世界の玉ねぎ生産の現状と今後:インドと中国の動向に注目

生産量

2023年の世界の玉ねぎ生産量は約111.3Mtで前年比-0.2%と横ばい。最大生産国のインドは減少したものの、中国やトルコ、イランでは増加傾向が見られる。気候変動や病害虫、水資源不足が課題だが、技術革新や灌漑整備で今後の生産安定化と増加が期待される。

玉ねぎの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界111.3100-0.206
1インド30.2127.15-4.668
2中国24.9222.39+0.721
3エジプト3.8043.419+2.357
4アメリカ3.3152.98+4.312
5トルコ2.62.337+10.64
6バングラデシュ2.5472.289+1.189
7イラン2.11.887+9.061
8インドネシア1.9851.784+0.145
9パキスタン1.8431.657-10.61
10アルジェリア1.8131.63+3.046
11メキシコ1.8011.619+17.84
12ロシア1.7141.54+7.179
13ナイジェリア1.6921.521+5.814
14ブラジル1.641.474-1.347
15スーダン1.6271.463-0.626
16ニジェール1.6221.458+7.335
17オランダ1.6051.443+7.284
18ウズベキスタン1.3191.185+8.579
19スペイン1.2051.083-2.456
20日本1.2041.082-1.223
21韓国1.1731.054-1.9
22ミャンマー1.050.944+0.923
23ウクライナ0.8890.799+9.787
24カザフスタン0.8130.73+1.257
25ドイツ0.760.683+18.98
26フランス0.7420.667-5.055
27アルゼンチン0.6880.618+3.327
28南アフリカ0.6620.595-2.464
29タジキスタン0.6490.583+1.354
30コロンビア0.6470.582+1.825
31ポーランド0.6350.571-2.427
32モロッコ0.6210.558-22.57
33アフガニスタン0.5860.527+8.318
34ペルー0.5370.483+4.246
35セネガル0.4210.379+0.349
36チリ0.410.368-1.311
37イタリア0.380.342-5.4
38カメルーン0.3620.325-6.035
39ベトナム0.360.324-0.359
40ジンバブエ0.3570.321+22.85
41ウガンダ0.330.297-0.424
42アゼルバイジャン0.310.279+12.74
43タンザニア0.3040.273-33.11
44エチオピア0.3030.272+10.68
45サウジアラビア0.2990.268-3.684
46イギリス0.2930.263
47カナダ0.2770.249-3.803
48オーストラリア0.2550.229-16.34
49モザンビーク0.2540.229-37.94
50フィリピン0.2520.227+4.752
51ベラルーシ0.2390.215+0.961
52イエメン0.2320.208-4.473
53キルギスタン0.2160.194+2.76
54グアテマラ0.190.171-2.514
55リビア0.1890.17-1.111
56チュニジア0.1890.17-0.77
57ベネズエラ0.1870.168-1.188
58ベルギー0.1720.155+3.377
59マラウイ0.1710.154+0.0448
60ケニア0.1630.147+2.967
61オーストリア0.160.143-8.73
62ガーナ0.1460.132-0.163
63ボリビア0.1450.13+3.443
64ルーマニア0.1430.128-1.863
65ヨルダン0.1390.125+28.02
66アルバニア0.1170.105+7.526
67ギリシャ0.1090.098-5.674
68ドミニカ共和国0.1050.0947+41.83
69シリア0.09920.0891+58.33
70ベナン0.09490.0853+2.338
71トルクメニスタン0.08950.0804-0.0583
72北朝鮮0.08640.0776+0.0957
73イスラエル0.08410.0756-2.829
74マリ0.0810.0728+0.408
75レバノン0.07250.0651-19.09
76スウェーデン0.07150.0643+3.413
77モルドバ0.06660.0599+24.84
78キューバ0.06310.0567+6.269
79北マケドニア0.0610.0548-7.874
80チェコ0.05850.0526+33
81ハンガリー0.05820.0523+13.25
82デンマーク0.05720.0514+5.208
83ポルトガル0.05690.0512-5.917
84コンゴ民主共和国0.05620.0505-0.0143
85スリランカ0.05440.0489-19.08
86コスタリカ0.04680.042+3.078
87ザンビア0.0410.0368+0.481
88ブルガリア0.0390.035+41.88
89スイス0.03870.0348-18.07
90アルメニア0.03810.0342+9.838
91タイ0.03630.0326-0.187
92ボスニア・ヘルツェゴビナ0.03530.0317+36.64
93ルワンダ0.03530.0317-14.83
94スロバキア0.03390.0305-4.823
95フィンランド0.03170.0285+4.655
96ウルグアイ0.03160.0284+0.557
97パラグアイ0.03130.0282-0.101
98パレスチナ0.0290.026-0.715
99セルビア0.02790.0251-20.38
100イラク0.02740.0246-63.75
101ニカラグア0.02640.0237+13.51
102ナミビア0.02630.0236-0.317
103リトアニア0.02540.0228-4.011
104モンゴル0.0250.0225+44.54
105パナマ0.02420.0218-4.313
106チャド0.02210.0199-0.237
107オマーン0.01720.0155+15.68
108クロアチア0.01610.0145+28.93
109クウェート0.01570.0141+76.55
110ホンジュラス0.01560.014-0.251
111ガイアナ0.01540.0138+2.138
112マダガスカル0.01080.00973-0.123
113エクアドル0.01020.00918-41.8
114スロベニア0.009490.00853+13.52
115ハイチ0.008760.00787+0.106
116モーリシャス0.008440.00759-8.208
117アイルランド0.00820.00737-24.77
118ラトビア0.007910.00711
119マルタ0.007460.0067+2.192
120ジョージア0.0070.00629+27.27
121ボツワナ0.00670.00602+47.27
122ジャマイカ0.006090.00547+86.86
123ソマリア0.005690.00511+0.67
124キプロス0.004380.00394+6.311
125カーボベルデ0.002710.00244-27.8
126カタール0.002560.0023+22.76
127エルサルバドル0.001690.00152+11.64
128ルクセンブルク0.00140.00126+20.69
129バーレーン0.001120.00101
130バルバドス0.001040.000933-30.17
131モンテネグロ0.001010.000905-0.741
132バハマ0.0008320.000748+0.102
133コンゴ0.0006270.000564+0.408
134サントメ・プリンシペ0.0003630.000326+0.0911
135エストニア0.000230.000207+91.67
136ブータン0.0001840.000166-30.37
137セントクリストファーネイビス4.2E-53.77E-5-9.677
138モルディブ3.95E-53.55E-5-1.47
139アンティグアバーブーダ6.23E-65.6E-6-22.8
玉ねぎの生産量
玉ねぎの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

玉ねぎの現状と今後

2023年の世界全体の玉ねぎ生産量は約111.3百万トン(Mt)で、前年と比較してほぼ横ばいの-0.2%減少となりました。長期的には食文化の多様化や加工食品需要の増加により生産量は増加傾向ですが、気候変動や病害虫の影響により年ごとの変動が見られます。


主要生産国の特徴と動向

インド(30.21Mt / 世界比約27.15% / -4.67%)

世界最大の生産国で、南アジアの食卓に欠かせない重要作物です。2023年は減産となりましたが、依然として安定した生産基盤があります。気候変動や水資源不足、病害虫の影響が課題となっています。


中国(24.92Mt / 22.39% / +0.72%)

世界第2位の生産国で、多様な気候を活かし北から南まで幅広く栽培。近年は機械化と品種改良が進み、微増ながら生産量を維持しています。


エジプト(3.80Mt / 3.42% / +2.36%)

北アフリカの主要な生産国。灌漑農業の発展により生産性が向上し、輸出も増加傾向にあります。


アメリカ(3.31Mt / 2.98% / +4.31%)

カリフォルニアなど限られた地域での大規模生産。高品質市場向けの栽培が多く、増産傾向が続いています。


トルコ(2.60Mt / 2.34% / +10.64%)

近年著しい増加を見せる地域。多様な気候帯で栽培が可能で、輸出向け生産も活発です。


バングラデシュ(2.55Mt / 2.29% / +1.19%)

国内消費を主とする生産で、少量多品種生産が特徴。気候変動の影響を受けやすいものの、農技術の普及で生産性が改善しています。


イラン(2.10Mt / 1.89% / +9.06%)

灌漑技術の向上や新品種の導入で生産が増加。主に国内市場向けで安定した需要があります。


その他主要国(インドネシア1.99Mt、パキスタン1.84Mt、アルジェリア1.81Mt)

インドネシアは横ばい、パキスタンは減少(-10.61%)傾向。アルジェリアは増加(+3.05%)しており、地域ごとの生産状況にばらつきが見られます。


玉ねぎ生産における課題

  • 気候変動:異常気象や旱魃、洪水の影響で生産安定性に影響が出やすい。

  • 病害虫被害:特に球根病やネギアザミウマなど、管理難易度の高い病害虫が多い。

  • 水資源問題:乾燥地域での灌漑設備不足や地下水過剰汲み上げが深刻。

  • 労働力不足:収穫時期の人手不足や賃金上昇がコスト増を招く。


将来展望と予測

世界の玉ねぎ生産は、人口増加や食文化の多様化に伴い、長期的には緩やかな増加傾向が期待されます。特にインドや中国では生産の安定化と技術革新が進む1方、中東やアフリカ地域では灌漑技術や新品種導入により生産性向上が見込まれます。気候変動への対応や持続可能な農業技術の普及が成長の鍵となるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました