2025年4月の中国・四国地方のぶどう価格では、広島市が6462円/kgと突出。他の都市は2000円前後で推移し、価格差が顕著です。広島の高騰は一時的で、今後調整が予想されます。鳥取や松江では安定的な上昇、高松や松山は価格低下。地域によって流通・品種構成の違いが価格に強く影響しています。
ぶどうの卸売り市場価格
ぶどうの高い順
広島市 | 徳島市 | 高松市 | 松江市 | 鳥取市 | 宇部市 | 高知市 | 岡山市 | 松山市 | 呉市 | |
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最新 | 2025年4月 | 2023年12月 | 2025年3月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2011年12月 |
最大期 | 2010年3月 | 2021年3月 | 2024年4月 | 2010年3月 | 2020年4月 | 2012年4月 | 2017年4月 | 2014年4月 | 2020年4月 | 2011年4月 |
最新値[円/kg] | 6462 | 2602 | 2330 | 2324 | 2310 | 2308 | 2129 | 1614 | 1575 | 873 |
最大値[円/kg] | 9975 | 11230 | 5832 | 10080 | 5400 | 4620 | 4983 | 7087 | 5076 | 2983 |
前月比[%] | +69.7 | +30.62 | -27.92 | +75 | +83.48 | +19.09 | +9.46 | +3.263 | -17.24 | -2.349 |
前年同月比[%] | +27.18 | +75.1 | +28.19 | +112.9 | +18.97 | +10.83 | -0.3704 | -27.65 | +66.29 |
ぶどうの推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
ぶどうの価格についての推移と展望
2025年4月時点において、中国・四国地方では広島市が6462円/kgと際立って高値を示し、次に徳島市(2602円)、高松市(2330円)、松江市(2324円)などが続いています。一方で、呉市は873円/kgと大きく差があり、地域間で価格格差が極めて大きいという構造が見られます。
全体としては2000円前後が平均的な水準であり、一部の都市(広島)を除けば、比較的安定した価格帯に収まっています。
地域別価格の特色と要因分析
広島市(+69.7%/6462円/kg)
広島市は圧倒的な高価格を示しています。これは、高級品種(シャインマスカット、ピオーネなど)の流通が活発であることに加え、贈答品市場、都市部の消費力が反映されていると考えられます。また、特定時期に高値取引された品種が統計を押し上げている可能性もあります。
徳島市・松江市・鳥取市・宇部市(2300円前後)
これらの都市は地元生産と地元消費がバランスよく存在しており、比較的安定した中価格帯に収まっています。特に鳥取市(+83.48%)や松江市(+75%)は前月比で急騰しており、新物の出荷や市場供給のタイミングが価格を押し上げたと見られます。
高松市・松山市・岡山市
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高松市(-27.92%)、松山市(-17.24%)は価格が前月比で大きく下落。これは、在庫処分や安価な品種の比率増加によると考えられます。
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岡山市(+3.263%)は温暖な気候とぶどう栽培の伝統がある地域ですが、市場価格は比較的安価。これは産地出荷価格ベースの流通が多いためと推察されます。
高知市・呉市
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高知市(2129円)は安定的で、地元中心の供給と需要が価格に反映されています。
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呉市(873円)は際立って低価格。スーパーや小売チェーンによる価格競争、または品質を抑えた廉価品の流通が中心になっている可能性があります。
市場構造の課題と価格形成の要素
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地域ごとの流通構造の違い:都市部ではギフト・贈答向けの高級品が価格を牽引する一方、地方中核都市では道の駅や地元直販を通じた安定価格が維持されやすい。
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需要の偏在性:都市部以外では家庭内消費が主となり、贈答需要や観光需要が小さいため、価格が大きく跳ねにくい。
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品種と出荷時期の影響:一部地域ではシャインマスカットの比率が高まり、単価上昇に寄与しているが、価格統計上は出荷時期による変動も大きい。
今後の推移と予測
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広島市の高騰は一時的な反動も視野:今後は需給バランスが落ち着けば、5000円台程度に調整される可能性があります。
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鳥取・松江などの中価格帯都市はやや高止まり傾向:高品質な地元ぶどうが地産地消や観光土産として評価されており、今後も安定成長が期待されます。
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松山・高松・呉などは安値圏で推移する可能性:生産コストと市場価格の乖離が大きくなれば、生産意欲低下による減産が起こる可能性も。
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四国ではブランディングが鍵:徳島や高知などでは「県産ぶどう」のブランド化と付加価値向上策が今後の価格改善のポイントになるでしょう。
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