世界のマンゴー生産量の動向と国別比較:2023年の最新統計と今後

果物(南国)
生産量



世界のマンゴー生産量は2023年に61.11Mtに達し、長期的に増加傾向にあるが、主要生産国では伸び悩みも見られる。インドが約43%を占め圧倒的だが、メキシコやブラジル、マラウイなどの躍進が目立つ。気候変動や水資源の制約が今後の生産に影響を与えると見られ、持続可能な栽培や多様な生産国による供給が重要になる。

生産量のデータとグラフ

マンゴー生産量の最大と最新

世界 インド インドネシア 中国 メキシコ パキスタン ブラジル マラウイ
最新 2023年 2023年 2023年 2023年 2023年 2023年 2023年 2023年
最大期 2023年 2022年 2022年 2005年 2023年 2022年 2023年 2023年
最新値[Mt] 61.11 26.24 4.104 3.995 2.706 2.594 2.341 2.131
最大値[Mt] 61.11 26.3 4.125 4.25 2.706 2.783 2.341 2.131
前年比[%] 0.9952 -0.2396 -0.5041 2.094 8.365 -6.773 6.956 5.736
全体比[%] 100 42.93 6.717 6.537 4.428 4.246 3.831 3.488

 

これまでの推移

マンゴーの生産量
最新の割合

 

詳細なデータとグラフ

 

マンゴー生産量についての推移と展望

マンゴーは1960年代以降、熱帯果実の中でも特に重要な農産物の一つとして地位を確立してきた。FAOの統計に基づくと、1961年にはわずか数百万トンだった世界のマンゴー生産量は、2023年には61.11Mt(メガトン)に達し、60年以上の間に急速な成長を遂げている。この背景には、人口増加と都市化に伴う果物需要の拡大、アジアやアフリカにおける農業技術の進展、市場インフラの整備などがある。


インドの圧倒的な地位とその課題

インドは世界最大のマンゴー生産国であり、2023年時点で26.24Mtを生産し、全体の42.93%を占めている。この支配的地位は長年にわたって変わらず、気候的条件、品種の多様性(アルフォンソ、ケサールなど)、豊富な労働力によって支えられている。

しかし、近年は生産量が頭打ちとなっており、2023年は前年比-0.2396%の減少が見られた。原因としては気候変動による不安定な雨期や高温の影響、都市開発による農地の減少、水資源の枯渇などが挙げられる。また、収穫後の損失(ポストハーベストロス)や輸出体制の脆弱性も課題である。


東南アジアと中国の安定成長

インドネシア(4.104Mt)と中国(3.995Mt)は、それぞれ世界第2位・第3位のマンゴー生産国であり、全体比ではそれぞれ6.717%、6.537%を占めている。特に中国は2023年に前年比2.094%の増加を示し、施設園芸の導入や灌漑の効率化など、技術面での強化が奏功している。

一方でインドネシアはやや減少傾向(-0.5041%)を示しており、過剰伐採や土地利用の変化が影響している可能性がある。


メキシコ、ブラジル、マラウイの台頭

メキシコ(2.706Mt)は、主要な輸出国としての地位が強く、特にアメリカ市場へのアクセスが成長の鍵となっている。2023年は前年比8.365%と大きく増加しており、生産の拡大が順調に進んでいる。

ブラジル(2.341Mt、+6.956%)も、南米における有望な生産国であり、多様な気候帯を生かして長期的に安定した供給を維持している。マラウイ(2.131Mt、+5.736%)の成長は注目に値し、アフリカ内での存在感を高めている。これらの国々は、気候的なアドバンテージや比較的新しい生産体制によって伸びしろが大きい。


パキスタンの課題と期待

パキスタンは世界第5位の生産国で、2.594Mtを生産しているが、前年比では-6.773%と大きな減少を記録している。政治的不安定や水不足、インフラの老朽化が生産と流通に悪影響を及ぼしており、特に灌漑インフラの整備と市場アクセスの向上が急務である。


今後の課題と予測

世界のマンゴー生産は今後も中長期的には増加が見込まれるが、そのペースは鈍化する可能性がある。気候変動の影響、農地の都市化、労働力の確保、水資源の制限などがボトルネックとなりうる。また、主要生産国に集中したリスクも懸念され、多国間での生産分散と市場の多極化が求められる。

一方で、マンゴーの健康効果や加工品(ジュース、ドライマンゴーなど)の需要増加は、需要面での支えとなる。サステナブル農業やスマート農業技術の導入が、将来的な生産性の鍵となるだろう。


まとめ

マンゴーは世界中で愛される果実であり、現在もその生産は発展段階にある。しかし、生産の安定化と持続可能性を両立させるためには、主要生産国が共通して抱える課題への対応が不可欠である。今後は、アフリカやラテンアメリカにおける新興生産国の成長にも注目しつつ、グローバルな需給バランスと環境変化への対応力が問われることになる。

 

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