中古車支出の世帯別傾向:大家族・多就業者で増加する月間出費とは?

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2025年3月時点での日本の世帯別中古車月間支出は平均5558円。支出が高いのは「世帯6人以上」や「就業者3人以上」の家庭で、それぞれ前年比+56.72%、+21.89%と大幅な増加。家族数や就業人数の多い世帯ほど自動車台数も多く、通勤・通学・生活用として中古車を選ぶ傾向が強い。一方で就業者0〜2人や少人数世帯では支出が減少。今後は物価高と環境変化により、車を「持つ」ことよりも「使う」ことへ意識が移り、中古車市場の二極化が進む可能性がある。

世帯別の中古車

1世帯当りの月間支出

2025年3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9
名称 平均 世帯6人~ 就業者3人~ 世帯5人 世帯4人 世帯3人 就業者2人 世帯2人 就業者1人 就業者0人
最新値[円] 5558 12960 10120 8582 5362 4692 4573 2107 2057 1180
前年月同比[%] +0.82 +56.72 +21.89 +72.64 -23.03 -16.32 -26.7 -45.37 -47.5 -39.46

 

これまでの世帯別の推移

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最新のデータ

 

詳細なデータとグラフ

 

世帯別の現状と今後

日本の世帯支出における中古車関連費用は、近年の物価上昇や新車価格の高騰を背景に注目を集めています。特に中古車は、生活必需品としての「実用性」と「価格抑制」を兼ね備え、複数人世帯や多就業者世帯で需要が拡大しています。


世帯規模別:人数が多い世帯ほど支出が高い傾向

最新データによると、最も中古車支出が高いのは「世帯6人以上」(12960円)で、前年同期比+56.72%。これは、家族の人数が多くなることで必要な移動手段も増え、複数台の所有や利用が必要となるためです。また「世帯5人」も8582円と高く、+72.64%の急増を示しています。

特徴:

  • 子育て世帯や3世代同居世帯が多く、自家用車の保有率が高い

  • 学校や職場、買い物など、同時に複数人が移動する場面が多い

  • 新車を複数台購入するのは難しく、中古車を選択する傾向がある


就業者数別:就業者が多い世帯ほど支出が上昇

「就業者3人以上」の世帯は10120円で前年比+21.89%の増加。「就業者2人」は4573円、「就業者1人」は2057円と支出が減少傾向にあります。これは、複数の働き手がそれぞれ移動手段を必要とするため、家計の中で車の優先順位が高くなるからです。

問題点:

  • 家計負担の上昇:ガソリン代や保険料、整備費などが支出を圧迫

  • 減価償却リスク:中古車の耐久性にばらつきがあるため、買い替え頻度が高くなる可能性


少人数・非就業世帯の支出減少と背景

「就業者0人」(1180円)や「世帯2人」(2107円)は大きく支出が減少しており、それぞれ前年比-39.46%、-45.37%という数値です。移動手段としての車の必要性が低く、維持費負担が敬遠されるケースが多いです。

背景要因:

  • 都市部の高齢世帯では公共交通の利用が可能

  • 収入減少による消費抑制

  • カーシェアリングやレンタカー利用への移行


今後の動向と中古車市場の二極化

今後は「中古車を必要とする世帯」と「所有を避ける世帯」に分かれ、二極化が進行する見込みです。多人数・多就業世帯では物価高に対応しながらも中古車需要が継続し、一方で単身・高齢・非就業世帯では支出抑制と所有放棄の傾向が強まります。

将来予測:

  • 環境対応車(HV・EV)の中古市場拡大

  • 自動車ローンの利用拡大とリース形態の一般化

  • 地方では引き続き「生活の足」としての需要が高水準維持


まとめ

中古車支出の傾向は、単に家計の問題にとどまらず、ライフスタイルや地域性、就業状況を映し出す鏡でもあります。今後の政策や交通インフラの変化が、支出構造にさらに大きな影響を及ぼすでしょう。消費者は「所有する車」から「使う車」への価値転換を求められていく中で、中古車の位置づけもより多様化していくと考えられます。

 

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