中国・四国地方では、高松市や広島市で輸入果実価格が上昇する一方、鳥取市や福山市では安価にとどまるなど、地域ごとに価格差が大きい。観光都市では高価格化が進む一方、地場産が強い地域では安定もしくは微減傾向が続く。今後も地域特性を反映した価格推移が続く見通し。
輸入果実の卸売り市場価格
輸入果実の高い順
高松市 | 宇部市 | 広島市 | 徳島市 | 高知市 | 岡山市 | 松山市 | 松江市 | 福山市 | 鳥取市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2023年12月 | 2025年4月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 |
最大期 | 2024年7月 | 2022年5月 | 2024年10月 | 2022年5月 | 2018年5月 | 2023年6月 | 2023年6月 | 2017年6月 | 2020年5月 | 2016年6月 |
最新値[円/kg] | 396 | 372 | 355.7 | 339 | 315 | 292 | 263 | 246 | 239 | 232 |
最大値[円/kg] | 404.7 | 492 | 383 | 353 | 351 | 346 | 282 | 272 | 303 | 300 |
前月比[%] | +11.24 | -5.823 | +11.15 | +5.938 | +0.639 | -3.311 | -2.23 | -1.205 | -10.49 | -3.333 |
前年同月比[%] | -0.7519 | -6.533 | +3.093 | +15.31 | +1.942 | +3.546 | +14.85 | +4.681 | +9.132 | +12.62 |
輸入果実の推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
輸入果実の価格についての推移と展望
中国・四国地方は全国的に見ると中小都市が多く、果物の消費傾向も地域色が強く出るエリアです。大都市圏に比べて流通量が少ないため、輸入果実の価格は比較的安定しています。ただし、都市によって観光や物流の拠点性に差があり、価格水準に開きがあります。輸入果実は主に柑橘類やバナナ、キウイなどが多く、国産果実と棲み分けが進んでいます。
都市別の果物価格とその変動
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高松市(396円/kg)・広島市(355.7円/kg)・宇部市(372円/kg)四国・中国地方の中でも高値水準。高松市と広島市は観光都市・地方中核都市として百貨店需要もあり、品揃えが豊富で価格が高め。宇部市は仕入れ価格の影響で高値を維持していますが、今月は減少。
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徳島市(339円/kg)・高知市(315円/kg)比較的中価格帯。いずれも地場産柑橘類との競合が強く、輸入果実の価格転嫁が難しい地域ですが、今月は上昇傾向にあります。
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岡山市(292円/kg)・松山市(263円/kg)・松江市(246円/kg)岡山市は交通の要所だが地場の果物が豊富なため輸入果実の需要が限定的。松山や松江も同様に、地元果実中心の消費傾向が価格を抑制しています。
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福山市(239円/kg)・鳥取市(232円/kg)地域全体で最安値帯に位置。福山市の急落(-10.49%)は需給の不均衡や仕入れ調整による可能性があります。鳥取市は長年安定価格を維持。
価格動向の要因と課題
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地場産との競合構造高知・徳島・愛媛といった柑橘王国を擁する地域では、国産品の供給力が非常に高く、輸入果実は補完的役割にとどまるため価格が上がりにくいです。
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物流の効率と地理的制約中国・四国は山間部・離島も多く、輸送効率が悪化しやすい地域です。港湾都市である高松や広島では輸入品の集荷がしやすく、価格に反映されやすい傾向があります。
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購買力と需要構造高所得層が集中する地域ではないため、価格が高騰すると売上に響くリスクが高い。結果として、バランス価格帯での維持が販売戦略の鍵となります。
今後の価格推移と見通し
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港湾都市ではやや高値安定か高松・広島のような輸入拠点を持つ都市では、円安や輸送費上昇の影響を受けやすく、今後も高値圏で推移する可能性があります。
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内陸・農業強地域は価格安定・やや減少傾向鳥取・松江・福山などでは地場産果実の優位が続く見込み。輸入品への依存が少ないため、価格は安定的か微減傾向が予想されます。
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政策支援や市場拡大がカギ地場産と輸入品の価格バランスを取るためには、フェアトレード促進や地域物流改善といった政策介入が将来的には必要になる可能性があります。
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