中国・四国地方のすいか市場では、2025年6月時点で広島市が264.3円/kgとやや高値ながら前年より下落。一方、高松市は微増傾向。取扱数量は両都市とも縮小傾向にあり、消費減と市場競争が影響。今後はブランド化や小玉品種の普及が課題。
すいかの市場価格
市場 | 卸売価格[円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 広島市 | 264.3 | -3.059 |
2 | 高松市 | 255.3 | +1.454 |
市場価格の推移

中国・四国の卸売数量
市場 | 卸売数量[k円/kg] | 前年同月比[%] | |
---|---|---|---|
1 | 広島市 | 0.264 | -3.059 |
2 | 高松市 | 0.255 | +1.454 |
卸売数量の推移

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詳細なデータとグラフ
すいかの卸売り市場の現状と今後
2025年6月のデータによると、中国・4国地方のすいか市場において、
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広島市の市場価格は 264.3円/kg(前年同月比 -3.059%)
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高松市の市場価格は 255.3円/kg(同 +1.454%)
と、両都市で価格差は小さいものの傾向は対照的です。卸売数量は、
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広島市:0.264k円/kg
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高松市:0.255k円/kg
となっており、広島がわずかに多い取扱量を示しています。両都市の価格と数量はほぼ拮抗していますが、広島がやや減少傾向にあり、高松が微増している点が注目されます。
価格と数量の長期的な推移
2008年以降、中国・4国地方ではすいか価格は260円前後で比較的安定しています。広島市は、2015年ごろまでは270円台を超えることもありましたが、近年は供給量の多さや市場の競争激化により価格は下落傾向です。1方、高松市はこれまで価格がやや安定しており、地方都市でありながら消費層の安定を示しています。数量においても、両都市ともに近年は減少傾向にあり、生産・流通ともに縮小傾向が見られます。
都市別の特徴
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広島市 中国地方の中心的流通拠点として、量販店や業務用需要も多く、比較的高価格帯を維持。ただし2025年6月時点では需要の鈍化か、供給過多により価格下落を示しています。
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高松市 4国全体の果物流通の拠点でありながら、都市の規模に比して果物の消費意欲が強く、価格が上昇傾向に転じています。地元産のすいかが1定の支持を得ていると推測されます。
価格変動の背景と要因
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供給過多と需要減退 特に広島では流通量が多く、供給に対し需要が追い付かず価格が下がる傾向が見られます。
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カットフルーツの台頭 丸ごと購入を避ける傾向が顕著になっており、大型のすいかは敬遠される傾向があります。
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地方産地との競合 鳥取、島根、高知などの産地からの流入もあり、価格競争が生じている可能性があります。
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気候条件の影響 近年の夏の高温化は品質に影響を与える1方、生育が良好すぎて出荷量が増え、価格が下がる要因にもなっています。
すいか生産と市場流通の動向
中国・4国地方では、鳥取県の「大栄すいか」や愛媛・高知県のブランドすいかが知られており、これらが広島・高松市場に多く流入しています。地元の小規模農家の出荷もある1方で、ブランド品の高価格維持と廉価品の価格下落という「2極化」が進んでいる点が注目されます。
今後の展望と課題
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高付加価値商品の展開(糖度保証、ブランド化、ギフト用途など)によって価格維持が期待されます。
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1方、すいかの重量や保存性が若年層に敬遠されやすく、カットすいかや小玉品種の需要拡大が今後の鍵になります。
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生産者の高齢化と耕作放棄地の拡大は、地域農業の構造転換を迫る要因でもあります。
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