2023年の世界のニンニク生産量は28.67Mtで、全体の72.35%を中国が占め、インドが11.39%と続く。生産量は近年やや減少傾向にあるが、一部の国では増加も見られる。特に韓国やウズベキスタン、バングラデシュなどが成長を示す中、中国の一極集中体制とその持続性が課題。今後は気候変動や輸出入規制、農業技術の普及が生産構造に影響を与えると予測される。
生産量のデータとグラフ
ニンニク生産量の最大と最新
世界 | 中国 | インド | バングラデシュ | エジプト | 韓国 | ウズベキスタン | アルジェリア | |
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最新 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 | 2023年 |
最大期 | 2022年 | 2015年 | 2023年 | 2023年 | 2022年 | 1999年 | 2018年 | 2019年 |
最新値[Mt] | 28.67 | 20.74 | 3.266 | 0.5489 | 0.4904 | 0.3182 | 0.226 | 0.2123 |
最大値[Mt] | 28.73 | 21.77 | 3.266 | 0.5489 | 0.5221 | 0.4838 | 0.2549 | 0.2233 |
前年比[%] | -0.2154 | -0.4112 | 1.809 | 4.193 | -6.073 | 16.67 | 7.418 | 5.097 |
全体比[%] | 100 | 72.35 | 11.39 | 1.914 | 1.71 | 1.11 | 0.7881 | 0.7404 |
これまでの推移


詳細なデータとグラフ
ニンニク生産量についての推移と展望
1961年には数百万トン規模だったニンニクの生産量は、農業技術の進展、食生活の変化、世界人口の増加とともに拡大を続け、2023年には28.67Mtに達している。ただし前年比は-0.2154%と微減しており、成長が鈍化している兆候も見られる。
中国の圧倒的シェアとその影響力
中国は2023年時点で20.74Mtを生産し、世界全体の72.35%を占める。これにより国際市場では価格形成力を持ち、供給障害が生じた場合の影響も大きい。前年比は-0.4112%とわずかに減少しているが、依然として突出した生産体制を維持している。
インドの成長と自国消費への対応
インドは3.266Mt(全体の11.39%)を生産し、中国に次ぐ規模を持つ。前年比は1.809%増と堅調な伸びを示しており、国内需要の増加や農村部の雇用創出を背景に、生産拡大が進められている。
成長著しい新興国:韓国・バングラデシュ・ウズベキスタン
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韓国:前年比16.67%増と急伸し、0.3182Mt(1.11%)を生産。国内の健康志向や高品質志向が背景。
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バングラデシュ:前年比4.193%増で、0.5489Mt(1.914%)に達する。
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ウズベキスタン:前年比7.418%増、0.226Mt(0.7881%)。中央アジアでの栽培拡大の動きが顕著。
エジプト・アルジェリアの停滞と成長の両面
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エジプトは前年比-6.073%と減少、0.4904Mt(1.71%)。気候変動や灌漑水の確保が課題。
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アルジェリアは前年比5.097%増、0.2123Mt(0.7404%)。地域市場への供給を背景に拡大中。
今後の課題と展望
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一極集中のリスク:中国依存が続く限り、輸出規制や病害発生時のリスクが高い。
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気候変動と灌漑事情:乾燥地域では水資源の確保が生産の鍵を握る。
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バリューチェーンの再編:冷蔵・乾燥・加工技術の普及が生産国の競争力を左右する。
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食文化の変化:健康志向の高まりで需要は安定的に推移すると予測される。
まとめ
ニンニク生産は中国の独占的構造が続くが、アジア・アフリカを中心に生産の多極化が進行中。将来的には気候変動と技術革新が各国の生産戦略を大きく左右するだろう。
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