【2025年版】中国・四国のバス運賃動向|都市別比較と値上げの背景

バス代



2025年3月時点で中国・四国地方のバス運賃平均は382.5円。松山・高松・高知などで高騰が顕著で、高知・徳島は前年比20%以上の急騰。背景には燃料費や人件費の上昇、人口減による収益悪化、行政支援の減少がある。今後はMaaSや自治体支援が重要になる。

自動車・交通の都市別小売価格

中国・四国価格の高い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 松山 高松 高知 徳島 今治 岡山 鳥取 福山 山口 宇部
最新値[円] 382.5 620 500 450 380 380 360 350 350 350 340
平均比[%] 100 162.1 130.7 117.6 99.35 99.35 94.12 91.5 91.5 91.5 88.89
前年月同比[%] 4.556 5.085 0 21.62 22.58 0 0 0 0 0 0

中国・四国価格の低い都市

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
名称 平均 広島 松江 宇部 山口 福山 鳥取 岡山 今治 徳島 高知
最新値[円] 382.5 240 270 340 350 350 350 360 380 380 450
平均比[%] 100 62.75 70.59 88.89 91.5 91.5 91.5 94.12 99.35 99.35 117.6
前年月同比[%] 4.556 9.091 0 0 0 0 0 0 0 22.58 21.62

 

これまでのバス代の推移

中国・四国の小売り価格
最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

中国・四国の現状と今後

2025年3月現在、中国・四国地方のバス運賃の平均は382.5円で、全国平均(約330円前後)を上回る水準です。2015年以降、緩やかな上昇が見られましたが、2023年以降は一部地域で急激な値上げが観測されています。

この背景には、燃料費や人件費の上昇、バス運転士不足、過疎地域の維持困難な路線の減便・撤退といった、全国共通の交通課題が強く影響しています。


高額運賃地域の特徴と背景

以下の都市が高額地域に該当します:

  • 松山:620円(前年比+5.085%)

  • 高松:500円

  • 高知:450円(+21.62%)

  • 徳島:380円(+22.58%)

  • 今治:380円

とりわけ松山の620円は全国的にも突出した高水準であり、公共交通の依存度が高い割に、利用者が限定的であること、広範囲な路線網の維持コストの高さなどが要因です。

また、四国4県(香川・徳島・高知・愛媛)はいずれも地方部での人口減少が進み、収益の悪化を補うための値上げが各地で行われてきました。

高知・徳島の前年比20%超の急騰は、燃料価格上昇とともに、国や自治体からの補助金削減や路線再編が要因と考えられます。


低額地域の特徴と価格維持の理由

一方で、運賃が安価な都市には以下が挙げられます:

  • 広島:240円(+9.091%)

  • 松江:270円

  • 宇部:340円

  • 山口・福山・鳥取:各350円

広島は大都市圏に分類され、市内に路面電車やJRなど複数の公共交通機関があり、競争があることでバスの運賃が抑制されています。加えて、行政の交通政策支援や再開発エリアへの路線集中も影響しています。

山陰地方(鳥取・松江など)では、公共交通が生活の足としての性格を強く持ちますが、運賃が比較的抑えられている背景には、地域密着型の中小事業者による運行や地方自治体の助成金が影響しています。


近年の運賃上昇の要因

中国・四国地域のバス運賃上昇には、以下の要因が複合的に作用しています:

  1. 燃料費(軽油)の高騰 → 地方都市ほど代替交通手段が少なく、燃料コストの影響を受けやすい。

  2. 深刻な人手不足 → 運転士確保のための待遇改善がコスト上昇に直結。

  3. 利用者減による採算悪化 → 高齢化や人口減少により、赤字路線の比率が増加。

  4. 行政支援の減少 → 特に国の地方交付税や補助金が縮小傾向にあり、自主運営に課題。


今後の展望と政策的課題

今後の中国・四国におけるバス運賃は、以下のような展開が見込まれます:

  • 都市間格差の拡大:松山や高松など一部都市での高額化が継続。

  • MaaS導入と再編成:各地でオンデマンド交通やデマンドバスが試行。

  • 自治体の支援策強化:交通空白地帯の発生を防ぐため、今後は再び公的支援が必要となる。

  • 環境対応車両(EV・水素バス)の導入支援:新たな車両導入コストが運賃に影響を与える懸念。

バスは生活の基盤であり、地域経済や医療アクセスの観点からも「高すぎて乗れない」状態を避けることが、今後の持続可能な交通政策の鍵です。

 

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