中国・四国の都市ガス代最新動向|地域差と今後の価格推移を解説

家賃・公共料金
家賃・公共料金



2025年3月時点で中国・四国地方の1カ月あたりの都市ガス代平均は8,726円で、山口が最も高く9,272円、福山が最も低く7,352円と、地域間に大きな差がある。価格差の背景には供給インフラやガス会社の料金設定、寒冷地特有の需要がある。今後はエネルギー価格の安定や再エネ導入が料金低下や地域格差是正に寄与する可能性がある。

小売物価統計

1カ月の都市ガス代の高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 山口 松江 宇部 高知 高松 松山 徳島 今治 鳥取 岡山
最新値[円] 8726 9272 9204 9113 8917 8917 8917 8917 8917 8464 8374
平均比[%] 100 106.3 105.5 104.4 102.2 102.2 102.2 102.2 102.2 97 95.97
前年月同比[%] 1.283 1.333 1.143 1.357 1.215 1.215 1.215 1.215 1.215 1.22 1.356

1カ月の都市ガス代の低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 福山 広島 岡山 鳥取 今治 徳島 松山 高松 高知 宇部
最新値[円] 8726 7352 8349 8374 8464 8917 8917 8917 8917 8917 9113
平均比[%] 100 84.25 95.68 95.97 97 102.2 102.2 102.2 102.2 102.2 104.4
前年月同比[%] 1.283 1.547 1.421 1.356 1.22 1.215 1.215 1.215 1.215 1.215 1.357

 

これまでの都市ガス代の推移

1カ月りの都市ガス代
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

都市ガス代の現状と今後

2025年3月時点における中国・四国地方の都市ガス代の1カ月あたり平均は8,726円。地域別で見ると、山口(9,272円)が最も高く、福山(7,352円)が最も安くなっています。これは最大で1,920円(約26%)もの差があり、全国平均と比較しても地域差が際立つエリアです。

都市 金額 平均比
山口 9,272円 106.3%
松江 9,204円 105.5%
宇部 9,113円 104.4%
高知・高松・松山・徳島・今治 各8,917円 102.2%
鳥取 8,464円 97.0%
岡山 8,374円 95.97%
広島 8,349円 95.68%
福山 7,352円 84.25%

都市ガス代に影響を与える地域的要因

供給インフラの整備状況

中国・四国地方では、地域ごとのガス供給会社が異なり、導管網の整備レベルやLNGの調達方法もばらついています。特に山口や松江は、独自の供給網に依存しており、供給コストが反映されやすくなっています。

地元ガス会社の料金設定の自由度

地方の中小ガス会社は、大手都市圏の企業と違い、自由料金制のもとで価格が上がりやすい傾向があります。需要の少なさや経営規模の小ささが価格上昇を後押ししています。

使用量の季節変動と寒冷地事情

山陰地方は冬季の気温が低く、暖房用ガス使用量が増える傾向にあります。これは年間のガス支出総額にも反映される要素であり、特に松江や鳥取で顕著です。


過去の都市ガス代の動向(2016年~2025年)

2016年から2020年までは比較的安定していた都市ガス料金ですが、2021年以降は燃料価格の高騰、ウクライナ情勢の影響、円安などで急騰しました。2022~2023年はピークに達し、現在はやや落ち着きを見せているものの、コロナ禍以前の水準には戻っていない状況です。

特に四国の各都市では、2022年後半から2023年にかけて全国平均を上回る水準まで料金が上昇。地方都市における調達コストの高さが顕在化しました。


課題と問題点

● 地域間の価格格差

同じ県内でも都市によって1,000円以上の差があるケースがあり、ガス代の「地域不公平感」が消費者の不満を招いています。

● プロパンガスとの競合不在

多くの地方都市ではプロパンガスとの競争原理が働かず、都市ガス会社が価格決定の主導権を持っていることが料金の硬直性を高めています。

● 再エネ化と価格転嫁のバランス

温室効果ガス削減のための取り組みも進んでいますが、そのコストが価格に転嫁されている可能性も指摘されています。


今後の都市ガス代の推移と期待

今後の都市ガス料金の動向は、以下の要因に大きく影響されると考えられます:

原材料価格の動向(LNG・原油)

エネルギー輸入コストが下がれば都市ガス料金も緩やかに低下する見込みです。特にLNG価格が落ち着けば、2026年頃には再び平均8,000円台前半まで下がる可能性があります。

脱炭素政策と再エネ活用

今後、再生可能エネルギーやバイオメタンなどを活用する動きが進めば、ガス供給のコスト構造が変わり、地域間の格差が縮小する可能性もあります。

デジタル化・スマートメーターの普及

家庭での消費管理やガス会社の供給最適化が進むことで、無駄のないエネルギー使用と料金の透明化が期待されます。


まとめ

中国・四国地方の都市ガス料金は、全国平均より高い水準にあり、特に山口・松江・宇部では際立っています。背景には地域ごとの供給体制や競争構造の違いが存在しており、今後の料金安定化には制度的な改革や再エネ導入の加速がカギを握っています。

中長期的には、エネルギー価格の安定と技術革新により、料金水準は緩やかに低下する可能性があるものの、地域差の解消には政策的支援も必要です。

 

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