2023年の世界のファット生産量は432.6千トンで前年比約2.45%増。インドとパキスタンが大半を占め、中国や東南アジア諸国も増加傾向にあります。一方ネパールなど一部で減少。伝統乳製品需要の高まりや技術革新が生産拡大を支える一方、環境負荷や気候変動対応が課題となっています。
ファットの生産量ランキング
各国 | 最新値[kt] | 全体比[%] | 前年比[%] | |
---|---|---|---|---|
世界 | 432.6 | 100 | +2.449 | |
1 | インド | 274.3 | 63.41 | +2.759 |
2 | パキスタン | 85.4 | 19.74 | +2.954 |
3 | 中国 | 53.54 | 12.38 | +4.79 |
4 | エジプト | 5.832 | 1.348 | -6.013 |
5 | ネパール | 2.33 | 0.539 | -39.97 |
6 | ベトナム | 2.163 | 0.5 | +2.58 |
7 | フィリピン | 1.771 | 0.409 | -2.893 |
8 | インドネシア | 1.009 | 0.233 | +4.692 |
9 | ミャンマー | 0.993 | 0.23 | +1.225 |
10 | ラオス | 0.798 | 0.184 | +1.406 |
11 | ベネズエラ | 0.655 | 0.151 | +1.004 |
12 | タイ | 0.611 | 0.141 | -10.46 |
13 | コロンビア | 0.42 | 0.0972 | +38.78 |
14 | トルコ | 0.345 | 0.0799 | +13.25 |
15 | バングラデシュ | 0.337 | 0.078 | +0.795 |
16 | スリランカ | 0.328 | 0.0758 | -1.086 |
17 | カンボジア | 0.271 | 0.0627 | -0.975 |
18 | イラク | 0.248 | 0.0573 | +3.463 |
19 | イラン | 0.183 | 0.0422 | -24.28 |
20 | マレーシア | 0.051 | 0.0118 | -19.49 |
21 | 東ティモール | 0.0255 | 0.00588 | +6.13 |
22 | ブルネイ | 0.0145 | 0.00335 | -10.29 |
23 | シリア | 0.00744 | 0.00172 | -36.73 |
24 | ブータン | 0.00397 | 0.000918 | +2.584 |
25 | トリニダード・トバゴ | 0.00029 | 6.7E-5 | -27.5 |


詳細なデータとグラフ
ファットの現状と今後
2023年の世界全体のファット生産量は432.6千トン(kt)で、前年から+2.449%の増加を示しました。乳脂肪は乳製品の品質や風味、栄養価を左右する重要な成分であり、乳製品消費の拡大に伴って需要が増加しています。特にアジアを中心とした新興市場での乳製品消費拡大が生産増の背景にあります。
主要生産国の生産動向と特徴
インド(274.3kt|前年比 +2.759%)
世界最大のファット生産国であり、乳製品生産の中心。多数の小規模酪農家が存在し、水牛乳など多様な乳源からの生産が特徴です。国内消費の増加と伝統的乳製品(ギーなど)への需要が生産拡大を支えています。
パキスタン(85.4kt|+2.954%)
乳脂肪の生産が盛んで、ギーやバターの需要が高い。気候条件や酪農技術の改善で安定した生産増が続いています。
中国(53.54kt|+4.79%)
乳製品市場の急拡大に伴い、乳脂肪の生産も増加。国産乳製品の品質向上を目指すと同時に輸入も活発化。都市部の消費者ニーズに応じた高品質乳脂肪製品が注目されています。
エジプト(5.832kt|-6.013%)
生産量がやや減少。経済・気候要因の影響が考えられます。地元消費と輸出のバランスが今後の課題。
ネパール(2.33kt|-39.97%)
大幅な減少が見られます。農業構造の変化や気候変動の影響、流通課題が原因と推察されます。
ベトナム(2.163kt|+2.58%)
消費の拡大に伴い生産も緩やかに増加。乳製品産業の成長と都市化がファット生産を後押し。
フィリピン(1.771kt|-2.893%)
減少傾向ですが、国産乳製品の需要変動や輸入品との競争が影響。
インドネシア(1.009kt|+4.692%)
生産増加が続いており、酪農政策や投資が奏功。消費増加も追い風。
ミャンマー(0.993kt|+1.225%)
微増傾向。農業近代化が進むものの、生産基盤の強化が課題。
ラオス(0.798kt|+1.406%)
小規模ながら安定した生産増。今後の発展に期待。
世界的な生産傾向と将来展望
緩やかな生産増加傾向
世界全体として乳脂肪の生産は緩やかに増加傾向で、年率2%前後の成長が見込まれます。人口増加や生活水準の向上が生産を牽引。
伝統乳製品の重要性
インド・パキスタンをはじめ南アジアでは、ギーやバターなど伝統的乳脂肪製品の需要が高く、生産を下支えしています。
技術革新と効率化の必要性
酪農技術の向上、品質管理強化により生産効率と乳脂肪含有率の改善が進んでいます。環境負荷低減の取り組みも重要。
環境・気候変動の影響
気候変動が生産に影響を及ぼす地域も多く、持続可能な生産体制の構築が課題。
消費者ニーズの多様化
健康志向の高まりや代替脂肪製品の普及に対応した製品開発が求められます。
課題と今後の展望
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小規模農家の支援と技術普及の強化
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生産効率化と乳脂肪含有率の向上
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環境問題と資源管理の両立
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グローバル市場での競争力確保と品質向上
これらを通じて、ファット生産は持続的に拡大しつつも、品質・環境配慮が生産の鍵を握ります。
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