中国・四国の桃価格動向|高松で高騰、岡山・徳島は価格調整中

果物価格(都市別)



中国・四国の桃価格は、高松市で急騰し3024円/kgを記録。他方、岡山市や徳島市など主要産地では価格下落が見られる。中位価格帯の松江・鳥取などは安定傾向で、地元消費中心の市場構造が堅調。今後は気候や需要変化により価格差がさらに拡大する可能性もある。

桃の卸売り市場価格

桃の高い順

高松市 岡山市 徳島市 高知市 松江市 鳥取市 宇部市 松山市 広島市 福山市
最新 2024年11月 2023年12月 2023年12月 2023年12月 2021年10月 2021年9月 2023年10月 2023年10月 2024年9月 2021年9月
最大期 2018年11月 2013年12月 2020年4月 2020年4月 2020年5月 2020年5月 2023年5月 2021年11月 2019年4月 2017年12月
最新値[円/kg] 3024 2230 1917 1799 1046 862 829 755 684 677
最大値[円/kg] 7020 4078 3035 3420 2184 1572 1539 4104 8424 1728
前月比[%] +328.9 -18.14 -9.575 +130.6 +23.2 +17.28 +17.42 -5.625 -12.61 -4.379
前年同月比[%] +2.907 +47.24 -15.17 -11.13 +82.6 -1.178 -10.47 -9.128

 

桃の推移

桃価格の推移

最新の価格データ

最近の桃価格

 

その他のデータとグラフ

 

桃の価格についての推移と展望

中国・四国地方は、岡山県や山梨県と並び、特に岡山県が「白桃の名産地」として全国的に有名です。中国山地の南斜面や瀬戸内海沿岸は、温暖な気候と日照時間の長さに恵まれ、果実栽培に適しています。近年は、高知県や徳島県でも品種改良が進み、地場消費と観光土産向けに安定した市場が形成されています。


都市別の価格状況とその特徴(2024年11月時点)

現在の桃の価格は、都市ごとに大きな差があります。

  • 高松市(3024円/kg):突出した高値で、前月・前年比で+328.9%の急騰。高級贈答用や希少品種の影響が大きい。

  • 岡山市(2230円/kg)・徳島市(1917円/kg)・高知市(1799円/kg):やや高めの価格帯。贈答・観光需要が反映。

  • 松江市(1046円/kg)・鳥取市(862円/kg)・宇部市(829円/kg):中位価格帯。地場消費とスーパー販路中心。

  • 松山市(755円/kg)・広島市(684円/kg)・福山市(677円/kg):比較的低価格で、日常消費向け需要が中心。

都市によって、贈答品としての価値や観光客への販売重視か、日常利用かで価格構造が大きく異なっています。


価格変動の背景と地域的な要因

価格変動の傾向を見ると:

  • 高松市・高知市の大幅上昇は、一部プレミアム品種の流通や流通量の減少、出荷時期のずれなどによる一時的な高値形成が主因と考えられます。

  • 一方、岡山市・徳島市・広島市などでは下落しており、供給過多や需要鈍化、価格調整局面が読み取れます。

  • 松江・鳥取・宇部などの緩やかな上昇は、堅調な家庭用需要と地元流通の安定感を示唆しています。


地域別の価格傾向と消費構造の違い

  • 高松市・高知市:観光需要と百貨店ルートが強く、高価格で推移する傾向。香川・高知は特産品に対する付加価値意識も高い。

  • 岡山市・徳島市:岡山は高級桃の産地である一方、供給量が多く価格調整圧力を受けやすい

  • 松江・鳥取・宇部:地元消費中心で、価格は中庸で安定傾向

  • 広島・福山・松山:人口規模は大きいが、桃の主産地ではなく、外部からの流通品が多いため価格は控えめ


今後の市場推移と注目される課題

  1. 高価格地域の反動安に注意 高松市・高知市などは、現在の価格高騰が一時的と見られ、来月以降の価格下落が懸念されます

  2. 岡山県産ブランド力の再評価 近年の物価高・贈答需要減退により、白桃などの高級品に価格圧力がかかっており、ブランド維持が課題です。

  3. 中価格帯の安定と地元流通の強化 松江・鳥取・宇部などは、家庭消費向けを中心に今後も価格安定が期待されます。地産地消が堅調。

  4. 気候変動と作柄への影響 中国山地・四国山地での異常気象が近年頻発し、収穫量の変動による価格の不安定化リスクも懸念されています。

 

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