2025年4月の中国・四国の野菜価格は高知市が最高の300円/kg、福山市が最低の220円/kg。価格変動は都市ごとにばらつき、気候・流通・需要が影響。今後は春野菜の出荷拡大で価格が安定する見込みで、地産地消とリスク分散が課題となる。
野菜全体の卸売り市場価格
野菜全体の高い順
高知市 | 高松市 | 広島市 | 宇部市 | 松江市 | 鳥取市 | 岡山市 | 徳島市 | 松山市 | 福山市 | |
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最新 | 2023年12月 | 2025年4月 | 2025年4月 | 2023年12月 | 2021年12月 | 2021年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2023年12月 | 2021年12月 |
最大期 | 2017年12月 | 2025年1月 | 2025年1月 | 2020年8月 | 2020年7月 | 2018年1月 | 2016年10月 | 2020年7月 | 2016年10月 | 2016年10月 |
最新値[円/kg] | 300 | 287 | 268.7 | 261 | 256 | 249 | 240 | 239 | 235 | 220 |
最大値[円/kg] | 344 | 358 | 340 | 346 | 333 | 329 | 312 | 312 | 280 | 300 |
前月比[%] | +8.303 | -8.695 | -13.8 | +5.668 | +6.224 | +15.81 | -4.382 | -0.4167 | +2.174 | +4.762 |
前年同月比[%] | +0.3344 | +0.8185 | -10.04 | +13.97 | +16.89 | +18.01 | +11.11 | +6.696 | +16.92 | +13.99 |

野菜全体の推移

最新の価格データ

その他のデータとグラフ
野菜全体の価格についての推移と展望
中国・四国地方は、温暖な気候と中山間地域が多い地形を背景に、多品種小規模の野菜栽培が展開されています。特に四国(高知・徳島)は施設園芸が発達しており、冬季出荷が強みです。一方、中国地方(鳥取・広島など)は露地栽培中心で季節の影響を受けやすい特性があります。
都市ごとの野菜価格は、流通網・消費規模・生産量とのバランスで形成されており、大都市ほど価格が高い傾向がありますが、産地直送型の地域では安価に抑えられる傾向も見られます。
2025年4月の都市別価格と地域の特性
以下は2025年4月の野菜平均価格(円/kg)です:
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高価格帯 - 高知市:300円(施設野菜の集積地・ブランド化の進展) - 高松市:287円(流通の中継点で消費規模も安定)
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中価格帯 - 広島市:268.7円(地方中核都市・取扱量多い) - 宇部市:261円(地域消費が中心・山口県産に依存) - 松江市:256円(地場供給と需給バランスが取れている)
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低価格帯 - 鳥取市:249円、岡山市:240円、徳島市:239円、松山市:235円、福山市:220円 →これらの都市は、生産地の近郊に位置し、流通コストが低く、地場野菜の価格が抑制される傾向にあります。
直近の価格動向と背景要因
2025年4月は、都市により増減が顕著に分かれました。
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価格上昇が目立つ都市 - 鳥取市(+15.81%)、高知市(+8.303%)、松江市(+6.224%)、宇部市(+5.668%) →春先の端境期、寒波や雨天による一時的な出荷減などが影響と推測されます。鳥取市の上昇は特に顕著で、供給不安があった可能性。
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価格下落の都市 - 広島市(-13.8%)、高松市(-8.695%)、岡山市(-4.382%) →大都市圏での供給過多または物流改善による調整と見られ、前月の高値からの反動とも読み取れます。
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安定または微増地域 - 徳島市(-0.4167%)や松山市(+2.174%)は変動が小さく、安定供給が継続されている印象です。
地域別価格の特色と構造的な課題
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高知市:ブランド野菜と施設園芸の両立 - ナスやピーマンなど施設野菜が多く、年間を通じて安定供給が可能。その分、生産コストも反映され価格は高め。
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広島・高松:物流ハブとしての役割 - 大都市圏で集荷・分配が行われるため、需給変動の影響を受けやすく価格がぶれやすい。
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低価格帯の傾向と課題(徳島・岡山・松山など) - 生産量はあるものの、市場規模が限られ、流通の規模メリットが小さい。さらに、農業従事者の高齢化と労働力不足が進んでおり、将来的な供給不安も懸念されます。
今後の展望と期待される動向
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春から初夏:供給回復で価格は緩やかに安定化へ →露地野菜の出荷本格化により、5月〜6月はやや価格が落ち着く見込み。
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気象リスクと品目偏重への対応が焦点 →四国では夏場の台風、中国地方では高温障害が想定され、リスク分散のための産地間連携や冷涼地からの調整出荷が重要。
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地産地消と直販ルートの拡大が鍵 →価格変動に強い構造を作るには、生産者と消費者の距離を縮める「地域連携型流通モデル」の推進が今後求められます。
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