2023年の世界のそば生産量は2.204Mtで前年から約1.2%減少。ロシアが最大生産国だが減少傾向、ウクライナが大幅増加した。中国やアメリカは安定的で、日本は減少傾向。気候変動や農業人口減少が課題だが、健康志向の高まりで市場拡大が期待される。
そばの生産量ランキング
各国 | 最新値[Mt] | 全体比[%] | 前年比[%] | |
---|---|---|---|---|
世界 | 2.204 | 100 | -1.229 | |
1 | ロシア | 1.149 | 52.14 | -5.998 |
2 | 中国 | 0.504 | 22.88 | -0.429 |
3 | ウクライナ | 0.211 | 9.561 | +42.68 |
4 | アメリカ | 0.0867 | 3.933 | -0.801 |
5 | カザフスタン | 0.0835 | 3.788 | -7.028 |
6 | ブラジル | 0.0646 | 2.932 | +0.379 |
7 | 日本 | 0.0355 | 1.611 | -11.25 |
8 | タンザニア | 0.0222 | 1.007 | -0.255 |
9 | ベラルーシ | 0.0169 | 0.768 | -0.895 |
10 | ネパール | 0.0151 | 0.684 | -21.81 |
11 | カナダ | 0.0117 | 0.532 | +8.18 |
12 | 韓国 | 0.00168 | 0.0761 | -15.33 |
13 | ブータン | 0.000966 | 0.0438 | -14.79 |
14 | ボスニア・ヘルツェゴビナ | 0.000747 | 0.0339 | +69 |
15 | 南アフリカ | 0.000223 | 0.0101 | +1.09 |
16 | ジョージア | 0.000115 | 0.00522 | -0.286 |
17 | キルギスタン | 1.6E-5 | 0.000726 | -5.882 |
18 | ウズベキスタン | 9.35E-6 | 0.000424 | -22.08 |
19 | モルドバ | 3.0E-7 | 1.36E-5 | -90 |


詳細なデータとグラフ
そばの現状と今後
そばは主に冷涼な気候や標高の高い地域で栽培される穀物で、アジアや東ヨーロッパを中心に生産されています。2023年の世界全体の生産量は約2.204Mtで、前年から約1.23%減少しました。そばは健康志向やグルテンフリー食品としての需要増加も期待されますが、生産量は依然として限られた地域での栽培が中心です。
主要生産国の状況と生産動向
ロシア(1.149Mt、前年比-5.998%)
世界最大のそば生産国であり、世界生産の約半分を占めています。冷涼な気候に適応した伝統作物として根強い需要がありますが、2023年は気象条件や農業環境の変化により生産が減少しました。
中国(0.504Mt、前年比-0.429%)
中国はアジア最大の生産国の1つで、主に北東部や標高の高い地域で生産。生産量はほぼ横ばいで安定していますが、食文化の多様化に伴い需要の増加も期待されています。
ウクライナ(0.211Mt、前年比+42.68%)
近年、急激な生産増加が見られ、前年比で約43%増と著しい伸びを示しました。肥沃な土壌と気候が適しており、新規栽培面積の拡大や技術向上が背景と考えられます。
アメリカ(0.0867Mt、前年比-0.801%)
主に北部や標高の高い地域で栽培され、健康志向の高まりで需要が増加傾向にありますが、生産量は微減傾向です。
カザフスタン(0.0835Mt、前年比-7.028%)
冷涼な大陸性気候がそば栽培に適している地域ですが、近年はやや生産が減少しています。農業環境や市場の変動が影響している可能性があります。
ブラジル(0.0646Mt、前年比+0.379%)
南米での生産国として注目されており、微増ながら安定的に生産されています。消費の増加も背景にあります。
日本(0.0355Mt、前年比-11.25%)
伝統的なそばの生産国であり、国内需要は根強いものの、農業人口の減少や耕作放棄地の増加で生産量は減少傾向が続いています。
その他の国々(タンザニア、ベラルーシ、ネパールなど)
生産量は比較的小規模で、気候や地形条件により変動が大きく、全体としては横ばいか減少傾向にあります。
地域別の生産傾向と課題
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東ヨーロッパ・ロシア圏ロシアやウクライナ、ベラルーシが主要生産地。伝統作物としての重要性は高いものの、政治的・経済的な不安定さや気象リスクが課題です。
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アジア(中国、日本、カザフスタン)健康志向の高まりで需要増も期待されますが、農業従事者の減少や都市化による耕作地減少が生産拡大の障壁となっています。
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アメリカ・南米健康食品市場の拡大で栽培面積や生産量が緩やかに増加傾向にあるものの、まだ小規模な市場です。
将来の展望と対策
生産量の横ばいか微減傾向が続く可能性
世界的には気候変動や農業人口の減少などの影響で、生産量は大幅な増加は難しいものの、需要増を背景に安定的な生産維持が期待されます。
技術革新と気候適応の必要性
耐寒性・耐病性の高い品種開発や栽培技術の向上が不可欠で、特に気候変動に強い農業モデルの導入が求められます。
健康志向と市場拡大
グルテンフリーや健康食品としての人気が高まる中、生産国は品質向上と消費者ニーズに対応することで市場拡大を目指しています。
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