世界の卵生産の動向と国別の特徴|中国・インドの成長と今後の展望

生産量

2023年の世界の卵生産量は91.13Mtで前年比2.26%増加。中国やインド、インドネシアが生産拡大の主力で、日本は減少傾向にある。技術革新や動物福祉対応が進む一方、環境負荷や労働力不足など課題も存在。今後は持続可能な生産と多様化する消費ニーズへの対応が鍵となる。

卵の生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界91.13100+2.259
1中国30.9934.01+2.783
2インド7.8538.618+3.176
3アメリカ6.5297.165+0.00985
4インドネシア6.5067.14+9.505
5ブラジル3.4173.749+2.945
6メキシコ3.1723.481+2.253
7ロシア2.5912.843+1.201
8日本2.4382.675-6.121
9トルコ1.291.415+4.186
10パキスタン1.1191.228+5.806
11コロンビア1.0121.11+3.78
12マレーシア0.981.076+16.22
13アルゼンチン0.9771.072+1.454
14ドイツ0.9771.072-1.064
15スペイン0.880.966+2.188
16イタリア0.7980.876+1.013
17韓国0.7830.859+4.34
18イラン0.780.856-2.774
19イギリス0.7330.805+3.968
20フィリピン0.7310.803+3.227
21タイ0.7230.793+1.482
22ナイジェリア0.6690.734+1.108
23ウクライナ0.6510.714-4.55
24カナダ0.6360.698+2.017
25エジプト0.5630.618-8.032
26バングラデシュ0.5390.592+7.885
27ペルー0.5030.552-1.543
28南アフリカ0.480.527-14.59
29ウズベキスタン0.4730.519+4.374
30ベトナム0.4720.518+1.848
31モロッコ0.3720.408-4.762
32サウジアラビア0.3610.397-3.627
33アルジェリア0.3090.339-1.086
34ドミニカ共和国0.2540.279+6.201
35グアテマラ0.250.274-2.514
36タンザニア0.2480.272+10.45
37オーストラリア0.2450.269+8.621
38チリ0.2260.248-0.835
39カザフスタン0.220.242-2.217
40ベネズエラ0.1940.213+9.208
41ベラルーシ0.1930.211-0.679
42イスラエル0.1790.197+4.46
43エクアドル0.1690.186-1.27
44ポルトガル0.1520.167+1.807
45アンゴラ0.1460.161+2.541
46オーストリア0.1410.154-1.596
47アゼルバイジャン0.1310.144+8.425
48北朝鮮0.1270.139+1.094
49パラグアイ0.1190.131-0.94
50スウェーデン0.1150.126-14.81
51ボリビア0.1130.124+3.96
52ミャンマー0.1110.122
53チュニジア0.09970.109+2.186
54キューバ0.09920.109-4.375
55シリア0.09740.107+8.923
56ケニア0.0910.0999+24.65
57カメルーン0.09070.0996+2.746
58スリランカ0.08980.0986-13.24
59トルクメニスタン0.08730.0958+3.548
60デンマーク0.0840.0922-4.545
61コスタリカ0.07980.0876-2.003
62クウェート0.07830.0859+1.733
63ネパール0.07740.0849+18.43
64セルビア0.07590.0833-7.008
65フィンランド0.07520.0825-1.48
66イエメン0.07510.0825+1.609
67リビア0.07440.0817+2.989
68ノルウェー0.07330.0804-0.979
69スーダン0.07250.0795+0.853
70ヨルダン0.06990.0767-15.55
71コートジボワール0.06890.0756-9.64
72ブルキナファソ0.06810.0747-0.325
73スイス0.06780.0744-3.956
74タジキスタン0.06670.0732+15.07
75ザンビア0.06630.0728
76セネガル0.06420.0705-6.785
77ニュージーランド0.06240.0685-0.337
78エルサルバドル0.06090.0668-0.935
79アラブ首長国連邦0.05740.063-1.851
80ウルグアイ0.05640.0619-2.823
81レバノン0.05350.0587+11.45
82イラク0.05280.058-1.306
83ホンジュラス0.05160.0566
84ガーナ0.05050.0554+0.0657
85エチオピア0.04890.0537-4.912
86ウガンダ0.04480.0492-0.11
87ジョージア0.04280.047-0.229
88アルバニア0.04260.0467-13
89シンガポール0.04110.0451+12.47
90アルメニア0.04030.0442-2.182
91ニカラグア0.03870.0424+1.487
92キルギスタン0.03770.0414+12.81
93パナマ0.03360.0369+2.789
94モルドバ0.03340.0366-0.961
95オマーン0.03230.0355+3.158
96ジンバブエ0.03230.0354+2.58
97ギニア0.02990.0328-1.786
98メラネシア0.02720.0299+61.78
99マリ0.0270.0296+3.347
100ボスニア・ヘルツェゴビナ0.02590.0284+19.94
101パレスチナ0.0250.0274
102トーゴ0.0250.0274-18.8
103マラウイ0.0240.0263+1.127
104アフガニスタン0.02170.0238+1.262
105カンボジア0.01890.0207+0.195
106フィジー0.01830.0201+139.5
107マダガスカル0.01760.0194+0.0899
108ベナン0.01760.0193+14.67
109ラオス0.01730.019+1.024
110モザンビーク0.01580.0174+8.111
111モーリシャス0.01450.0159-11.04
112カタール0.01410.0155+13.2
113ジャマイカ0.01380.0151+9.644
114モンゴル0.01330.0146+13.79
115シエラレオネ0.01160.0127+0.07
116プエルトリコ0.01140.0125+0.784
117エストニア0.01120.0123+6.667
118ニジェール0.01060.0117+0.642
119ブルネイ0.009790.0107-1.277
120北マケドニア0.00910.00998+25.1
121モンテネグロ0.0080.00878
122コンゴ民主共和国0.007820.00858+0.438
123ルワンダ0.007740.00849-0.191
124リベリア0.006350.00697+1.339
125モーリタニア0.005630.00618+0.482
126パプアニューギニア0.005250.00576+0.769
127トリニダード・トバゴ0.005070.00556+2.439
128ハイチ0.004650.0051+0.427
129バーレーン0.004590.00504+7.319
130スリナム0.004430.00486-0.878
131アイスランド0.004140.00454+4.726
132チャド0.004050.00444
133ポリネシア0.003790.00415+0.422
134ボツワナ0.003510.00385-1.127
135ブータン0.003470.0038-16.31
136フランス領ポリネシア0.003170.00348+0.487
137ベリーズ0.003110.00342-0.353
138バルバドス0.003060.00336-1.291
139グレナダ0.0030.00329
140ソマリア0.002720.00298-0.113
141ナミビア0.002660.00291+0.00452
142ガボン0.002580.00283+0.533
143中央アフリカ共和国0.002480.00273+0.859
144カーボベルデ0.002470.00271-6.671
145ニューカレドニア0.002390.00262-12.28
146ブルンジ0.00230.00252+1.359
147エリトリア0.002210.00243-0.795
148ガイアナ0.002180.0024+22.09
149セイシェル0.001890.00208+6.185
150コンゴ0.001510.00166+0.729
151レソト0.001390.00152-0.835
152エスワティニ0.001340.00147+0.0172
153ギニアビサウ0.001290.00142+1
154コモロ0.001090.0012+0.211
155東ティモール0.001070.00118-26.12
156セントルシア0.001020.00112-9.91
157バハマ0.0008860.000973+0.396
158ガンビア0.0008860.000972-0.277
159ドミニカ0.0007910.000868+0.00126
160バヌアツ0.0006420.000704-0.222
161アンティグアバーブーダ0.0006010.000659-47.15
162ソロモン諸島0.0005870.000644+0.318
163セントビンセント・グレナディーン0.0005450.000598+6.508
164マカオ0.0004250.000466
165サモア0.0003890.000427+0.1
166セントクリストファーネイビス0.0002520.000277-15.88
167キリバス0.000250.000274+0.435
168赤道ギニア0.0002490.000273+0.214
169ミクロネシア0.00020.000219-1.132
170サントメ・プリンシペ0.000190.000209+1.566
171トンガ0.0001460.000161
172クック諸島3.6E-53.95E-5
173ツバル1.99E-52.18E-5+0.151
174ニウエ島1.48E-51.63E-5+0.61
175トケラウ9.78E-61.07E-5+0.102
176ナウル9.0E-69.88E-6
卵の生産量
卵の生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

卵の現状と今後

2023年の世界の卵生産量は91.13Mtで、前年から+2.259%の増加を示しました。世界的に卵は安価で栄養価の高い動物性タンパク源として消費が拡大しています。人口増加や食生活の多様化に伴い、特にアジア・ラテンアメリカ諸国で生産と消費が増加しています。1方で、環境負荷や動物福祉への配慮、技術革新も生産に影響しています。


主要国の生産動向と特徴

中国(30.99Mt|前年比 +2.783%)

世界最大の卵生産国で、世界全体の約3分の1を占めます。急速な都市化と中間層の増加により需要が伸びており、生産技術の近代化も進展中です。食品安全や環境規制の強化も同時に進み、効率的で持続可能な生産体制への転換が進められています。

インド(7.853Mt|+3.176%)

人口増加と所得向上を背景に、卵の需要が高まっています。農村部から都市部への食生活変化が生産拡大の要因であり、バリエーション豊かな卵生産が行われています。地域差は大きく、伝統的な小規模生産と工場化の2極化が進行中です。

アメリカ(6.529Mt|+0.00985%)

ほぼ横ばいの増減で安定的な生産を維持。消費者の健康志向と動物福祉への関心の高まりから、ケージフリー飼育やオーガニック卵の生産が増加。生産コスト増が課題となっているものの、高品質卵の市場拡大が見込まれます。

インドネシア(6.506Mt|+9.505%)

前年比大幅増で急成長中。人口増加に伴う食肉・卵需要の拡大が生産増を牽引。中小規模農家による生産が多く、技術普及や衛生管理の強化が今後の課題です。

ブラジル(3.417Mt|+2.945%)

中南米最大の卵生産国で、輸出も1部増加。国内市場の安定成長に加え、飼育技術の向上が生産拡大に貢献しています。

メキシコ(3.172Mt|+2.253%)

消費の増加に伴い安定した生産増。工場化が進み効率的な飼育システムを採用する農場が増加しています。

ロシア(2.591Mt|+1.201%)

政策支援を受け、国内生産の自給率向上を図っています。気候条件や資源制約の中での生産効率向上が課題です。

日本(2.438Mt|前年比 -6.121%)

前年比で減少。少子高齢化や食生活の多様化により、卵消費がやや減退。鶏舎の高齢化や労働力不足も生産減少の要因となっています。安全性や品質の高さは維持しつつ、生産効率向上の取り組みが求められています。

トルコ(1.29Mt|+4.186%)

増産傾向が続き、地域内での消費拡大に対応。家禽産業全体の発展に寄与しています。

パキスタン(1.119Mt|+5.806%)

人口増に伴う消費増が生産増加を促進。小規模農家主体の生産形態が多いものの、技術導入が進んでいます。


世界的な傾向と将来展望

緩やかな生産増加の持続

全世界的には卵の生産量は年率2%前後の増加が続くと予想されます。これは人口増加や動物性たんぱく質への需要増加に加え、卵が比較的安価かつ調理しやすい食品であることが背景です。

技術革新と効率化の進展

自動給餌・環境制御技術、衛生管理の向上により、生産効率が高まっています。さらに動物福祉対応型の飼育システムが各国で導入されつつあります。

環境と持続可能性への対応

家禽産業の温室効果ガス排出や廃棄物問題に対し、環境負荷の低減策が求められています。バイオガス化や飼料の改良など、持続可能な生産モデルが重要視されています。

消費者ニーズの多様化

健康志向、オーガニック・フリーランジ卵への需要増。新興国では食習慣の変化に伴い消費が増加し、先進国では品質・安全性重視の傾向が強まっています。


課題と展望

  • 労働力不足や飼育環境の改善

  • 飼料コストの変動リスク管理

  • 病気対策とバイオセキュリティの強化

  • 消費者教育と市場の開拓

これらの課題を克服しつつ、持続可能な卵生産体制の確立が世界的なトレンドとなります。

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