中部・北越のスイカ市場価格動向と地域別特徴、今後の安定成長展望

すいか

中部・北越のすいか市場は金沢市が価格、名古屋市が数量面で健闘。いずれも前年同月比で価格が下落しており、家庭需要の減少や供給の安定化が背景。今後は品質志向と地場産品のブランド化が鍵となる。

すいかの市場価格

2025年6月
降順昇順
市場卸売価格[円/kg]前年同月比[%]
1金沢市264-2.342
2名古屋市251.3-3.827

市場価格の推移

すいかの市場価格

中部・北越の卸売数量

2025年6月
降順昇順
市場卸売数量[k円/kg]前年同月比[%]
1金沢市0.264-2.342
2名古屋市0.251-3.827

卸売数量の推移

すいかの卸売数量

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詳細なデータとグラフ

すいかの卸売り市場の現状と今後

2025年6月現在、中部・北越地方におけるすいかの市場価格は、金沢市が264円/kgで最も高く、名古屋市が251.3円/kgと続いています。前年同月比で見ると、金沢市は-2.342%の下落名古屋市は-3.827%の下落となっており、両都市とも価格が下がっています。卸売数量についても、金沢市が0.264k円/kg、名古屋市が0.251k円/kgと、取扱量は拮抗しています。


価格と数量の推移

2008年以降の推移を見ると、両都市ともすいかの価格は夏季を中心に240~270円/kgで安定的に推移しており、他地域と比べても大きな変動は少ない傾向があります。1方、数量は年ごとに若干の変動があり、2010年代後半には金沢市が名古屋市を上回ることが増えてきました。これは地場消費や地産地消の流れが背景にあると考えられます。


都市別の特徴

  • 金沢市:北陸地域における集中的な青果物流通拠点。地場の石川県産すいかの流通も含まれ、消費者の品質志向が強いことが価格の高さに影響しています。また、観光都市としての需要も背景にあり、贈答用需要が高単価を維持しています。

  • 名古屋市:中京圏全体の青果物を担う広域供給拠点で、岐阜・愛知・3重など近隣県からの供給が多い。量販店向けの取扱いも多く、量は多いが価格はやや落ち着いた水準となる傾向があります。


価格下落の要因

  1. 全国的な供給安定化 熊本や鳥取、山形などの主要産地で豊作だった場合、全国的に供給量が増えて価格が下落する傾向があります。2025年6月もそれに該当する可能性があります。

  2. 家庭での消費減少 近年は家庭でまるごと1玉を買う需要が減っており、カット販売や小玉すいかへのシフトが進行。これが1kgあたり価格の低下にもつながっています。

  3. 卸売市場の競争激化 とくに名古屋市では近隣スーパーとの直接取引が進み、中央市場の価格競争力が下がることも要因の1つと考えられます。


すいか生産の地域的背景と流通

中部・北越では、長野県・新潟県・富山県・石川県南部などが地場のすいか生産地として知られています。ただし流通しているすいかの多くは、熊本県や山形県尾花沢産などのブランド品も含まれ、多産地・多品種の集積市場としての機能を果たしています。特に金沢市では、北陸産の出荷ピークと観光需要の重なりにより、高単価が維持されやすい傾向にあります。


今後の課題と展望

  • 生産者の高齢化担い手不足により、地場産の安定供給には不安も見られます。

  • 1方、カットすいかや糖度保証付きブランドの伸長が見られ、需要の質的転換に対応した流通強化が鍵となります。

  • 冷蔵流通やオンライン販売の充実も、今後の数量確保と価格維持に寄与する可能性があります。

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