中部・北越のガソリン価格は平均183.4円/Lで、松本・長岡など内陸部で高く、金沢など日本海側で安価。価格上昇は平均+3.84%で地域差が大きい。地理的な輸送コストや競争環境、為替・原油価格の影響が価格差の背景にある。
都市別のガソリン1Lの相場価格
都市 | 最新値[円] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
平均 | 172.9 | -2.379 | |
1 | 長野 | 178 | -4.301 |
2 | 松本 | 178 | -3.784 |
3 | 静岡 | 176 | -1.124 |
4 | 浜松 | 175 | -0.568 |
5 | 岐阜 | 175 | -0.568 |
6 | 富山 | 174 | -3.333 |
7 | 富士 | 173 | -1.705 |
8 | 長岡 | 171 | -2.286 |
9 | 金沢 | 171 | -5 |
10 | 福井 | 171 | -4.469 |
11 | 名古屋 | 171 | -1.724 |
12 | 豊橋 | 170 | |
13 | 甲府 | 170 | -3.409 |
14 | 新潟 | 168 | -1.176 |

詳細なデータとグラフ
中部・北越の小売価格の相場と推移
2025年5月時点における中部・北越地域のガソリン平均価格は183.4円/Lで、全国平均(184.1円)よりやや低い水準に位置しています。都市ごとに見ると、松本市(188円)や長岡市(187円)など内陸部で高めとなる1方、金沢市(181円)など日本海側でやや安価という地域性が見られます。
また、前年同月比では平均+3.841%と上昇傾向を示しつつも、都市によって上昇幅に差があることが特徴です。
都市別ガソリン価格の傾向
高価格帯:松本・長岡・長野・富山(186〜188円)
-
松本(188円):長野県内で最も高く、山間部に位置するため輸送コストがかさむ傾向にあります。
-
長岡(187円):北越地方でもガソリン価格は高めで、物流網の制約や地元のスタンド密度の影響が要因と考えられます。
-
長野・富山(186円):いずれも地形的な輸送難と需給バランスが価格を押し上げている可能性が高いです。
中価格帯:静岡・浜松・富士・岐阜・名古屋(183〜185円)
-
静岡・浜松(各185円):東海道沿いで輸送路は整っているものの、生活圏の広さに伴い価格はやや高止まりしています。
-
富士市(184円):工業地帯での需要はある1方で、スタンド競争がやや少ない地域であり価格が安定しにくい傾向。
-
岐阜・名古屋(各183円):都市規模の大きさと競争環境の激しさが価格を全国平均程度に押し下げています。
低価格帯:金沢(181円)
-
金沢は他都市と比較してガソリン価格が低め。北陸地方は卸価格が比較的安定しており、流通も効率的に機能していることが理由の1つと考えられます。
これまでの推移と地域差
2007年以降の長期的推移を見ると、中部・北越地域は全国と同様に以下の変動を経ています。
-
2008年:原油価格高騰による1時的な急上昇
-
2011年:震災後の価格調整期
-
2020年:コロナ禍による原油価格急落と1時的な値下げ
-
2022年以降:国際情勢不安と円安による再上昇
特に山間部や内陸都市では、全国的な価格変動に対してさらに大きく反応する傾向があり、流通距離がコストに直結する構造が背景にあります。
価格変動の背景要因
-
原油価格の国際的な変動 ウクライナ情勢やOPEC政策の影響で原油価格は高止まり傾向。
-
円安の進行 輸入依存の日本では、為替レートがガソリン価格に直結。
-
輸送インフラの地理的差異 内陸部や山間地は配送コストが高くなる傾向。
-
地域内スタンド密度と競争の程度 都市部では価格競争が激しく、やや価格が抑制される。
今後の展望
今後も中部・北越地域では、全国の動きと連動して中長期的には高止まり傾向が継続すると見られます。特に、内陸都市では価格下落の余地が小さく、外的要因に左右されやすい傾向があります。
1方で、EV(電気自動車)普及の進展や、地方自治体による価格補助の有無も、将来的な都市別価格差に影響を与える可能性があります。
コメント