世界のパイナップル生産量と今後の展望【最新データ分析】

果物

2023年のパイナップル世界生産量は29.64Mtで微増。インドネシアやフィリピン、コスタリカが主な生産国で、輸出型と国内消費型に大別される。将来は気候変動や病害対応が鍵で、持続可能な生産体制の整備が求められる。

パイナップルの生産量ランキング

2023年
降順昇順
各国最新値[Mt]全体比[%]前年比[%]
世界29.64100+0.211
1インドネシア3.15710.65-1.473
2フィリピン2.9449.935+1.024
3コスタリカ2.9389.913+12.19
4中国2.4698.33+3.475
5ブラジル2.3878.056+1.299
6インド1.8286.168-1.243
7ナイジェリア1.6165.451+0.338
8メキシコ1.2734.294+1.716
9タイ1.2584.245-26.61
10コロンビア0.8532.879-7.235
11ベトナム0.7812.634+10.63
12アンゴラ0.7592.562+6.844
13ドミニカ共和国0.7482.525+50.61
14ガーナ0.6882.322-0.223
15ペルー0.5841.969-0.671
16エクアドル0.5081.714+72.02
17ベナン0.4771.611+1.04
18ベネズエラ0.4771.61+0.982
19タンザニア0.4441.498-4.022
20マレーシア0.3921.324-26.97
21グアテマラ0.3881.31-9.722
22マラウイ0.3431.159+3.485
23カメルーン0.3111.049-1.012
24バングラデシュ0.1970.664-4.574
25コンゴ民主共和国0.1890.638-0.255
26アメリカ0.1680.568-0.0679
27南アフリカ0.1280.433-3.028
28パナマ0.1240.418-3.404
29ケニア0.09740.329-61.46
30マダガスカル0.08770.296-0.707
31ボリビア0.08710.294+0.66
32ホンジュラス0.0770.26-23.14
33ギニア0.07420.25+3.832
34パラグアイ0.07290.246-1.274
35オーストラリア0.07220.244-2.285
36ニカラグア0.06860.232-0.374
37ラオス0.06710.226-10.08
38モザンビーク0.05620.19+0.371
39ジャマイカ0.04910.166-4.846
40スリランカ0.04530.153-14.27
41メラネシア0.03610.122+3.842
42ガイアナ0.03560.12+4.512
43コートジボワール0.03480.117-15.48
44キューバ0.02850.0961+2.286
45カンボジア0.02420.0817-0.267
46パプアニューギニア0.02370.0801+0.521
47ルワンダ0.02330.0788+11.59
48エスワティニ0.02120.0715-31.61
49中央アフリカ共和国0.0160.0541+0.293
50プエルトリコ0.01390.0468+24.71
51ザンビア0.01070.0361-14.74
52ネパール0.009740.0329-36.44
53リベリア0.009370.0316+0.157
54ジンバブエ0.008890.03+4.083
55フィジー0.008590.029+16.21
56ウガンダ0.008190.0276-9.855
57ポリネシア0.007930.0268+1.929
58日本0.007740.0261+4.35
59ハイチ0.007210.0243+0.197
60イスラエル0.006310.0213-4.409
61モーリシャス0.005920.02+6.076
62スリナム0.004670.0158+16.27
63サモア0.004620.0156+0.195
64ベリーズ0.004260.0144+1.188
65南スーダン0.004220.0142+0.3
66スーダン0.003910.0132-0.183
67バヌアツ0.00380.0128+0.396
68コンゴ0.003750.0126+0.515
69フランス領ポリネシア0.00330.0111+4.474
70アルゼンチン0.003240.0109-0.0374
71ドミニカ0.002350.00793+0.362
72エチオピア0.001970.00665+10.04
73トーゴ0.00190.00642+0.244
74ブルネイ0.001270.00427+0.242
75ガボン0.001260.00426-0.445
76エルサルバドル0.001090.00367+5.283
77韓国0.000970.00327+0.31
78トリニダード・トバゴ0.000950.00321-37.55
79ギニアビサウ0.0004090.00138+0.189
80ブータン0.0001390.00047+42.54
81東ティモール0.0001360.000457-0.638
82セントルシア6.0E-50.000202-25
83グレナダ4.7E-50.000159-39.74
84セイシェル3.2E-50.000108-0.621
85クック諸島1.67E-55.62E-5+0.12
86セントクリストファーネイビス8.0E-62.7E-5-57.89
87アンティグアバーブーダ1.36E-64.59E-6+1.493
パイナップルの生産量
パイナップルの生産量

生産量

詳細なデータとグラフ

パイナップルの現状と今後

2023年における世界全体のパイナップル生産量は29.64Mt(メガトン)で、前年から+0.211%というわずかな増加にとどまりました。果物としては高い人気と需要がある1方で、気候変動や病害、経済的要因が生産に大きく影響している状況がうかがえます。

生産上位10カ国だけで、世界全体の7割以上を占めており、特に東南アジア(インドネシア、フィリピン、タイ)と中南米(コスタリカ、メキシコ、コロンビア)が主要な生産地として目立ちます。


主力生産国の現状と動向

インドネシア(3.157Mt、前年比 -1.473%)

世界最大のパイナップル生産国であるインドネシアは、広大な熱帯雨林地域を活かした栽培が特徴です。2023年はやや減少しましたが、生産規模は安定しており、主に国内市場向けの需要が中心です。輸出量は限定的ながら、今後の国内経済成長に伴う食品加工・ジュース需要の増加が生産量を下支えするでしょう。

フィリピン(2.944Mt、+1.024%)

フィリピンはパイナップルの大規模輸出国として知られ、大手食品企業のプランテーション経営が盛んです。2023年の増加は小幅ながらも、安定的な成長を示しています。将来は、持続可能な農業技術の導入と輸出先の多様化が重要なテーマとなるでしょう。

コスタリカ(2.938Mt、+12.19%)

今回のデータで最も注目すべき国のひとつがコスタリカです。前年比+12.19%の大幅な増加は、輸出需要の回復や生産技術の改善によるものと考えられます。コスタリカは、アメリカやヨーロッパへの輸出を主軸とした体制が整っており、今後も高品質・高価格帯パイナップルのニーズに応える形での成長が見込まれます。


中国・ブラジル・インド:国内消費主導の拡大

中国(2.469Mt、+3.475%)

中国は近年、果物の消費が急拡大しており、パイナップルも例外ではありません。国内生産の増加は、地方経済の発展、農業機械化、消費者嗜好の変化によるものと推察されます。今後は、サプライチェーンの効率化と食品加工向け需要が生産量増加の鍵を握るでしょう。

ブラジル(2.387Mt、+1.299%)

ブラジルでは、伝統的に果物の生産と消費が盛んであり、パイナップルはジュースや缶詰などの加工品としての需要も高いです。2023年はやや増加に転じており、安定的な供給が期待されます。国内市場中心のため、為替変動や国際需要に左右されにくい安定型の供給国です。

インド(1.828Mt、-1.243%)

インドはパイナップルを広く消費する国で、特に南部・北東部での栽培が盛んです。生産量が微減した2023年は、気象条件や農業投資の減少が影響していると見られますが、今後は国内の食品加工産業の成長とともに再び増加が見込まれます。


変動の大きい国々とその背景

タイ(1.258Mt、前年比 -26.61%)

タイは今回、最大の減少率を示しました。この26%以上の減少は、気象災害(干ばつ・豪雨)や病害の流行、あるいは労働力不足や価格下落による作付け面積の縮小が要因と考えられます。タイはもともと加工用パイナップルの輸出に強みがある国でしたが、生産体制の見直しが急務です。

コロンビア(0.853Mt、-7.235%)

中南米での生産国であるコロンビアも減少しました。2023年は気候変動や輸送コストの高騰などが影響した可能性があります。将来は、品質重視の小規模輸出型モデルの構築が求められるでしょう。


世界のパイナップル生産の将来展望(〜2030年)

需要は堅調、供給は不安定

世界的に、パイナップルの消費需要は今後も安定的に伸びる見込みです。特に都市化が進む新興国では、手軽に摂取できる果物としての需要が高まり、また健康志向の高まりによりジュースやドライフルーツとしての消費も増加しています。

1方で供給面では、気候変動や農業資材価格の上昇、人手不足といった問題から、国ごとの増減が不安定化するリスクが今後も続くと見られます。

輸出国の成長とリスク管理

コスタリカ、フィリピン、タイといった輸出主導型の国々では、気象リスクや国際価格変動、サプライチェーンの寸断への対応が重要です。特に欧米市場では持続可能な農法(サステナブル認証)への対応も求められるため、環境配慮と経済効率を両立できるモデルが鍵を握ります。

国内志向国のチャンスと課題

インド、中国、ブラジルなどの国内需要中心国は、今後食品加工・小売流通の発展とともに生産量が増加する可能性が高いです。ただし、都市化や土地利用の競合により、農地の確保とインフラ整備が重要課題となります。

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