中国・四国の鉄道運賃が高い理由と都市別価格の差とは？

中国・四国地方のJR以外普通運賃平均は428.1円で、高知500円が最高。地方都市は人口減少や運行維持費増で料金が上昇し、広島は前年比52.27%増と急激な値上げを記録。燃料費や人件費も負担増に影響。今後はICT導入や自治体支援の強化が地方交通の課題解決に重要となる。

2025年4月時点での中国・4国地方におけるJR以外普通運賃の小売り価格の平均は428.1円と全国平均より高い水準にあります。地域別では、高知が500円と最も高く、松山470円、松江460円、鳥取430円、高松430円、岡山430円、山口370円、広島335円と続きます。特に高知・松山・松江の運賃が高く設定されている1方、広島は335円と低価格に抑えられているのが特徴です。

都市別の運賃特徴と地域差

• 高知（500円）・松山（470円）・松江（460円）　これらの地域は地方都市であり、人口減少や交通利用者の減少、路線維持コストの増加が価格の高止まり要因となっています。特に高知は地域の公共交通網が限られていることもあり、運賃が最も高い水準となっています。

• 鳥取（430円）・高松（430円）・岡山（430円）　交通需要が比較的安定しているものの、地域交通の維持費や輸送効率の課題に直面。価格はやや高めで、競合交通機関の少なさも価格維持に影響しています。

• 山口（370円）・広島（335円）　山口は中国地方の中でも比較的安価であり、広島は都市圏として公共交通網が充実していることから、最も低価格で利用されています。広島の前年同期からの価格上昇率は+52.27%と非常に高く、今後の動向に注目が集まります。

過去10年の価格動向

2015年以降、全体的に中国・4国地方のJR以外普通運賃は上昇傾向にあります。特に地方都市での人口減少に伴う利用者減少が路線維持を困難にし、運賃上昇の背景となっています。広島の52.27%という急激な上昇は1部路線の再編やサービス改変の影響とみられ、松江の9.524%、高知の4.167%、松山の2.174%の上昇も地方都市の厳しい交通事情を反映しています。

運賃上昇の背景と課題

1. 人口減少・利用者減少の影響　地方都市では利用者減少が運行維持費の増加に直結し、運賃に転嫁されやすい状況。

2. 運行コストの増加　燃料費や人件費の上昇が運賃上昇圧力となり、地方交通事業者の負担増大を招いています。

3. 交通インフラの老朽化と維持負担　インフラの更新・修繕費が増え、補助金に依存せざるを得ない状況が続く地域も多い。

4. 競合交通手段の少なさ　特に地方部では自家用車が主な移動手段であり、公共交通利用の促進が課題。

今後の展望と対応策

• 地域交通の効率化と多様化　小規模・オンデマンド交通の導入やICT技術の活用で利便性を向上。

• 自治体・国の支援強化　補助金制度や政策支援の見直しで地方交通の持続可能性を確保。

• 住民3加型交通運営　地域ニーズに即したサービス設計で利用促進と費用負担の適正化。

• 環境配慮型交通の推進　電動車両導入や脱炭素政策と連携した交通体系整備。

まとめ

中国・4国地方のJR以外普通運賃平均は428.1円で、高知500円が最も高い。地方都市では人口減少と運行コスト増加により運賃が上昇傾向にあり、広島の52.27%増は異例の高さ。今後は効率化やICT活用、自治体支援強化が持続可能な交通維持の鍵となる。