2023年の世界の野菜生産量は1187Mtに達し、中国が52%を占めて圧倒的。アメリカやトルコ、ベトナムなども安定成長を続ける一方、インドやエジプトは課題を抱えています。気候変動や水不足、インフラ未整備などの問題が今後の成長に影響を与えるとされ、技術革新と持続可能な農業体制の構築が急務です。
生産量のデータとグラフ
野菜生産量の最大と最新
世界 | 中国 | インド | アメリカ | トルコ | ベトナム | エジプト | ナイジェリア | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 |
最大期 | 2023年 | 2023年 | 2022年 | 2004年 | 2023年 | 2023年 | 2009年 | 2023年 |
最新値[Mt] | 1187 | 621.4 | 145.1 | 31.47 | 27.24 | 18.26 | 17.3 | 16.48 |
最大値[Mt] | 1187 | 621.4 | 145.1 | 37.76 | 27.24 | 18.26 | 18.78 | 16.48 |
前年比[%] | 1.315 | 1.368 | -0.005823 | 6.985 | 2.366 | 2.694 | -1.966 | 1.862 |
全体比[%] | 100 | 52.36 | 12.23 | 2.652 | 2.295 | 1.538 | 1.458 | 1.389 |
これまでの推移


詳細なデータとグラフ
野菜生産量についての推移と展望
1961年から2023年にかけて、世界の野菜生産量は約4倍以上に拡大し、2023年には1187Mt(メガトン)に達しました。都市化や所得向上によって消費者の食生活が多様化し、健康志向の高まりとともに野菜の需要も増加してきました。また、ビニールハウスや水耕栽培などの施設栽培技術の進展が生産性を押し上げた要因とされています。
主要生産国の特徴と比較
中国(621.4Mt、世界の52.36%)
圧倒的な規模で世界の野菜供給を主導。多様な気候帯を活かした通年生産と、地方農村における野菜栽培の伝統が支えとなっています。前年比は+1.368%と安定成長を維持。
インド(145.1Mt、12.23%)
中国に次ぐ生産国ですが、前年比はほぼ横ばい(-0.0058%)。気候変動の影響や農業インフラの課題、作物の保存・流通の脆弱性が伸び悩みの原因です。
アメリカ(31.47Mt、2.652%)
商業的・大規模機械化農業が特徴。前年比+6.985%と回復基調で、カリフォルニア州を中心とする高効率生産体制が効果を発揮しています。
トルコ(27.24Mt、2.295%)
地中海気候を活かした多品目栽培が強み。+2.366%の成長で、ヨーロッパ向け輸出の拡大が支え。
ベトナム(18.26Mt)、エジプト(17.3Mt)、ナイジェリア(16.48Mt)
新興国の中でも比較的生産規模の大きい国々。ベトナムとナイジェリアは増加傾向(+2.694%、+1.862%)ですが、エジプトは-1.966%と減少。水資源不足と高温の影響が懸念されます。
世界の野菜生産を取り巻く課題
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気候変動の影響:干ばつ、洪水、高温などの気象異常は生育に深刻な影響を与えます。露地栽培の国では影響が顕著。
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フードロス:収穫後の保存・流通インフラの未整備により、特にインドやアフリカ諸国では大量廃棄が課題。
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水資源と環境負荷:野菜栽培は比較的水を多く消費し、乾燥地帯では持続可能性への懸念が高まっています。
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農業従事者の高齢化と後継者不足:とくに日中韓などでは深刻で、若年層の参入促進が急務。
今後の展望と予測
成熟国(中国・アメリカ・トルコ)
生産量自体は今後も安定、もしくは緩やかな増加が見込まれます。効率化と付加価値(オーガニック・機能性野菜など)にシフトする可能性が高いです。
成長国(インド・ベトナム・ナイジェリア)
農業インフラ整備や市場の開放が進めば、大幅な生産拡大が見込めます。特にインドは冷蔵・物流網の発展がカギ。
リスク要因
将来的に気象リスク、水不足、病害虫の拡大が野菜生産の安定性を脅かす可能性があります。また、農薬使用への規制強化や環境負荷低減も国際的課題として浮上するでしょう。
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