中国・四国地方のじゃがいもは2025年6月時点で、広島市175円/kg、高松市146円/kgと前年より大幅に価格が下落。一方で卸売数量は広島市30%、高松市17%増加し供給過多が続く。全国的な豊作と物流効率向上が価格低下の主因で、生産者は付加価値化や需要開拓に取り組む必要がある。
じゃがいもの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 広島市 | 175 | -47.71 |
2 | 高松市 | 146 | -44.34 |
市場価格の推移

中国・四国の卸売数量
市場 | 卸売数量[kt] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 広島市 | 0.429 | +30 |
2 | 高松市 | 0.247 | +17.06 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
じゃがいもの卸売り市場の現状と今後
2025年6月の中国・4国地方のじゃがいも市場価格は、広島市で175円/kg、高松市で146円/kgとなっており、価格は前年同月から大幅に下落しています。具体的には、広島市で約47.7%、高松市で約44.3%の減少です。
1方、卸売数量は増加傾向にあり、広島市は0.429kt(前年比+30%)、高松市は0.247kt(前年比+17.1%)と、ともに前年より大きく伸びています。この価格下落と数量増加の組み合わせが市場全体の特徴となっています。
価格推移の背景と数量の動向
中国・4国地方のじゃがいも価格は、過去十数年間おおむね安定した推移を見せてきましたが、近年は全国的な供給過剰や気候条件の安定による豊作が価格低下の主因となっています。特に2025年は全国的にじゃがいもが豊作となり、地域間の流通も活発化。これにより地域内での供給過多が顕著となり、価格下落圧力が強まりました。
卸売数量は広島・高松ともに前年を上回る伸びを見せており、流通効率の向上や新たな販路開拓が背景にあります。数量増加は市場に新鮮な供給を提供し、消費者ニーズに応えつつも、需給バランスの崩れを価格に反映しています。
都市別の特徴
広島市
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中国・4国地方の中で最大の卸売量を誇る。
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高い市場価格(175円/kg)を維持しているものの、前年比で大幅に価格が低下。
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豊富な流通ルートと消費市場の大きさにより、卸売数量が30%増加。
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地域内生産と他地域からの輸入が活発で、需給の変動に敏感。
高松市
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市場価格は広島市よりやや低めの146円/kg。
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価格下落幅は約44%で広島に次ぐ大きさ。
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卸売数量は前年比約17%増で、流通の安定化や販路の多様化が見られる。
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地元生産者の影響が強い地域で、気候の影響を受けやすい。
価格低下の主な要因
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全国的な豊作 気象条件の安定により全国各地でじゃがいもの収穫量が増加。特に北海道や東北、北陸からの大量出荷が中国・4国地方市場にも影響。
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需要の伸び悩み 家庭消費は横ばい、外食産業の需要も緩やかな回復に留まっているため、供給過多状態が続く。
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物流効率の向上 全国的な流通網の強化により、遠隔地からの供給が容易になり、地域内の価格競争が激化。
生産動向と今後の課題
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中国・4国地方のじゃがいも生産は、広島県を中心に1定の生産基盤があるものの、全国的な大規模生産地には及ばず、流通面での影響が大きい。
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地元産は付加価値の高い品種開発や加工用途への転換が課題。
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価格低下を受けて、生産者の経営安定化や販売戦略の多様化が急務。
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消費拡大のために地域ブランド強化や地産地消の推進が期待される。
今後の展望
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市場価格の下落が続く中、供給過多解消に向けた生産調整や、需要開拓による消費促進策が必要。
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加工品の開発や新たな販路の開拓で市場の多様化を図ることが求められる。
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地域ごとの特性を活かし、品質向上とブランド化を推進することで価格の安定化を目指す。
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