 | 5.056 | 5.056 | 5.085 | 3.352 | 6.358 |
中部・北越価格の低い都市
2025年3月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
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名称 | 平均 | 新潟 | 名古屋 | 甲府 | 豊橋 | 長岡 | 岐阜 | 福井 | 富士 | 富山 | 浜松 |
最新値[円] | 186.1 | 181 | 182 | 182 | 182 | 184 | 185 | 186 | 187 | 187 | 187 |
平均比[%] | 100 | 97.27 | 97.81 | 97.81 | 97.81 | 98.89 | 99.42 | 99.96 | 100.5 | 100.5 | 100.5 |
前年月同比[%] | 5.551 | 5.848 | 4.598 | 4.598 | 0 | 6.358 | 3.352 | 5.085 | 5.056 | 5.056 | 6.857 |
これまでのガソリンの推移


詳細なデータとグラフ
中部・北越の現状と今後
中部・北越地方では、2010年以降、世界的な原油価格の変動、日本国内の為替相場、またエネルギー政策の影響などを受けながら、ガソリン価格は上下動を繰り返してきました。特に2014年ごろの円安進行と中東地域の不安定化を背景とする価格高騰、2020年のコロナ禍による急落、そして2022年以降のロシア・ウクライナ情勢による原油高といった要因が、価格に大きな影響を与えました。
2025年3月時点では、中部・北越の平均価格は186.1円で、直近1年間で全体的に上昇傾向にあります。これは、国際原油価格の高止まりと円安基調、さらには製油・流通コストの増加が重なった結果と考えられます。
都市別の価格水準とその特徴
以下は、都市ごとの価格を高い順に並べた一覧と特徴です。
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長野(193円):標高の高い山岳地域であり、輸送コストが他地域より高く、平均を大きく上回る価格水準が続いています。
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静岡・松本(191円):製油所からの距離や地理的条件により高め。静岡は特に観光地需要も影響している可能性があります。
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金沢・浜松・富山・富士(187円):いずれも中間的な流通拠点に位置し、地場需要や郊外化の進行により安定的に高価格帯。
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福井(186円)・岐阜(185円)・長岡(184円):北陸〜中部内陸の地域で、多少の輸送距離と供給拠点からの距離が影響。
一方、低価格帯の都市は以下の通りです:
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新潟(181円):港湾都市として燃料流通網が整備されており、価格は比較的抑えられています。
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名古屋・甲府・豊橋(182円):中京圏の流通ハブとして、競争が激しく価格抑制が働いていると考えられます。
前年比から見る価格上昇の傾向
前年比の価格上昇率に注目すると、特に静岡(9.143%)や浜松(6.857%)、長岡(6.358%)などで高い伸びが見られます。これらの地域では、以下のような要因が重なったと考えられます。
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地方都市での物流費上昇:ドライバー不足、燃料輸送コストの高騰が影響。
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地元の経済活動再開:観光・製造業の回復により、燃料需要が回復。
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円安影響による輸入価格の上昇:原材料費の上昇がそのままガソリン価格に転嫁されています。
一方、価格上昇率が比較的抑えられている都市(例:岐阜、金沢)は、競合が強く、一定の価格競争が働いているとみられます。
中部・北越地域の構造的課題と今後の展望
この地域のガソリン価格における構造的な問題には、以下のような点が挙げられます。
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流通拠点からの距離による地域差:内陸部や山間地域では輸送コストが価格に反映されやすい。
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車依存の生活構造:公共交通が発達していない地域ではガソリン需要が強く、価格が下がりにくい傾向。
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価格転嫁の限界と地元経済への影響:特に地方の家計への影響が深刻で、インフレと購買力のギャップが広がっています。
将来的には、EV(電気自動車)の普及や再生可能エネルギーの転換政策などが進めば、ガソリン需要は緩やかに減少していく可能性もありますが、当面は原油市場や為替レート、国の補助金政策の影響が大きいまま続くと考えられます。
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