世界のレモンとライム生産の動向と主要国の特徴、今後の展望

果物

2023年のレモン・ライムの世界生産は23.64Mtで前年比+7.27%と拡大。トルコやスペインが大幅増加し、メキシコや南アフリカなど輸出志向国も成長。今後は気候変動への適応、品質差別化、輸出戦略の巧拙が各国の明暗を分ける見込み。

レモンとライムの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界23.64100+7.27
1インド3.78716.02+0.291
2メキシコ3.24913.74+4.466
3中国2.41410.21+0.276
4トルコ2.3269.836+75.79
5アルゼンチン1.9988.451-6.682
6ブラジル1.7247.293+5.445
7スペイン1.1494.859+33.09
8アメリカ1.0124.282+5.482
9南アフリカ0.813.425+3.92
10コロンビア0.5412.289+6.17
11イラン0.4932.085+0.243
12イタリア0.4732-0.703
13スーダン0.3971.678+5.529
14エジプト0.3591.52-1.401
15ペルー0.3391.434-1.152
16チリ0.2621.108+16.37
17タイ0.1670.705+0.535
18シリア0.1360.574+55.84
19グアテマラ0.1320.558+0.697
20レバノン0.1070.454+0.465
21バングラデシュ0.09990.423+4.736
22パキスタン0.09760.413-4.534
23ベネズエラ0.0910.385+2.61
24アルジェリア0.08990.38+4.641
25ドミニカ共和国0.0830.351+32.83
26オーストラリア0.07310.309+7.464
27ギリシャ0.07280.308-19
28イスラエル0.07050.298-1.225
29ジンバブエ0.06830.289+1.037
30サウジアラビア0.06630.281-1.098
31ネパール0.06150.26+19.94
32チュニジア0.05940.251+4.132
33ケニア0.05910.25-12.53
34ヨルダン0.04980.211+39.37
35ウルグアイ0.04930.209-27.45
36ガーナ0.04890.207+0.793
37マリ0.0420.178+6.714
38モロッコ0.03820.162-21.98
39ポルトガル0.03620.153+18.26
40コスタリカ0.03580.152-0.242
41ホンジュラス0.03460.146+0.0692
42ボリビア0.03270.138+0.274
43イエメン0.02970.126-7.026
44エクアドル0.02810.119-30.33
45ジャマイカ0.02590.109+0.0537
46リビア0.02390.101+10.36
47エルサルバドル0.02050.0868+24.72
48マレーシア0.01750.0739-10.7
49ソマリア0.01630.069+0.466
50パレスチナ0.01550.0654+7.799
51マラウイ0.01430.0606+0.921
52フランス0.01430.0605-34.07
53スリランカ0.0140.0594+5.866
54パナマ0.01320.056-0.94
55ウズベキスタン0.01120.0472+5.28
56タンザニア0.01040.044+0.552
57オマーン0.009190.0389+5.633
58パラグアイ0.009060.0383-5.375
59アラブ首長国連邦0.0090.0381+28.57
60ガイアナ0.008730.0369+9.771
61ラオス0.008310.0351+4.511
62日本0.008130.0344+1.106
63コンゴ民主共和国0.006960.0295-0.189
64ニュージーランド0.006950.0294+1.408
65ルワンダ0.006290.0266+5.622
66アゼルバイジャン0.006150.026+9.535
67アルバニア0.006040.0255+4.441
68コンゴ0.005240.0221+0.158
69イラク0.004560.0193-15.59
70マダガスカル0.004480.019-0.352
71ギニアビサウ0.004470.0189+0.499
72タジキスタン0.00440.0186-1.577
73キューバ0.004350.0184-5.594
74エチオピア0.004180.0177+70.46
75キプロス0.004150.0176-12.08
76ジョージア0.00310.0131+14.81
77モザンビーク0.003090.0131+0.0353
78カンボジア0.0030.0127+0.485
79ジブチ0.002930.0124+4.28
80ポリネシア0.002870.0121-1.651
81中央アフリカ共和国0.002870.0121-0.382
82トリニダード・トバゴ0.002530.0107+0.256
83バハマ0.002310.00978-1.248
84トンガ0.002230.00944-0.321
85ハイチ0.001870.0079-43.27
86ドミニカ0.001810.00767+0.963
87メラネシア0.001780.00752+0.326
88フィリピン0.001170.00497+4.984
89バヌアツ0.000930.00393+0.324
90ニューカレドニア0.0008470.00358+0.328
91プエルトリコ0.0008150.00345+4.515
92フランス領ポリネシア0.0005290.00224-7.232
93アンティグアバーブーダ0.0004310.00182-0.229
94クロアチア0.000370.00156-5.128
95ブルキナファソ0.0003230.00137+0.261
96セントルシア0.0002940.00124-9.538
97グレナダ0.0002880.00122+0.498
98マルタ0.000260.0011-16.13
99クウェート0.0002190.000926-2.813
100スリナム0.0002060.000871-13.92
101セントビンセント・グレナディーン0.0001490.00063-21.99
102ブータン0.0001390.000588+90.59
103ニウエ島0.0001090.000459+0.212
104ブルネイ6.72E-50.000284-0.252
105セイシェル5.56E-50.000235-0.233
106モルディブ3.8E-50.000161-0.105
107ボスニア・ヘルツェゴビナ1.3E-55.5E-5-13.33
108クック諸島9.0E-73.81E-6
109キルギスタン8.6E-73.64E-6-1.149
110ルーマニア00
111ルクセンブルク00
112リトアニア00
113ラトビア00
114ポーランド00
115ベルギー00
116ブルガリア00
117フィンランド00
118バーレーン00
119ハンガリー00
120ドイツ00
121デンマーク00
122チェコ00
123スロベニア00
124スロバキア00
125スウェーデン00
126オーストリア00
127オランダ00
128エストニア00
129アイルランド00
レモンとライムの生産量
レモンとライムの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

レモンとライムの現状と今後

2023年の世界のレモン・ライム総生産量は23.64百万トン(Mt)に達し、前年比+7.27%と大きな成長を記録しました。レモンとライムはともに柑橘類の中でも耐暑性が高く、気候変動が進む中でも比較的安定して生産が可能な果実です。

この急成長の背景には、以下の要因があると考えられます:

  • 健康志向の高まりによる需要の世界的な増加

  • 耐病性・耐暑性のある品種へのシフト

  • 輸出需要の増大と高価格での取引機会


インド – 圧倒的な生産量と内需中心の市場

インドは世界最大のレモン・ライム生産国(3.787Mt)で、全体の約16%を占めています。前年比は+0.291%とわずかな増加にとどまりましたが、安定した生産体制を維持しています。

インドにおける特徴:

  • 主に国内消費向けで、輸出より内需が強い

  • 暑く乾燥した気候が栽培に適している

  • 小規模農家による露地栽培が主体で、灌漑技術の地域差が影響

将来も内需を中心に堅調に推移する見込みですが、生産効率の改善と流通インフラの整備が成長の鍵となります。


メキシコ – 世界的な輸出大国

メキシコの生産量は3.249Mtで世界第2位。前年比+4.466%と好調な伸びを見せており、アメリカ市場への輸出が非常に大きなウエイトを占めます。

特徴的な点:

  • 輸出用としての品質管理と収穫タイミングの最適化が進んでいる

  • 高地・温暖地の多様な気候条件で周年供給が可能

  • 農薬・残留基準の国際適合性にも高い対応力あり

今後も輸出主導型の成長が続く見通しであり、世界市場における安定供給源としての存在感は高まると予想されます。


中国とトルコ – 急成長と地域分布の鍵

中国(2.414Mt、+0.276%)

中国は内需主導の市場で、生産量は3位ながら増加は鈍化しています。人口の多さから国内市場の吸収力は強大ですが、品質面での課題や収穫の地域格差が成長の足かせとなっている可能性があります。

トルコ(2.326Mt、+75.79%)

前年比+75.79%という驚異的な伸びを示したトルコ。これは前年の天候不良からの回復や、新規圃場の稼働、輸出拡大戦略の成功などが背景にあると考えられます。

トルコは欧州市場への地理的優位性があり、今後も安定した成長が期待されますが、気候変動と水資源への対応が課題です。


中南米と地中海諸国 – 高品質と輸出競争

アルゼンチン(1.998Mt、-6.682%)

アルゼンチンは伝統的に工業用・ジュース加工用としての生産が多いのが特徴ですが、2023年は減産となりました。天候や輸送コストの上昇が影響した可能性があります。高品質果実の輸出競争で他国に押されつつある状況です。

ブラジル(1.724Mt、+5.445%)

ブラジルは主に国内市場向けでありながら、近年では輸出機会の拡大も進行中。農業技術が進んでおり、今後も着実な成長が見込まれます。

スペイン(1.149Mt、+33.09%)

スペインは欧州市場でのプレミアム品供給国としての地位を強化しています。前年比+33.09%という大幅増加は、天候回復と輸出需要の好調さを背景にしています。


アメリカ・南アフリカ・コロンビアの役割

アメリカ(1.012Mt、+5.482%)

アメリカは自国内需の充足と輸入補完が並行して行われている市場です。カリフォルニア州などの気候に適した地域での栽培が盛んですが、気候リスク(干ばつ・山火事)が今後の安定供給に影を落とす可能性もあります。

南アフリカ(0.81Mt、+3.92%)

南アフリカは南半球からのオフシーズン供給国として、輸出において戦略的価値があります。今後は、EU・中東・アジア市場への輸出強化が期待されます。

コロンビア(0.541Mt、+6.17%)

生産量では小規模ながら、気候安定性と近年の輸出強化により伸びを見せています。今後、周辺中南米諸国との競争力次第で成長余地があります。


将来展望とキーポイント(~2030年)

世界需要の堅調増加

レモンとライムは、免疫機能の強化や健康志向の高まりを背景に、今後も需要が世界的に増加する見込みです。特に新興国の中間層拡大が内需を押し上げるでしょう。

持続可能な生産と気候適応力

気温上昇・降水パターンの変化に伴い、耐乾性品種や省水栽培技術の導入が必要不可欠となります。また、輸送効率や保存技術の改善も市場競争の鍵を握ります。

品質・ブランド化の重要性

価格競争だけではなく、残留農薬基準・見た目・香りなどの品質面での差別化が今後の成長を左右するでしょう。スペインやメキシコのようなブランド強化国の戦略が今後のモデルとなります。

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